集合論 part7
今回は、中の関係の性質とその定義について説明しようと思います。
まず、中の関係とは何かということを説明します。
中の関係とは、集合Aから全く同じ集合Aへの関係のことを言います。
「Aの中の関係」の他には、「Aの上の関係」「Aにおける関係」という呼び方があります。
では、その性質と定義について説明います。
性質は4つあります。
1,反射的
2,対称的
3,推移的
4,反対称的
まずは、1,反射的についてです。
反射的とは、集合A={a,b,c}があるとします。そのaとaが関係がある。bとbが関係がある。cとcが関係があるという状態を指します。
これの性質としては、関係行列の左上から右下への対角要素が全て、関係があることを示す、1になるということ。
グラフに必ず、自分から自分に繋がる矢印が出来ること。の2つです。
次に、2,対称的についてです。
対称的とは、集合A={a,b,c}があるとします。そのaからbに関係がある。そしてbからaに関係があるという状態を指します。
これの性質としては、関係行列の左上から右下への対角線で線対称になっているということ。
グラフに、aからb、bからaと双方向に矢印が出来ていること。の2つです。
次に、3,推移的についてです。
推移的とは、集合A={a,b,c}があるとします。そのaからbに関係がある。そして、aからbに関係があったbからcに関係がある。そして、このaからbに、bからcに関係があった場合、aからcに関係があると言えると前回に書いたと思います。
しかし、このaからcの関係が元の関係行列に無い場合は、推移的とは言えません。
これは、教科書に書いているのを見せた方がいいかもしれませんね。
ここで、分からなくても、後に例を使って説明しますので、それで納得していただければ結構です。
最後に、4,反対称的についてです。
反対称的とは、集合A={a,b,c}があるとします。そのaからbに関係がある。しかし、そのbからaには関係が無いという状態を指します。
これの性質としては、対称的のように、対角線で線対称にはならない。
グラフに、aからbの1方向の矢印しかない。の2つです。
では、この4つを踏まえて
集合{グー,チョキ,パー}という集合に、「xRy:xはyに負けない」という関係があるとします。
この関係行列は、上の4つ、反射的、対称的、推移的、反対称的のどの性質を持っているか考えてみましょう。
まず、関係行列を書いてみましょう。
これから、各性質に照らし合わせていきましょう。
まず、1,反射的。これは、関係行列を見れば分かります。左上から右下への対角線上の数字が全部1になっていますね。
よって、反射的は成立します。
次に、2,対称的。これも関係行列を見れば分かります。対角線で線対称になっていませんね。
よって、対称的は成立しません。
次に、3,推移的。
これは、まず関係R同士を合成しましょう。
になります。では、この合成したものと、合成する前のモノを比べてみましょう。
赤丸したところが違いますね。つまり、合成前に無かったモノが合成した後に出てきています。これは
に反します。
よって、推移的は成立しません。
最後に、4,反対称的。これも、関係行列を見れば明らかですね。対角線で線対称になっていませんね。
よって、反対称的は成立します。
答えをまとめますと、反射的と反対称的は成立。対称的と推移的は成立しないです。
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