教訓

1時間ほど前に日付が変わったので、昨日の23:08頃に地震があった。

23:30からオールナイトニッポンを聞こうと思っていたので、風呂に入ろうかな〜と思いながらふとテレビに視線を上げると画面いっぱいに地震速報のテロップが入っていた。

場所は福島以北が赤くなっていて、私の住んでいる地域と、両親の住んでいる地域は該当していなかった。それに、速報が出てから揺れるまでにラグがあったために私は「ここは揺れないな」と油断していたのだ。

それからすぐにiPhoneの緊急地震速報がけたたましく鳴り出し、揺れ始めた。

結構大きな揺れになり、テレビとラックを押さえて揺れが収まるのを待った。

私の手は揺れが収まっても震えていたし、体にまだ揺れが残っていた。そして思い出したように親・友人に連絡を取った。

仕事をするようになってから、結構友人がいろいろな場所に散らばってるな・・・と感じた。

そしてすぐにケータイとバッテリー、パソコンを充電し始めた。その理由は2年前に遡る。

2年前、2018年9月に起こった北海道胆振東部地震に遭遇した。

あの地震は真夜中に起こったため、最初は何が起きたのか全くわからなかった。

まだ大学3年生だったので、夜更かししていた。だから携帯もモバイルバッテリーも充電はまだだった。次の日はサークルの練習が昼からで、朝シャワーを浴びるつもりだった。そのことが全て裏目に出た。

入眠して30分も経った頃、いきなり横に「ガン」と揺れた。その後、状況を把握するよりも先に北海道ほぼ全ての電力が落ちた。ブラックアウトである。

充電を始めたばかりだったケータイもバッテリーもまだ十分な電池もなく、誤作動を起こしたマンションの火災報知器によって住民は外に出された。

救いだったことはまだ9月だったことだが、北海道は9月に入ると夜は冷え出す。夜中の3時半過ぎから1時間半以上マンションの住民同士で呆然としていた。パーカーを着ていたが寒かった。

だが、ここでびっくりしたのはブラックアウトを起こしていたことによって、隣にいる人の表情が全くと言っていいほど見えなかったのである。声を掛け合っていた人の顔もわからなかったので、安心させてくれたことにお礼を言うこともできなかった。

その後、陽が出てきてお互いに一人暮らしをしていたサークルの同期と落ち合うことになった。

あの時ほど朝日をありがたいと思った日はなかったと思う。

まだ停電は続いていて、札幌駅よりも北に住んでいた友人のもとに歩いて向かったのだが、交通状況は最悪で交通整理の人が頑張っていたし、札幌駅のJR改札の前には呆然と何も映し出されていない発車標を見ている人もいた。床に座って眠っていたり、深刻な感じで電話している人もたくさんいた。その頃2年ほどバイトで通ったり、小さな頃から何度も使っていた札幌駅とはかけ離れた姿があった。そんな見たこともない札幌駅にショックを受けた記憶がある。

そして友人と落ち合って、お互いに無事を確認して状況を伝え合った。

わかったことはお互いにケータイとバッテリーの充電がないに等しいことと、シャワーは練習に行く前に入ろうとしていたことだった。

結局、私と友人は丸一日電気がない状態を経験した。

二人でいるから、ケータイはなるべく触らないようにすることと、夜はさっさと寝ることで充電を温存した。

風呂は本当に原始的だった。

友人宅はガスだったので、お湯を沸かして桶2ついっぱいに入れてバケツリレーのようにして順番に入った。あんな原始的な風呂、普段やらないからこそいつも贅沢な風呂の入り方してるな〜と思った。

この話を大学の英語の授業でしたところ、先生にもクラスメイトにも感心された。

今日、当時一緒にブラックアウトと胆振地震を乗り切った友人に連絡を取った。友人も無事で、必然的にあの頃の話になった。

今回はもうこの友人は近くにいないし、一人でなんとかするしかない。

あの不便さと裏目を経験しているからこその今回の教訓。充電。それ以外は明日、もう今日か。すぐに買い物に行きます!

(Photo by kyofla、Thanks!)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?