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カタールW杯をガチ予想してみた【G組】

もうすぐ、4年に1度のお祭りWord Cup2022カタール大会が開幕します。
各国の威信と誇りをかけた熱い1ヶ月になることは間違いありません。
社会人になって初めて迎えるWorld Cupであってもこれまで通りの熱量で追うつもりです。

かれこれ海外サッカーを10数年追いかけ、欧州以外のサッカーも幅広く追っている筆者のガチ予想含めた、私情込み込みのガイドブックです。

それでは、【Group G】をどうぞ。

【下馬評】

優勝候補筆頭のブラジルがGSでこけるはずがありません。確実に突破するでしょう。穴らしい穴が見つからず完全無欠のチームです。ネイマールが今大会が最後のWCと公言しており、唯一足りない世界制覇に向けて準備は順調です。
2番手争いの予想が最も困難と言っても良いグループG。
2番手はスイスが一歩リードでしょうか。絶対的守護神GKヤン・ゾマーも復帰し安定した守備は健在で、モナコに移籍したCFエンボロも覚醒の兆しが見え、長年ストライカー不足に悩まされたスイスを救いそうです。
2.5番手がセルビア。ピクシーが監督に就任してから現役時代から想像もつかないほどのバランス重視のサッカーを展開します。重量級CFミトロビッチ、ヴラホビッチが最前線でツインタワーを結成し、ポルトガルをプレーオフ送りにした実力はフロックではないはず。
最もGS突破から遠い存在であるのがカメルーン。英雄リベゴル・ソングが監督に就任し、結束力はより高まりました。CFチュポ・モティングに全てを託し、全員で守る。カメルーン一丸となり強豪国らに立ち向かいます。

【日程】

①11/24 🇧🇷vs🇷🇸 🇨🇭vs🇨🇲
②11/28 🇧🇷vs🇨🇭 🇷🇸vs🇨🇲
③12/2 🇧🇷vs🇨🇲 🇨🇭vs🇷🇸

ブラジル🇧🇷(南米予選1位)

●22大会連続22回目
●FIFAランキング:1位
●前回成績:ベスト8(最高成績:優勝 5回)
●予想フォーメーション:4-2-3-1

4−2−3−1

今大会最も盤石な陣容を揃えて、カタールに乗り込みます。弱点らしい弱点が見当たらず、全てのポジションにトッププレイヤーを揃えています。長距離移動や高地対策、コロナによる過密日程等、過酷すぎる南米予選を6試合残して出場を決めた圧倒的な強さはホンモノです。
2大会目となるチッチ監督が理想とする前線4枚の組み合わせの最適解を見つけ、最前線にネイマール、OMFにはルーカス・パケタ、サイドには絶好調のLWGヴィニシウスJr、RWGハフィーニャ

が鉄板です。前線にはRWGアントニー、LWGガブリエル・マルティネッリ、LWGロドリゴ、CFリシャーリソン、CFジェズスと欧州トップクラブで活躍する選手が控えており、単独突破、コンビネーション、ボール保持、カウンターと全局面で強みを出せるのが強みです。
元々、チッチ監督は組織化しすぎると個人のキャラクターを抑圧する可能性から、決まった型を作らず、自由な発想とイマジネーションを尊重するのも特徴で、全員が楽しそうにプレーするにはそんな監督の信条があります。
攻撃陣に目が行くときのブラジルはころっと負けるのが定番で、優勝するときには決まって安定的した守備陣が存在します。今大会もまさにソレで、CBマルキーニョス、チアゴ・シウバ、ミリタオと最強のトリオが揃っており、守備者としての全能力が高く、1人でキャリーできるボールスキルを持っています。SBにもダニーロ、アレックスサンドロ、テレス、ダニ・アウベスと堅実で確実にミッションを遂行できる選手がいます。SBは上下動するだけではなく、インサイドに入り、OMFルーカス・パケタやSTネイマールを補佐します。ダニ・アウベスには別のミッションもあります。彼はネイマールにもしもがあったときに唯一モノ言える存在として、プレーする機会は限られそうですがロッカールームではスーパーな存在です。

今のチームはチッチ監督がしっかりと手綱を捌き、規律を重んじています。そんな規律の中でも選手間の仲の良さ、ロッカールームの雰囲気の良さが感じられ、最高の状態です。その雰囲気の良さはスタジアム入りの際にも現れます。必ず持ったCFクーニャ、SBダニ・アウベス、OMFルーカス・パケタ、STネイマールあたりが太鼓を持ち、サンバのリズムに合わせてダンスしながら廊下を練り歩きます。またゴールセレブレーションとしてCKフラッグ付近で攻撃陣で踊るのは恒例で本当に楽しそうです。
彼らが目指すのは王国復権を誇示する世界制覇のみ。黄金に光輝くトロフィーのポールポジションに最も近い位置にいるブラジルが王国の名に懸けて、‘02大会以来の20年ぶりの栄光を掴み取ります。

