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短歌

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2019年9月の記事一覧

「短歌研究ジュニア 第1号」(「短歌研究」2019年10月号付録)

「短歌研究ジュニア 第1号」(「短歌研究」2019年10月号付録)

「短歌研究ジュニア 第1号」(「短歌研究」2019年10月号付録)

 「短歌研究」の付録シリーズ。次号は2020年1月号につくとのこと。
 内容は未入手なのでわかりませんが、「26首を紹介」とありますので鑑賞本と思われます。そのうち「つくろう」になるのかしら。続刊の流れが気になるところです。

https://twitter.com/CHIBASATO/status/11753232492042

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連作短歌「無花果」

連作短歌「無花果」

秋めくやキャリーバッグがベージュ色 座っていれば行き着くところ

居ない部屋 夜がくるたびひらめいて古くなりゆく黒いカーテン

忘れ物したから先に行ってての本意を思う 無花果を拾う

秋の夜のカットコットン愛されているかわからん乾いた空気

九月尽写真に写真窓に窓 昔の映画に写るおばあちゃん

うたの日のことなど

うたの日にはじめて参加したのは2014年6月30日、サイトがオープンして91日目のことだ。
もちろん、私が記憶していたわけでも、記録していたわけでもない。うたの日のサイトで簡単に検索できるのだ。これはすごいことやと思う。
個人がこのサイトを運営していて、私たちはそれに乗っかって短歌を楽しんでいる。ありがたいことだなぁ。

うたの日がなければ、今ごろ短歌を続けていなかったかもしれない。ときどき、そん

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サイトで読める結社誌の時評

サイトで読める結社誌の時評

 個人的に不便を感じるので作ってみました。「結社誌からの転載」「定期更新」のところのみです。
 結社誌その他の時評担当者が個人的にアップしたもの、結社誌以外の時評ははぶきます。ブログ的なものに時々時評も掲載されるようなところも除外。

 更新は、結社によってまちまちです。掲載誌が出てから1~2ヶ月くらいかと思います。

【お願い】

 他に御存知のところがあったら、追加したいので教えてください。

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REIWA NEXUS はじめのことば

REIWA NEXUS はじめのことば

 いつか、きっぱりと短歌をやめてしまう日のことを考える。「なにか一生続けられることをしてみたい」と思って、十年前に短歌を作り始めた。そのもたらす意味とは不釣り合いに軽い決断だったわけだが、周りの人や少しの運にも恵まれ、たぶん幸福な十年だった。仕事が忙しく(つまり結構楽しくて)、どうにも短歌に手が伸びない日々もあったけれど、短歌はずっと私を待っていてくれた。

 はじめのうちは、大学の図書館で『現代

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連作短歌「おかつぱにちようちんそでの爽やかに」

連作短歌「おかつぱにちようちんそでの爽やかに」

おかっぱにちょうちんそでの爽やかに風のともだち草にこいびと

僕たちの散歩は芝生の公園があれば休憩することになる

バドミントンしてないほうのカップルが僕らで秋の風に歓声

コンビニを出れば夜。このコンビニは卒業したら来ないコンビニ

髪の毛を乾かしながら言うことじゃないと思うし僕の部屋だし

ともだちにもどれるのかなこの夜はサワークリーム味のゆびさき

ふじばかま風に吹かれて過去になる あいづち

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連作短歌「牛腸茂雄/風の作法」

連作短歌「牛腸茂雄/風の作法」

見るは入る 知ってるような息切れと知らないような風のきもちよさ

産まれたら双子だったら鏡見るときにびっくりするんだろうな

風になった私とここで分岐して私は私で歩き続ける

手の大きい女性に抱きしめられていたような五感の澱だけがまだ

一本の毛糸を輪っかにした指が川を蝶々を風を生みだす

私以外あっち向いてる瞬間に誰かが鳴らしたシャッターの音

さっき見た落葉はずっとそこにある 塵になるまでずっ

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短歌において〈景〉がわかるとはどういうことか ~さよならあかねの作品を中心に~

短歌において〈景〉がわかるとはどういうことか ~さよならあかねの作品を中心に~

有料の記事ですが、無料で全文読めます。気に入ったら課金してください。

〈景〉がわからない短歌私はひざみろさんではないけれど、思っているところを書くのにちょうどよい材料になりそうな詠み手なので歌人論をやってみる。たぶん歌人論なんて大それたものでもないのだけれど、作品を鑑賞して評を書きたいわけでもなく。

さよならあかねの短歌はわからない。もちろん、何から何までわからないわけではなくて、わかるやつは

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