窪田悠希

短歌 滋賀県生まれ すぐ飽きないでよ

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自選百首⑥

ねころんでポカリこぼしたパーカーのへんなもようをみせてあげへん 気をゆるしかけた途端にやなことをあえて言ったらそれもハマった 不可欠になりたい 雪が積もってた頃の写真がめっちゃ明るいね 抱き合って見えてないとき「しめしめ」という顔をされていますように 好きだったひとに恋愛しなさいと言われているせんぷうきのまえで 作ったらひとに見せたくなるものと決めつけてまた傷付けていた 恋人がくれた強炭酸水はわたしをとても凡人にする 家に来る気配のことを夕立と呼んでふたりで愉し

    • 連作俳句「無音」

      茄子の味あつまれそうでむずかしい 夕凪に黒糖パンをあたためて 短夜はカオマンガイのなかにある  

      • 連作短歌「無関心への深い理解」

        昔なら少しのヒビが嫌すぎて丸ごと捨ててたかもしれない 前回から今回までの感想をこの人はいま話してるんだ 2を3にさせたいほどの深度ではないのかもしれないかもしれない

        • 連作短歌「カムジャタン」

          やさしくなさがやさしさになるすみっこにペットボトルは飲みさしのまま 黙らせる効果と喜ばせる効果の両方を持つ高い花束 有益な会話しないとここにいちゃ駄目って自分にだけ思ってる

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          連作短歌「総括」

          運命を信じるために待っている君に見せたいこのすれ違い 過ごしたい時間と全然ちがうけど一緒にいたりした交差点 来た道の綺麗じゃなさを受け入れて静かな顔で揺れている君

          連作短歌「ながい名前」

          どうしてかわからないけどタンバリン持っていて静かな夜だった 気の毒でうらやましくてログアウトしたあと愛の偏りのなか 誕生日に私にくれた腕時計 眠ろうとして音に気づいた

          連作短歌「明るくする」

          二度目かのようにあなたはスイッチの位置を知ってて見ないで消した あいまいなものが嫌いということにしておく 残り時間を捨てて 靴下は泣ける 明るいふりをしてほんとはみんな我慢してるの

          連作短歌「なしくずし」

          苦労してきたのねという字幕すぐ消えてしまって続くロマンス 黒の似合うひとがヤ行が音としてかわいいってこと聴かせてくれる しなければならないことがなさすぎるなんて歌ってみる四月尽

          再生

          馬籠宿の池・恵那山

          再生

          鳥屋野潟

          連作短歌「ソロ」

          迷惑をかけないようにしていると迷惑をかけられなくもなる 11時に起きてすっかり早起きな気分で髪をまっすぐ梳かす 僕にすらなれるんだから誰にでも優しくなれるあなたでいてね

          連作短歌「セパレート」

          君のために使いはじめたSpotifyが今はもう下のほうにある 卒業をするべきもののようにこの曲を忘れろなんて言うなよ おじいちゃんになるころ返信してくれてそれを読みたい春のあけぼの

          連作短歌「わかったわかった大丈夫」

          順番が大切なのね。本心を話したことを責められている あのときは笑ってしまったけれどまた真面目な顔を見させてほしい 百人のともだちいればそれぞれに九十九人ともだちがいる

          連作短歌「つよくてよわい」

          634メートルにしようって知らないとこで誰かが決めた こんなにもドラマチックな消去法を見せられていて憧れている はずかしいのなら口にはしなくてもいいけど擬似家族的な未来

          連作短歌「損切り」

          あれは桜じゃ、なくて梅だよ。かんたんなつもりが実はひとりなんです 源氏名をもらう 自分で決められる機会はいつも逃してしまう ものさしを失くしてわざわざ買い直すほどでもなくて令和も五年

          連作短歌「ぬるい世界」

          用意するモノ:人生でうぬぼれたことが一度もないと言う人 利他性が必要ですね。最近は遠くのひととラインするだけ 夢があってそれに向かって進んでるっていうことを君に伝えたかった