【攻撃のキーマン】

◆ルーカス・パケタ(OMF/ST)

●1997/08/27 180cm/72kg
●35試合/7得点
●所属:ウェスト・ハム🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

フラメンゴからACミランに移籍した当初はネクスト・カカとして、欧州初上陸しました。しかし、線が細く、ボール離れも悪い選手として期待外れに終わり、リヨンに移籍しました。フィジカル的な側面が強い、リーグ・アンで揉まれ力強い選手に生まれ変わり、ゴール前でも決定的な仕事ができるようになりました。そしてついに、今夏にウェスト・ハムに移籍して欧州トップシーンに戻ってきました。ハマーズでは、OMFフォルナルスをいきなりベンチに追いやり、2列目の真ん中を務め主役の座を射止めました。彼の特徴は絶妙なポジショニングとパートナーを選ばない万能性にあります。ブラジルは攻撃時には4トップ気味になり、入れ替わり立ち替わり流動的なポジショニングが求められるため、まさにピッタリです。最終ラインを相手にもできる体感の強さもあるため、背負った状態でも縦パスを受けることができるとともに、2ラインにも潜り込めるためネイマールと共に攻撃陣を支えています。
また、ダンスの達人でもあり、プロ並みにうまいと評判です。そう言った意味でもブラジルのゴールセレブレーション時には欠かせない存在です。ブラジル優勝にはもちろんネイマールが必要不可欠で、攻撃のキーマンであることは間違いありません。STネイマールが調子を上げていくためには、ピッチ内外でも仲が良く、プレーの親和性の高いOMFルーカス・パケタが優勝の隠れたキーマンです。

【守備のキーマン】

◆マルキーニョス(CB)

●1994/05/14 183cm/75kg
●71試合/5得点
●所属:PSG🇫🇷

CBマルキーニョスは20代前半でCBチアゴ・シウバと共にローマからPSGに移籍しました。リーグ・アンは決して競争力が高くないため、成長曲線が緩やかになることが危惧されましたが、常にCBチアゴ・シウバというお手本がそばにいたからこそ、今のCBマルキーニョスがあると言っても過言ではありません。お手本と同じように完全無欠のワールドクラスのCBに上り詰めました。屈強なアスリート能力があるわけではありませんが、フットボールIQの高さや読みの鋭さで、未然にピンチを防ぎます。ポジショニングを間違えることは少なく、ミスもほぼありません。

ブラジル代表では相手は確実に主導権を譲ることになるため、被カウンターリスクを管理することが求められることに加え、攻撃時の貢献も必要となります。ある程度スペースを埋めて、マンマーク気味に対峙してくることが予想されます。そのときには時間的な余裕があるCBがパスでリズムを作ったり、ドリブルで運んで相手の陣形を崩しにかかります。パスレンジの広さ、視野の確保とボランチもこなせるだけの能力を備えるCBマルキーニョスにとっては、その適当な瞬間を見逃しません。CBチアゴ・シウバ&CBマルキーニョスのコンビはキャプテンシーが強く、想像したくありませんが、追いかける展開となったときにチームを落ち着かせられる存在としても重要な存在です。6度目の世界制覇に向けて最後尾から支えます。

スイス🇨🇭(欧州予選C組1位)

●5大会連続12回目
●FIFAランキング:15位
●前回成績:ベスト16(最高成績:ベスト8 ‘34、‘38、‘54)
●予想フォーメーション:4-2-3-1

4−2−3−1

スイスを長らく支えたペトコヴィッチ監督の後を継いだのは、ムラト・ヤキン監督でした。本人もサッカー選手で代表クラスの実績で、実弟にあたるハカン・ヤキンも同様に代表で活躍しました。ペトコヴィッチ監督時代は3バックを基本にチーム作りを進めてきましたが、ヤキン監督になってからは、4-2-3-1が基本布陣となりました。

