連作短歌

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連作短歌「光っているもの」

連作短歌「光っているもの」

水筒のフタがコップになるような思い出はまだ光ってますか 水筒のフタがコップになるようにいまも天真爛漫ですか 消費税とおんなじ年に生まれたという青年のKindle白い 挨拶がやけにやさしい水曜の雨に降られてタイヤも光る 同僚が立ったはずみにころがったマウスの青い光が夢に クッキーが入ってたカンカンをペンたてにしていることがばれそう むかし鳥飼っててんけど死んじゃってその日に受験受かった話 出たことのない国にいて海を見て想像のなかだけの生活 これからも不安はあるが

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連作短歌「意味テーションわーるど」

連作短歌「意味テーションわーるど」

透明な言葉じゃなくてシャンプーの替えあったっけとかが聴きたい 隠されたままの帽子が吸い込んだ雨水たぶん舐めたら甘い さっきまで店員だった人が店の前で誰かと電話している

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連作短歌「泥」

連作短歌「泥」

忘れないように書いとく想像がやってきたので活字に落とす 食べにくいとうもろこしの天ぷらでリップがいったんゼロに戻った 欠けているところが写らないように回していたら泣けてしまった

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連作短歌「よふかし・オン・ザ・ビーチ」

連作短歌「よふかし・オン・ザ・ビーチ」

さっきまでおそらく泣いていた人が牛乳と煙草を買っていく ギブアンドテイクの混ざりあう夜に毛糸の赤い手袋を見る わたしたちこれで終わりね真っ暗な商店街の消失点で

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連作短歌「模範解答」

連作短歌「模範解答」

投票してもなんも意味ない回転寿司百貫たべてるほうがまだいい きらいだから観るってこともあるだろうアレ来月は何色だろう 暗黙のチームプレーが理想から夢へつながる湖の橋

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連作短歌「被写界深度のともだち」

連作短歌「被写界深度のともだち」

道の駅・のむヨーグルト・稜線の印象的なスイートポテト 川みたく流れていくのは表面でたゆたっている海藻 まろみ あたりまえすぎて全然おもしろくないことを書いて送ってください。

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連作短歌「沿線スポッティング」

連作短歌「沿線スポッティング」

自転車でゲリラ豪雨を浴びてゆく明日が平日ならば死んでた 複雑な苦味が好きになってきた言いたいことはとっくに皆無 知らないまま会わなくなってしまうことホテルのボールペンの多様さ

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連作短歌「快楽=場所(空間/時間)のために」

連作短歌「快楽=場所(空間/時間)のために」

散りかたの一つ一つを記録して自分の番に備えて眠る 引っ張ると面積の増えたテーブルをずっとそのまま使い続ける 駅前の感じを今もおもいだす、似ていないけど似ているからだ

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連作短歌「次善の策」

連作短歌「次善の策」

体内に熱源のあるわたくしが1Kの部屋に寝転んでいて 古着屋のにおいがすると褒めながら昨日散らかしたのを片づける カキオコは牡蠣入りお好み焼きのこと岡山県のご当地グルメ

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連作短歌「酸性雨」

連作短歌「酸性雨」

忘れるという現象が悲しくて憶えることを手放してゆく 傘がなく濡れて帰るという夜をほんとは経験したことがない 口を開け上を向いたら味がする九月になったらステーキたべる

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連作短歌「依頼心」

連作短歌「依頼心」

集まりたい 商店街のお鮨屋でひとりでランチ食べてて思う 人生でいちばん長い電話をした せんぷうき直撃で寝ちゃった あくびした 空が白むの早すぎよ 磁石のちからで閉じるカーテン

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