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名プロ探訪:ブラウニング「Hindu War God」
フィギュアスケートの歴史における生粋のエンターテイナーだったカート・ブラウニング。数あるチャレンジングなプログラムの中でも、困惑してしまうぐらいの謎めいたコンセプチュアルなプログラムが「Hindu War God」。ヒンドゥー教の軍神をモチーフに、世界の攪拌(天地創造)の様子を描く。
なぜこのようなテーマが選ばれたかのかは定かでないが、壮大なコンセプトを表現するのに使われた楽曲は3曲。
・ミュー
私の好きなピアソラプログラム①
フィギュアスケートに欠かせない作曲家、アストル・ピアソラ。男女の情愛や人生の悲喜交々を表現するドラマチックさや、軽快なリズムと切なく歌いきるスローパートを持つ二面性、そして有名でキャッチーなメロディからかなり前衛的なアプローチまで揃う多彩さが、時代が変われど演者も観客も変わらず惹きつけています。
完全に独断と偏見ですが、この30年ぐらいの数あるピアソラプログラムの中から個人的に好きなものをご紹介し
David Wilson振付の好きなプログラム
ロマンチックな物語性のあるプログラムをつくらせたら右に出るものはいない。踊れるスケーターには極限まで音楽と対峙させる作品をつくるし、感情表現がそう得意でないスケーターにも妥協せず難しいプログラムを用意する。指導が上手なのか、特性をうまく引き出すのか、スケーターたちもその課題をクリアしていく印象もある。
とにかく作品は美しい。まるで映画を見ているかのような、ドラマチックな人間の感情の機微や情熱の発露
twitterで振り返る:今シーズン印象に残った演技①
毎日毎日たわいもないことをつぶやき、あまりに簡単に流れていってしまう。そこに気を留めないのがtwitterの良いところのような気もするが、瞬間的に感じた鮮度高い気持ちだったりするので、日記のようにまとめておいてもいいかもと思った。twitterを引用しながら、今シーズン印象に残った演技を振り返ってみます(たぶん何回か続く)。
コリャダはガラスのハートではない
ベテランの年齢になったコリャダだが
忘れられない演技:ミシェル・クワン「Song for you」
トリノ五輪の棄権から2ヶ月後。マーシャルズのショーにその姿はありました。彼女は明確な引退宣言をしなかったため、いつ競技人生を終わらせたのか本人の中での認識はわかりませんが、おそらくこのショーでの演技が、事実上のさよならの機会だったのではないかと思います。そしてそれは、最終地点として五輪の金メダルを目指し続けてきた道のりに終止符を打つことでもありました。
トリノ五輪の棄権の会見では、五輪の金メダル
ショーとしてのフィギュアスケート
昔から競技のフィギュアスケートが好きで、アイスショー体験は乏しいため、ショーの素人の感想としてご容赦いただきたい。
フィギュアスケート自体は30年ぐらい見てきているが、ショーを現地観戦しているのはここ10年ぐらいのこと。アイスショーは試合と比べてどこかリラックスしたものという偏見があり、正直なところあまり興味が湧かなかった。近年は年に2-3回はショーにも足を運ぶが、目当ては現役トップスケーターた
名プロ探訪:ファデーエフの韃靼人の踊り
アレクサンドル・ファデーエフ。
1985年の世界チャンピオンで、4度のユーロチャンピオンです。
自分が物心ついてフィギュアスケートを見始めたのが、カルガリー五輪の頃。当時伊藤みどりの存在もあり、幼いながらに結構記憶に残っているものです。当のファデーエフもNHK杯で来日することもあり、もちろん存在は知っていました。今回改めて見返すまでは、代表作の「禿山の一夜」で、白い衣装でリンクをスピーディーに駆け