U17欧州選手権(2009)優勝、U17WC(2009)優勝、U21欧州選手権(2011)準優勝と、華々しい経歴を持つのがスイス黄金世代です。該当するのが、LSBリカルド・ロドリゲス、CMFグラニット・ジャカ、RWGジョルダン・シャキリ、CMFファビアン・フライ、CFハリス・セフェロビッチです。こんなにも多くの選手が順調に成長し、A代表常連になるのは珍しく、前回大会はポッド1に入るなど近年のスイスの躍進は彼らなしには語れません。‘20EUROではフランス相手に延長後半ラストで追いつき、PK戦で勝利。今大会予選は、優勝経験国イタリアを引き当て、よりによって‘20EURO GSでも同組となり惨敗でした。しかしながらWC予選では絶対的な守護神GKヤン・ゾマーが神がかったセーブを連発し、2試合で2分けでしかもPKの名手ジョルジーニョが2回連続でPK失敗という奇跡が起きました。予選通過を決めたゲームもイタリアが引き分けかつ大量点差でスイスの勝利という絶望的なポジションから突破を決めました。ネイションズリーグでは3連敗スタートでLeague A陥落の危機でしたが、残り3試合全勝で、その中にはアウェイ・スペインでの勝利を含んでいます。

このように逆境に強く、打たれ強いスイスのメンタリティは脈々と受け継がれています。RWGジョルダン・シャキリが欧州からアメリカに移籍し、CFセフェロビッチも‘20EUROでついに殻を破った感があります。加えてCFオカフォーらの新世代やCFエムボロ、CMFザカリア、ソウらの中堅クラスもちょうどいい人員でスカッドのバランスも良くなっています。
今大会の最大の誤算が、ポッド3最強であろうセルビアを引き当ててしまったことです。第3戦は突破をかけた天下分け目の大一番になりそうで、そんな苦しい時間帯があっても跳ね返すだけの実力は備えています。

【攻撃のキーマン】

◆グラニット・ジャカ(CMF)

●1992/09/27 185cm/82kg
●106試合/12得点
●所属:アーセナル🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

今季はアーセナルでキャリアハイの出来栄えであると言っても過言ではありません。これまで中盤の底で攻撃のタクトを振るうアンカーの側面を見せており、被カウンター時にスピード不足の彼に広いスペースを任せるのは不安でした。しかしながらボックス・トゥ・ボックスの役割が与えられ、相手ボックス内にも顔を出すようになり、より相手にとって危険な選手に成長しました。スイス代表ではアーセナルの時のような果敢な飛び出しは自重しそうですが、それは攻撃の起点がCMFジャカを経由するからで基準点がブレないようにということなのでしょう。長短のパスを織り交ぜたパスは、リズムを刻み、低弾道のサイドチェンジはため息が漏れるほど美しいです。また、低い位置からのロングカウンターでは矢の如く縦パスを突き刺します。それでいて“ジャカ砲”という目の覚めるようなミドルシュートも得意としているため、ブルドアップ、ゴール前でも眼が離せません。眼が離せないと言えば、劇場型で仲間思いの選手でもあるため、仲間が削られたら真っ先に駆け寄り、相手に詰め寄ります。心強くあると共に、サポーター目線からするといざこざからのカードが怖くてヒヤヒヤしています。
なんと言ってもスイス代表のシンボル、10番&キャプテンです。黄金世代の中心選手として長い間代表を支えてきました。前回大会は目の前で逃したベスト8への挑戦に心燃やしているはずです。

【守備のキーマン】

◆ヤン・ゾマー(GK)

●1988/12/17 183cm/80kg
●76試合/0得点
●所属:ボルシアMG🇩🇪

00年代のスイスのGKといえばGKベナーリオで、10年代以降はGKヤン・ゾマーと決まっています。下の世代にはGKビュルキ、コベール(ドルトムント)等優秀なGKが育ってきているにも関わらず、代表のゴールマウスの座は明け渡す気はないようです。今大会前に足首を負傷し、チームに激震が走りましたが、直前のテストマッチvsガーナで復帰しました。GKとしては小柄の183cmですが、ステップの細かさで的確なポジションをとり、驚異的な反射神経でボールに飛び付きます。ブンデスリーガvsバイエルン・ミュンヘンでは、1試合90分で約20本のセーブを記録しました。意味がわかりません。そもそも枠にシュート20本飛んでくる試合ってなんなん?って感想です。小柄であるため、ハイボールの処理では的確なタイミングで高いジャンプが必要ですが、故障した足首の状態がどこまで回復しているのかも気になるところです。なぜなら最終決戦のvsセルビアでは屈強なCBや大巨人のCFらがセットプレー時にはゴール前に雪崩れ込んでくるはずだからです。どんな大会でも彼は獅子奮迅の活躍を見せてきました。今大会もいつも通りのハイパフォーマンスがスイスの勝ち上がりには必要です。

セルビア🇷🇸(欧州予選A組1位)

