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2023年5月9日の日記

 地元の最寄り駅で友人と喫茶店に立ち寄り、モーニングを食べてバスで帰るのを見送った後、私はどうしようかと、小雨の音が響くバスターミナルに立ち尽くして考えた。駅前には立派な市立図書館がある。お昼までまだ時間もあるし、早々に大阪に帰るのもなんだか癪だから、図書館で本でも読みながら時間つぶしをすることにした。

 読書スペースの机には「居眠り禁止」の紙が貼られているが、横の席のお爺さんはお構いなく机に突っ伏して優しい寝息を立てている。そのお爺さんの革靴を履いた足先が時折擦れ合う音が実に不愉快で、とても本を読めなくなってしまったので、もう帰ることにした。

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 帰省の度に突き合わせる顔ぶれは結局毎度同じである。地元に残っているのもいれば、私と同じく連休になると帰ってくるタイプのもいる。することといえば、飲みの席で再三擦った話題を性懲りも無くまた擦って、「じゃあ」って言って別れるだけ。大人になるってどういうこと?

 いろいろと考えるのが難しくなって、あらゆることが昔みたいにはいかなくなって来ていると感じた。一度こじれてしまったものはなかなか元には戻らないし、新しいものを受け入れることも億劫になってくる。
 今この瞬間より若くなることはない、これがどれだけ恐ろしいことか。

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