第4回 共和政への移行を検討する英連邦王国(コモンウェルス・レルム)
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第4回【英連邦アンティグア・バーブーダ、共和制への移行問う国民投票を検討】BBC
2022年9月8日,エリザベス女王が死去し,チャールズ3世が王位を継承した.
国内外からの信頼や尊敬を集める存在であったエリザベス女王であるが,在位70年というのは英国史において歴代最長であり,本日19日の国葬を前に多くの英国民が列をなして哀悼の意をささげている.
エリザベス女王が亡くなったことにより,大きな動向が生じている.それは英連邦王国(Commonwealth realm:コモンウェルス・レルム)のなかで,立憲君主制から離脱して共和政に移行を検討するというような,権力の移行の動きが浮上していることである.
2022年現在においては15カ国がこれに含まれており,以下がその国々である.
アンティグア・バーブーダ
オーストラリア
バハマ
ベリーズ
カナダ
グレナダ
ジャマイカ
ニュージーランド
パプアニューギニア
セントクリストファーネイビス
セントルシア
セントビンセント・グレナディーン
ソロモン諸島
ツバル
英国
例えばアンティグア・バーブーダは,エリザベス女王の死去に伴い王位を継承したチャールズ3世を,引き続き自国の君主とするのかを問う国民投票を実施する方針を表明したほか,ジャマイカなどでも同様の動きが現れている.そして実際に直近では,2021年にバルバドスが離脱し共和制へと移行した.
特にカリブ海諸国では,植民地時代や奴隷制度の歴史に対する反感や非難の声は存在感を有しており,賠償や謝罪を求める要求するための運動も起きている.
今回の訃報は,国内外に大きな悲しみをもたらすとともに,求心力を失ったことで国家の大きな転換の可能性もまた浮上した.敬愛を集めた君主亡き後の英国,そしてコモンウェルス・レルムの動きは今後も注目される.
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