●2大会連続13回目
●FIFAランキング:21位
●前回成績:GS敗退(最高成績:4位 ‘30、‘62)
●予想フォーメーション:3-4-1-2

3−4−1−2

前回大会は失意のGS敗退となってしまい、‘20EUROではPO敗退で本戦出場とはなりませんでした。セルビアは毎度タレントが豊富でこのクオリティは高く、ダークホースとしての資質を備えていましたが、チームとしての戦いかが今ひとつで、最後の最後での踏ん張りが効かない印象でした。今大会の欧州予選はポルトガルと同組になり、非常に厳しい戦いが予想され、ポルトガルとの直接対決を1勝1分けで乗り越え、見事本戦出場を決めました。しかも最終節vsポルトガルは2-1の逆転勝利でCFミトロビッチが後半ATに決勝点という劇的すぎる展開でした。

その突破の立役者となったのが、母国のレジェンドドラガン・ストイコビッチ監督です。就任した3月から開始した欧州予選を見事手堅い采配と勇敢なベテラン斬りで突破に導きました。3-4-1-2の「1」には天才肌OMFドゥシャン・タディッチが攻撃の全権を委ねられており、セインツ時代から見せている嫌らしいスペースに落とすパスセンスや、ゴール前でのイマジネーションは衰えておらず、アヤックスに移籍してからは得点力にも磨きがかかり、4年連続で10G10A以上を記録しています。また、LMFコスティッチの左足を軸とした「サイドアタックが特徴で、ボックス内で待つのは、セリエAトップクラスのCFブラホビッチ、PLで大暴れのCFミトロビッチです。相手のCBが気の毒になる程圧倒的な迫力でゴールに迫ります。

前回大会はブラジル、スイスとまたしても顔を合わせることになりました。これまでにはなかった攻撃陣のクオリティと大柄な体格を生かしたセットプレーで勝利を手繰り寄せれることになりそうで、4年前の雪辱を果たす舞台は整いました。

【攻撃のキーマン】

◆アレクサンダル・ミトロビッチ(CF)

●1994/09/16 189cm/82kg
●76試合/50得点
●所属:フラム🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

恐らく今大会で最もエアバトルを得意としている選手に違いありません。代表キャリアでは76試合50得点ともちろん同国史上最多得点記録です。U19欧州選手権ではセルビアを優勝に導き、大会MVPに輝くなど若くから将来を嘱望されて来ている頼れるエースストライカーです。クラブシーンでは、ニューカッスル時代、フラム時代とPLの2部相当のチャンピオンシップでは大活躍するが、PLクラスのDF相手では通用しないと揶揄されてきました。昨季フラムでは43得点と試合数を上回る得点を決め、独走の優勝&昇格に導き、今季はPLで9得点と18-19の11点を大幅に更新しそうな勢いです。得点のほぼ全ては、ボックス内から生まれ、しかもワンタッチシュートが多く、ヘディングまたは右足のゴールです。今大会は相棒がパルチザンの後輩CFブラホビッチで2大巨頭がゴール前に聳え立ちそうです。CFミトロビッチが最初のラフなボールを収めつつ、OMFタディッチとサイドにはたく役割を担い、CFブラホビッチがOMFタディッチからのスルーパスで相手DFの背後を狙う動きがメインになります。得点源が2つになったのは願ってもないギフトですが、2人の動きが被らないよう連携面が重要です。

【守備のキーマン】

◆ニコラ・ミレンコビッチ(CB)

●1997/10/12 195cm/90kg
●37試合/3得点
●所属:フィオレンティーナ🇮🇹

セルビアの新たなディフェンスリーダーです。早くから将来有望な選手として期待していました。若手の域を超えてからはアグレッシブなディフェンスに加えて、安定感が増してきました。195cmと、高身長が揃うセルビア最終ラインの中でもひときわ目立つ存在です。ヘディングの強さはピカイチで今大会セットプレーからの貢献も期待されています。元々ビルドアップには苦手意識があるのかミスが目立ちます。現代表には前線に2つも基準点があるため、セーフティファーストである程度ラフなボールを前線に蹴り込んでもいいような気がします。個人的には2位の突破を決める第3戦vsスイスのフィジカルモンスターCFエムボロvs CBミレンコビッチがどんな対決になるか密かに注目してます。

カメルーン🇨🇲(アフリカ予選突破)

