【週末投稿】つれづれ有用植物#96(バラ科ビワ属:ビワ)
PinguBanana はビワの実を見ると、そろそろ夏が近づいてくるというワクワクな気持ちになりますし、薄甘く可愛らしいビワの実は見ているだけで幸せになりそうです。
実は5月から6月にかけてお店に並ぶ事が多いのですが、ハウス栽培や早生品種に改良されたものもあって、早くは1月に実をつけるものもあるそうで、大きなお店に行けば、早春~夏まで入手出来て楽しむことができます。
適地としては温暖な地域に限られており、九州、四国、和歌山、房総半島で実の栽培が盛んな様です。ただし若干の耐寒性を持っており、寒冷地でも冬期の最低気温-10℃程度であれば生育・結実可能だそうです。
常緑広葉樹で自家結実性のため、自身の花粉で受粉し果実を付けることができます。
一般的には果実を目的に栽培され、葉が濃く茂るため目隠しに利用したり、庭の演出として庭木などの植栽にもされています。
実は生食にしたり、ジャム、コンポートにしたり果実酒で楽しむ方もいらっしゃいます。ビタミン、カリウム、繊維質が多く含まれています。
さてここからは、生薬としてのビワを紹介したいと思います。
ビワの葉や種を生薬として昔から利用されてきました。
■葉
葉に含まれる成分は古くから薬用とされていました。現在でも「お茶」や、「針灸」、「ビワの葉温灸」に利用されているようです。
カリウムを豊富に含んでいるので、腎臓疾患のある人や透析を受けている人などは医師と相談してから、ビワ茶を飲用してください。
葉を焼酎などのエキスに漬け込み栄養素を抽出したものを「ビワの葉エキス」と呼び、水で薄めてうがいをしたり、湿布や傷口・虫刺されに塗ったり、化粧水として使われています。湿疹や傷などの皮膚のトラブルなどに効果があると言われています。
サポニン
脂肪やコレステロールを取り除く働きや抗酸化作用も期待できるそうです。
タンニン
抗酸化作用、抗菌、殺菌作用、消臭効果があります。
ウルソール酸
骨密度の低下を抑制し、強い骨を維持する効果があることが近年の研究で明らかになったそうです。
アミグダリン
癌に効くと言われて、しばしば癌治療に利用されることがありました。これは別に章立てしてお話したいと思います。種の方が含有量が多い様です。
【葉裏のうぶ毛を除去処理したもの】
薬効は若葉よりも、2年目以降のゴワゴワとした固い葉が良い様です。
葉の裏には、茶色い産毛がついていますが良く洗って、タワシや歯ブラシでゴシゴシと落とします。陰干しにして保存します。
■種
種にもミネラル・ビタミン群が豊富に含まれており、その他に「アミグダリン」が含まれており、葉と比較すると1000倍以上の量が含まれているそうです。
種をフライパンでローストしてそのまま食べる事ができます。アーモンドやクルミなどのナッツ類とはまた違った味わいがあるそうです。
フードプロセッサーで粉末にして料理に掛けて食べる事もできます。杏仁豆腐のような香りがしますよ。
基本的にビワの種には「自覚症状がある副作用」は無いようですが、食べ過ぎにより、中毒を引き起こす可能性はありますので少量で楽しむのが無難でしょう。
■アミグダリンについて
アミグダリンは天然の有害物質(シアン化合物)と言われており、特に未熟な実から採った種や、種の粉末の様に大量に摂取可能な形態で摂取するのは危険であると農林水産省は注意喚起をしています(参考リンクあり)。
体内で化学反応を起こして毒物(青酸)に姿を変える場合があり、大量に摂取することによって中毒になる事があり、頭痛・吐き気・発熱などの症状が起こり、重度になると歩行困難・昏睡のおそれもあるのというのです。
また「一説には癌細胞を死滅させる働きを持つとも言われているそうですが、しっかりとした裏付けはされていないのが現状の様です。」という記事があるかと思えば、「医学的に証明された」と主張する記事も見つける事ができます。
効能を信じてビワの種粉末を服用して癌が小さくなったという報告例(ペットも含む)や、最近の薬草ブームでビワの種を摂取して「意識不明」や「死亡事故」のニュースは聞かないのも事実です。
PinguBanana はビワの種粉末を、小スプーン一杯をカレーライスに掛けて食べていますが、今の所体調不良になった事はありません。
一部では、抗がん剤の利権に関わる人たちが「ビワの種が癌に効く」という事実を知られたくないために「種の摂取は危険である、という文句を浸透させようとしている」と主張する人もいます。
私たち一般市民は情報に翻弄されやすい環境で生活しており、何を信じたらいいのか悩みがちです。その場合は「あなた」が信頼できると思うコミュニティーで、実際にビワの種を試食してみた方々と情報交換するのが良いでしょう。
政府の発信している内容も「本当に正しいのか」を、まずは自分の頭で考える事が大切だと思います。
以下に参考リンクを貼ります。2番目のリンクの方は実際の参照元を示しながらその概要を述べていますので、ある程度の検証ができるかもしれませんが、あくまでも判断は自己責任でお願いします。
※この記事ではビワの種や葉の薬効を推奨しているものではありません。
あくまでも皆様の自己責任で判断して行動して頂ければ幸いです。
参考
・農林水産省 「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」
・泣いてうまれてきたけれど 「医療の闇」
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