5月4日に夢で見た話です。 エレベータは夜の生き物 ぱくぱくと小さな私の望みを食べる さびしくて道に落ちてたムーを読む 帰ってこないあなたが悪い
リモコンの蓋の部分も大切に守るわたしを説得する君 役に立つ男になってしまいそうな季節、橋を渡って戻る いやなことなのかもよくわからないこと言われて責める自分の暗さ
冷たいと思われている液体の展示期間が限られている これ以上のせちゃいけない質量のだんだん汲み取れなくなる会話 二年前くらいにずっと舐めていた飴がリュックの底から出てきた
半分のアップルサイダー胃に捨てて昨日の自分につける点数 最近はひとりでなにかするときに誰かとだったらどうかなと思う あきらかに途中で終わったいくつかの話題の不意に思い出される
あまりにも猫の口から漏れる春 駅ビルや汗ばみながら畳む布 新米のやけに立ち止まりたくなる 冬紅葉きみに耳たぶあるような
見下したことも正しい判断の一部だったと言わせてあげる 守るほど大事でもないはずだけどそれでもこんなに必死な弱さ 気のせいとすぐ決めつけて受け入れを受け入れてくれない冷たい手
降りるともなく降りている階段でこけるともなくこける雨の日 気づくともなく気づいてる優しさが閉じるともなく閉じる交友 終えるともなく終えている毎日に触れるともなく触れるジェラシー
生きることって移動することだからこそ座っていてもいい昼休み 遠足のしおりによるとトロッコに乗るとき六人ずつに分かれる 借りるともなく借りていたCDを流すともなく流すリビング
髪洗いながら転職活動す 眠きこと鉛のごとし夜の秋 水のなかに水こぼれゆく谷崎忌
驚いたことほど記憶に残るって仮説で君と会うたびに寝る すごく強いテコ入れをしてこの里に残るやわらかさを胸に貼る 卒業のことをときどき思い出す 行事ではなく感情のこと