第6回 トルコで大地震【最新情報】隣国シリアも被害 死者計4300人超
JICAでの激務に追われ,記事の更新のみならず国際ニュースについても十分に追い切れていませんでした.
来月にはチリ出張(4~5月にはエルサルバドル?)も控えており,当面は落ち着く暇もなさそうです.
そのようななか,トルコ南部でマグニチュード7.8の地震が発生し,国境を接するシリアでも甚大な被害をもたらしています.
今朝確認した時点ではトルコ・シリア両国合わせての死者数は3790人でしたが,今記事を書いているPM2:09の時点では4300人超とされています.
(下記のNHKのサイトでは,情報が随時アップデートされています)
【中東諸国の建築物の構造】
トルコを含む中東地域の住居はレンガ造りの建物が多いです.実際に2年間過ごしていたヨルダンも同様で,とりわけ地方部ではそれが顕著でした.
この構造は地震に対して極めて脆弱であり,地震発生時には壁や屋根が崩れ,度々被害をもたらしています.
例えば,昨年11月末にインドネシアの西ジャワ(チアンジュール)で発生した地震でも,死傷者のほとんどは建造物の崩壊(一般的な住居,学校,病院),瓦礫によるものでした.
以下は,インドネシア国家防災庁(BNPB)のHPに掲載されている,チアンジュールで起きた地震の写真です(インドネシア語で恐縮です).
余談ですが,私は業務で2月から中南米諸国を担当していますが,それまではインドネシアを担当しており,チアンジュールで地震が起きた当時は現地の情報収集に追われていました.
現地の調査グループのなかの専門家の報告によると,「この地震による被害は極めて局地的なもの」とのことでした.
都市部では物的・人的被害がほとんどなかった一方で,地方の山岳部では建築物が崩壊し,死傷者の大半は瓦礫によるものでした.
しっかり調べたわけではありませんが,トルコには建築基準・規制があるようです.
以下,一部を掲載します.
ただし上記のような基準・規制があったとしても,それがどれほど徹底して検査・監視され,施工業者が遵守しているのかは未知数です.現にインドネシアの地方部では遵守されておらず,決してそれのみが原因ではないにせよ,結果的に甚大な被害を被ることになりました.
【今後も被害は拡大する見込みか】
アメリカ地質調査所(USGS:U.S. Geological Survey)の最新の地震情報を見る限り,6日(現地時間 AM:4:17(日本時間AM10:17)のマグニチュード7.8の地震以降も立て続けに強い余震が起きています.
それによる更なる建造物の崩壊や,土砂災害といったリスクも考えられます.よって今後も被害が拡大することが推察されるため,小さな揺れであっても十分な注意が必要となります.
また,今回発生した地域はトルコ南部(ガジアンテップ県)を中心とするものです.当地はクルド民族が多く暮らしており,この民族・文化的な特殊性は復旧・復興段階において無視できないファクターであると考えています.
以下,クルド民族についての拙文です.
世界中から注目を浴び,人道支援を表明している国々も多数現れているなかで,トルコ当局が当地域を蔑ろにすることは考えにくいですが,少なくとも民族・文化的な特殊性を有している地域が今回被災した点は考慮に入れておく必要があるように思います.
とりわけ政治的・地政学的な観点から複雑な事情を抱えていることから,今後の当局の対応のスタンスについても個人的には注視していきます.
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本日,大学での口頭試問を無事終了しました.
「おもしろい事例」「丁寧な記述」等,教授陣からは予想に反して良好なフィードバックをいただきました.
一方で,自身の考察についての是非や課題についても教示いただいたため,今後論文を書き続けていくにあたって改善に努めていきます.
まずは大学院生活2年間に一区切りがついたため,当面は本来の業務にコミットし,併せて論文を書くための調査等も進めていきたいと思います(連日の残業祭りで現状余裕がありませんが…).
よろしければサポートお願い致します。今後記事を書くにあたっての活動費(書籍)とさせていただきます。