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H3ロケットの亡命

新型ロケットH3開発は、日本政府、JAXA、また三菱重工など宇宙開発に従事する民間企業にとっても宇宙産業における国威を見せる手段であった。アポロ計画以来の月面着陸、また人類にとって新たなフロンティアを主体的に切り開くために、数千億円の投資とカウントしきれない時間をかけて開発を進めてきたのだ。

しかし、旧型ロケットH2では97%以上の成功をしているにも関わらず、新型ロケットの船出には困難が待ち受けていた。 2023年3月7日打ち上げ直後、第二エンジンが点火せず、ロケットが軌道に乗らないことが明らかになったのだ。

政治家のみならず、このプロジェクトに心血を注いできたエンジニアや科学者たちは全ての努力が無駄になるのではないかと恐れたが、地上落下や、軌道衛星への接触を避ける為、やむなく破壊シーケンスを実行するように命令し、ロケットが大気圏を抜ける直前に爆発させた。


しかし、ロケットは完全に破壊されるはずだったが、実はそうではなかった。爆発は第一段機体に限定し、直前に切り離れた前頭部第二段機体は奇跡的に宇宙へ飛び出し、衛星軌道に乗ったのだ。

さらに無人ロケットと発表されていたが、実は有人ロケットとして、秘密裏に3人の若者、ロシア系アメリカ人のロバート、日本人のヒロ、そして謎のアメリカ人の女性リサを乗せていた。


彼らは、ロシアのウクライナ進行を月から阻止機会を探るべく、日米両政府からの極秘指令により、密かに乗り込んでいたのだ。

彼らのミッションは、月面着陸を目指すアルテミス計画より早く月に到着し、ロシアに攻撃をする起点を設けることであった。


派遣された3人は、夫々の過去や生い立ちが、旧ソビエトとつながっていることに途中に気づく。

特に3人の搭乗員の一人、ロシア系アメリカ人のロバートの生い立ちは数奇なものだった。

47年前の1976年9月6日、旧ソビエト連邦のミグ機が函館空港に亡命し、ヴィクトル・イヴァノヴィッチ・ベレンコ中尉を祖父に持つためだ。

ロバートは、ロシアもアメリカも憎んではいない。ただ自分のルーツであるロシアが世界の仇となることに葛藤し、祖国をターゲットとした日米の破壊工作をなんとか阻止できないか考え、自ら派遣に志願したのである。

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