●2大会ぶり8回目
●FIFAランキング:43位
●前回成績:予選敗退(最高成績:ベスト8 ‘90)
●予想フォーメーション:4-4-2

4−4−2

今大会の本大会出場は率直に言うと、予想していませんでした。最もレギレーションがタフなアフリカ予選の煽りを一番に受けていたからです。2次予選はアフリカ最強のタレント集団コートジボワール代表と同組になってしまいましたが、なんとか抑えて首位通過しました。(首位のみ最終予選に進出)そして最終予選は10チームを5組に分けてホーム&アウェイの2試合で本体会出場を決めます。その相手が北アフリカの雄、アルジェリアでした。タレントの質とチームとしての練度どちらも劣勢でしたが、最後に残ったのがカメルーンでした。

そのカメルーンを率いるのはあのレジェンドDFリベゴル・ソングです。アフリカ史上最高のCBの呼び声高く国民からリスペクトを受けた選手で、その彼が監督に就任したことでより一層結束力が生まれ、望外の本戦出場につながりました。
実は’17アフリカネイションズカップを制しており、その時も組織力と結束力を発揮してチームとしての底力を示しましたが、今回の最終予選でそのチーム力に磨きがかかった印象です。これまでカメルーンが国際舞台に立つときは、CFサミュエル・エトーやCFパトリック・エムボマ、DMFアレクサンドル・ソングといった国際級のスターがいましたが今回は不在です。しかしながら、WGトコ・エカンビ、CFバンサン・アブバカル、CBニコラ・ヌクル、CMFザンボ・アンギサら欧州でもいぶし銀の輝きを放つ選手が揃っており、秘密兵器としてブレントフォードで活躍するCFブライアン・エンベウモ(フランス育成年代代表経験あり)をカメルーン代表に初召集しました。全員がハードワークして最前線にはCFチュポ・モティング、最後尾にはGKアンドレ・オナナを擁し、ゴール前のクオリティを遺憾無く発揮できるかが、GSでの戦いの鍵になります。

【攻撃のキーマン】

◆マキシム・チュポ・モティング(CF)

●1989/03/23 191cm/90kg
●68試合/18得点
●所属:バイエルン・ミュンヘン🇩🇪

一家に一台の大型FWがついに今季はバイエルン・ミュンヘンで主役の座を掴みました。CFレヴァンドフスキの移籍の影響からCFのポジションが空いたクラブでスーパーサブから昇格しました。恵まれた体格を生かしたボールキープはカメルーンにとっては非常に重要で、全体が押し上げる時間を作り出します。もちろんストライカーとしてのボックス内の力強さは圧倒的なものがあり、ピンポイントに合わせるシュートも魅力です。

CFアブバカルと共に長年不屈のライオンを支え続けており、2大会前の‘14ブラジル大会はGSで無残にも大敗を喫し、仲間割れから自爆した代表チームを目の当たりにしました。そのような大会を経験しているからこそ、今はチームのために走り、身体を張る泥臭いプレーも厭わなくなりました。前監督とは確執があり、アフリカネイションズカップでは不完全燃焼に終わりましたが、尊敬するレジェンド、ソング監督就任により、エースの座を再び掴みました。監督のため、自分のため、チームのためにゴール前でのできがカメルーンの運命を左右しそうで、今大会にかける想いは人一倍強いはずです。

【守備のキーマン】

◆アンドレ・オナナ(GK)

●1996/04/02190cm/93kg
●31試合/0得点
●所属:インテル・ミラノ🇮🇹

アヤックス時代はCL準決勝まで進み、欧州トップクラブでは彼をめぐり争奪戦が繰り広げられていましたが、自身の不注意によサプリだと思い飲んだ薬がドーピング検査に引っかかり約1年間ピッチを離れていました。それにより旬な時期でのビッグクラブへの移籍は取りやめになり、やっと今夏インテル・ミラノに移籍を果たしました。

バルセロナのカンテラ出身なだけあって、ボールの扱いに長けており、バックパスの捌き方はお手のもので、相手FWのプレッシャーをものともしません。カメルーン代表ではポゼッションは重要視されておらず、得意なボールを繋ぎながら攻撃を後押しする機会はあまりありませんが、それでもGKとして重要なシュートストップにも定評があります。「いい攻撃はいい守備から、いい守備はGKの安定感から」この言葉通り、まずは自陣で安定感のあるセービングでチームを救い、チームをの勢いを加速させたいところです。

グループGはやはりブラジルがずば抜けていますが、スイス、セルビアと曲者が同居することとなりました。どのチームにも素晴らしいゴールスコアラーとGKが揃っており、ゴール前での迫力あるプレーが目白押しになりそうで、数センチ、数ミリを争う白熱した展開を期待したいです。

それではこのへんで、、、

ばいころまる~~~


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