見出し画像

【週末投稿】つれづれ有用植物#250(リョウブ科リョウブ属:リョウブ)

北海道から九州、中国、台湾までの山林に分布している日本在来の落葉小高木で樹高は3~7mになります。低地や山地、丘陵の雑木林や、斜面などに自生しています。

夏になると枝先に長さ15 cmくらいの総状花序を数本出して、甘い香りを放つ多数の白い小花をつけます。リョウブのハチミツは結晶化せず、香り高いと言われています。

春に枝の先にかたまってつく若芽は、山菜になり食用になります。

若芽は茹でて水にさらし、細かく刻んだものを薄い塩味をつけ、炊いた米飯に混ぜ込んでつくる「令法飯」として利用されています。
そのほか、おひたし、和え物、煮びたし、汁の実にしたり、生のまま天ぷらとして利用されています。

茹でて干すと長期保存ができるので、昔は重要な救荒食であったそうです。律令時代(大化の改新 後の7世紀後半から10世紀ごろまで)、田畑の面積に応じてリョウブを植えさせ、葉を採取して貯蔵することを命ずる官令が発せられました。その基準量を意味する「令」と官令を指す「法」から、「令法」と記載しリョウブと読みます。

樹皮は茶褐色で、枝は輪生します。葉は互生し、枝先に集まって付きます。
サルスベリやナツツバキに似て、樹皮が剥がれて斑になるのが特徴で、木肌がつるつるしており、サルスベリ(猿滑り)と呼ぶ地方もあります。

木材は緻密で堅く粘り強いので、背負子や農具の柄、洋傘の柄、良質の木炭、樹皮付きのまま茶室の床柱などに利用されています。

【リョウブの木肌】

さらにこの植物は面白い事に、
ニッケルやコバルトなどの重金属を樹体に高濃度に蓄積することで知られています。この性質は、リョウブを汚染土壌に植栽し、植物体を回収することで土壌の浄化が期待されており、更には採鉱へ手法の研究も進んでいるそうです。鉱山跡地などの緑化に有効な樹木として注目されています。

■山採り自然樹形 リョウブ 花 2023(2分弱)
植木屋やっちゃん・秋元園芸 様

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?