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レモンチューハイ500円は高いだろ普通に

 友人に今夜飲む店の手配を任せておいたら連れてこられた「創作居酒屋Dining -蒼(あお)-」みたいなノリの店。嫌な予感とともにメニューを開くと、オレンジ色のウネウネ手書きフォントでびっしり埋められている時点でもう既にしんどいのだが、極め付きに一番安いお酒がレモン酎ハイが500円(税別)だったりしたら、しょっぱいお通し(こちらも当然有料)に出てこられる前に、私はすぐにでも帰り支度を始めるだろう。
 友人との間に漂う「あっ…」の空気。幸か不幸か、「この店の感じでレモン酎ハイ500円はさすがに高い」という共通認識だけはお互いあったようで…。
 予約してくれた手前、友人には言いたいことも言えないものの、その共通認識があるなら予約時に値段の相場を確認するなり、傷つかないための予防線を張っててほしかった…。

 嫌な事件だったね…。

 レモン酎ハイに500円以上払ってもいいと思える環境って実はあんまりない。「肉フェス」という大層な暖簾を下げておきながら、靴の中敷きくらいの薄さしかない肉で当たり前のように野口英世1人分吹き飛ぶ、地域のお祭りのテキ屋さんもビックリなおもしろイベントとかなら話は別として、一般的なライブハウスや普通のフェス会場であれば、その場所代(諸経費込み)という建前があるから多少の金額であっても許容できるし、その相場が500円から600円くらいでおおむね妥当だという認識が、一般的な人々の中にはある。なんにせよ、"相場の共有"って大事。

 一般の飲食店で「レモン酎ハイ1杯500円の価格帯」に踏み込んでくると、値段の比較対象がどうしてもチェーン居酒屋や小汚くて安い大衆居酒屋などの多岐にわたる分、もっと他に良い選択肢があったのでは…のジレンマに陥る。それらと比べるのはお門違いというか、そもそも立っている土俵が違うこともあるのだが、人間とは「あらゆる生物の中で唯一、相見積もりを取る生き物」なのだから仕方ない。

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 「これに500円払うくらいなら、セブンイレブンでアイスコーヒーの氷カップを買ってそこに鬼ころしとジャスミンティーをブチ込んで近くの川辺で飲んでる方が幾分かマシ」は、私の友人の至言である。

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 "体内に取り込んだら尿になって排出されるだけの液体"に必要以上の出費をしたくないという貧乏人根性が、私の根っこのあたりまで染み付いている。勘違いしてはいけないのだが、別にレモン酎ハイに500円を払ったら明日の生活がままならないほど困窮しているわけではない。
 こういう思考なので、酔おうにも酔えない。「酒とメシ ぶっきらぼう」や「ダイニングバー ヨッちゃん」で出てくるような、500円の割に小さなグラス、グラスの割に大きな氷、氷の割に薄いアルコール、アルコールの割に高い値段設定。こんなケチなミスチルみたいにな連想ゲームをしてしまって、うかうかチャミスルも飲めない。

 別にアルコールは嫌いじゃないし下戸でもない。ただ、同じ質のアルコールを摂取するのならば、コンビニなどでカンカンのお酒が100円台で買えるし、チェーン店ならば高くても400円台でキンキンに冷えたアルコールがジョッキにたっぷり入って出てくる。
 要はもっと他にいい選択肢があるということを、私は知っている。「創作居酒屋Dining -蒼-」や、「和菜酒-なごみ-」などで出てくるアルコールの値段相場は、一般的な居酒屋と比べて明らかに高いと言わざるを得ないし、その値段に見合う価値を見出すのも難しい。
 このようにほかの選択肢がたくさんある中で、それらを超えるメリットが「創作居酒屋Dining -蒼-」の500円のレモン酎ハイには果たしてあるのか、という話だ。こんなしょうもない話をツマミにできたら、お前とは美味い酒が飲めそうだ…w

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 結局、帰路の途中で買った安い酒(ローソンでdポイント払いで買ったから実質タダ)でミッドナイト・ドランキン・スノーマンになっている。トホホ…今夜は踊れなかったよ。

 

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