見出し画像

素晴らしく下らないと思っていたあの時間が、今、こんなにも愛おしい。


友人が亡くなった。

大学からの友人。出会ってから1年も経っていなかったけど、仲良くしていた友達。クラスが同じで、春にはよく飲みに行っていた。
初めて歌舞伎町で飲んだ日、その子もいた。
初の歌舞伎町で初メンツの初オール。

その飲み会がその子との出会いだった。





第一印象。めっちゃ酒強いやん笑 だった。
その次に、なんなんこいつめっちゃおもろい。

ずっと今でも変わらずそんな印象で。どんな人ともすぐ仲良くなって人脈が計り知れない。
その日初めて行くカラオケでオールして、別日にその店長と友達になったとか言ってた。


始発の電車に30分ぐらい揺られた後、自分のバッグが無いことに気がついた。めちゃくちゃ焦って新宿に取りに戻る時、その子も着いてきてくれた。
泣きそうになってた私にかけてくれる言葉がほんとに優しくて心強くて安心した。
結局、トイレに置き忘れていて誰かが届けてくれていた。
届けてくれた人にも感謝だし、何より着いて来てくれたその子に感謝。よかったねって。

その後も最寄りまで送ってくれて、一緒にすき家で朝ごはんを食べて解散した。本当に優しすぎる。

そもそも、バッグ置いてくるな私。

東京で一人暮らし、大学生になって浮かれて、春は飲み会しか行ってなくてそれが楽しかった。
けど、段々と飲んでいる時間が下らなく思えてきて、こんな事ばかりしていて私何してるんだろうなって思い始めてきた。
しっかりしなきゃという思いと、大学に通わせてくれている親にも申し訳ない気持ちになってきて。

そう思った時から飲み会に行く頻度も減らして、最近では全く行かなくなっていた。


そんな時、1月中旬に新年会をやろうと初期メンで予定を立てていた。
もちろんその子もいる。
その前日が泊まりでスノボがあって、筋肉痛がひど過ぎて前日に断った。筋肉痛だけが理由じゃなくて、飲み会なんて下らないなっていう思いとめんどくさいっていう思いがあった。

それが、最後の飲み会の予定。

こんな事になるならあの時行けばよかったって。
今では後悔しかない。

もう一度あのメンバーで歌舞伎町でオールしたい。

とにかくいつも笑って人当たりが良くて、でもなんかちょっと分からないところもあって、些細なことにも気がついて気遣ってくれて、自分より人。とても優しい人だった。

そんな人がなんで自ら命を絶ったのか、今でも分からないし理解できない。

そんな素振りもなかった。

でも多分、あいつのことだろうから、俺も一緒に死んでやるよぐらいで、もういいかみたいな、そんな感じだったんじゃないかって思う。
最期、笑顔で悔いなく逝ったならそれはそれでその子の人生だったのかなって。



最期の今日はとても快晴で、冬のくせに暖かく、最高にいい天気だった。

遺影が満面の笑顔でピースなんて、あいつらしい。

お別れをした後、その前日まで毎日のように連絡を取っていた友達とご飯に行って、たくさん話を聞いた。
私が知るその子じゃないその子をその友達は知っていて、猫が好きなんて意外で、カフェ巡りが好きなんてもっと意外だった。

そんな一面もあったんだって、
居なくなって知ることが多すぎる。

もっと色々たくさん話したかった。もう一度会ってバカしたい。
まだ私達19歳だよ、19年しか生きてないんだよ
早過ぎない?




素晴らしく下らないと思っていたあの時間が、
今、こんなにも愛おしい。


2023.2.23

この記事が参加している募集

今こんな気分

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?