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貴乃花親方に学べ! サービス業は尊い仕事である

前回の記事でホテルの仕事を退職したことを書いた。

大手企業の法務部で大型M &Aを担当している姉が

「ホテルマンなんて底辺の仕事よくやるね。」

2021.姉京都のスタバにて

と言った。悪気のない言葉であったが、彼女の本心だろう。
このように世間は
サービス業を汚く泥臭い仕事、誰にでもできる単純な仕事
と認知しているだろう。
この認知はひどく歪んでいると思う。サービス業が誤解している現状に私は怒っている。今回この認知を反駁し、ホテルマンとしての経験(フロントとレストラン)からサービス業とは崇高な仕事であることを示していこう。ここでのサービス業とはb to c向け全般の仕事とする。

汚く泥臭い仕事

以下核心をついた2人の名言を紹介する。
貴乃花親方 (2011年1月2日情熱大陸にて)
汚い仕事ほどキレイなものはないぞ。

甲本ヒロト(「リンダリンダ」冒頭)
ドブネズミみたいに美しくなりたい
わかるようでわからないが、わかったような気がする。あなたはわかっただろうか?
汚く泥臭いものは敬遠されるが、その仕事に向き合う精神こそが美しく、尊ぶべきものだと解釈した。ホテル業とは非常に泥臭く、汚い仕事だ。ゲストの大きく重い荷物を運び、レストランでは子供が食べ散らかした卓を急いで片付け、次のゲストを笑顔で出迎える。人員不足の際は、ハウスキーピングも行う。そして理不尽なクレームにも対応しなければならない。だが、これらには非常に価値がある。
ゲストは普段の生活に疲れ、リゾート地に安らぎを求めやってくる。ゲストの滞在がより快適になるようサービスすることがホテルマンの仕事である。前述の通り、泥臭い仕事がほとんどであるが、その積み重ねがゲストの心地良い滞在につながり、大きな価値を生むのだ。
つまり、汚い泥臭い仕事であるが、同時にそれだけ価値のある仕事であるのだ。

誰にでもできる単純な仕事

これも誤解がある。例えば、レストランで2人のスタッフがゲストの食器を下げていたとする。1人はゲストの食器が溜まっているのを見て、ただ食器を下げる。もう1人は食器を下げる際、ゲストに関心を持ち、個別のニーズに応えるようなアプローチをする。そしてゲストの滞在をより心地良いものにし、次回の来店につなげたらどうだろう。一度のサービスが将来の大きな利益につながる。同じ業務でもサービスの質により高い付加価値を生み出せるのだ。

課題:サービス業の認知の歪み

上記で以下を示した。
・「汚い泥臭い仕事」→ 同時にそれだけ価値のある仕事
・「誰でもできる単純な仕事」→ プラスαで付加価値の高い仕事にできる
このサービス業に対する認知が歪んでいることこの業界の社会的地位が上がらず、不当な給与で働かされることになる。サービス業の地位向上を目指す私は以下解決策を考えた。

解決策 : 日本式チップ文化の導入

「だいたいサービスの質に差があるのに対価が同じでいいはずがない。」
それは雇用者の怠慢であるが、それを実際評価するのは難しい。あるサービスによってそのゲストが今後どのくらいリピートし、どのくらい会社に利益を与えるかを測ることは困難だからだ。であれば、直接ゲストにその場で対価を払ってもらえばいい。あるスタッフのサービスが良ければ顧客がその場でチップを払う。もちろん価格相応であれば、払う必要はない。そうすれば、良いサービスには相応の価値がつく。ゲストが自主的にチップを払い、アメリカのようなチップが強制的に払われるものではない。
(アメリカではチップ分の賃金を前提に従業員の給与を抑えている。)
顧客が価格以上の価値を感じた場合、自主的にチップを支払い、そのスタッフも自分の仕事に対価を得ることができる。そうした文化が根づけば、サービス業が置かれる環境は劇的に変わるだろう。サービス業に敬意が払われ、「サービス業は尊いもの」という認知に変わるだろう。

現在、価格以上の過度なサービスを要求され、そのインセンティブは何もない。搾取され、疲弊したこの業界の労働環境の改善には、日本式チップ文化を定着させ、サービス業の社会的地位向上しかない。日本に残されたポテンシャルのある産業はサービス業(観光)しかないのだから。

Jun


私は変態です。変態であるがゆえ偏っています。偏っているため、あなたに不快な思いをさせるかもしれません。しかし、人は誰しも偏りを持っています。すると、あなたも変態と言えます。みんなが変態であると変態ではない人のみが変態となります。そう変態など存在しないのです。