マイスターのお道具箱 ーまー
ドイツでの暮らし、日常
技術といっても専門的なことじゃなく、いつもの仕事での出来事や思った事柄をだらだらと
予約時間の30分前に現場到着、何しろ電話だけの予約なので不安。 アレーナの急な階段を昇ると(もちろんエレベーターあり)係員のチェック。 電話予約なので書類は持っていないと伝えると、左の奥に進んでそこで書類記入して先に進んでくださいと指示してくれる。 書類はドイツ語ですが比較的簡単な文章で書かれている。記入後、チェックインカウンターでその書類と身分証明書を提出して予約確認と登録完了。ほっとする 接種会場は一階上にあるが全ての移動は係員が適宜いて指示してくれるので迷うことは全く
好物の厚切りベーコンを薄くスライスしている時、 えっちゃんから電話。いつも以上に興奮気味な声。 「あんたもすぐ電話しぃ! ワクチン打てるかも知れんで。私、今予約取れたよ」 薬物注射のお誘いやね。 covid-19を予防するアストラゼネカ社製ワクチンは統計的に若い人たちに副反応が多く起こるとのことで、ドイツでは60歳以上の人だけに接種することに決まったらしい。 優先接種が進む中、このワクチンは予定よりあまり気味。無駄なく有効に接種を進めるためのイレギュラーな対策で、60歳以上
ここのところ同級生が還暦の画像をSNSに上げているのを頻繁に目にする。プレゼントされた赤いセーターやパーカーを着て、ほろ酔い赤ら顔で覇気のない笑みを浮かべてる自虚的なポートレート。 3回目の成人式だの、新しい人生の始まりだの、2歳の孫にヘロヘロだすーだのチャラいコメントが目立つ。 同学年が還暦ということは、当然自分の番も巡ってくる。同じ穴のムジナ。 おめでたい話なのだが、還暦を迎えたからといって急に生活様式が変わるとか、突然オトナな行動が取れるようになるわけではない。いつもと
今までしたことのない修理をした。 40年近くピアノ技術者をしていて、一度も出会わなかった不具合に遭遇したわけ。 話には聞いたことがあるのでおおよその修理手順は分かるのだが、失敗したくないので技術者仲間数名にアドバイスを乞うた。 修理方法やコツなどは自分の貴重な経験の積み重ねで習得しているので、おいそれと簡単には教えたくないはずだけれど、皆、速攻で親切に色々とアドバイスをしてくれた。 いい奴ばかりさ。 修理依頼主はエンジニア。ドイツ人独特の技術屋さんなので、やたらと蘊蓄を垂れ
そんなに手先が器用なわけではないのです。 手を使う職業に就いているのに不器用なのは苦労するのです。 人並みにできるようになるまで同じことを何度も繰り返すので、なんとかやってますけれどね。 努力とか、根性とかそんなカッコええもんと違います。 ピアノの弦を貼る方法の一つとして、部分的に(あるいはメーカーによっては全部)弦の一端に「輪っか」を作り、それを鉄フレームに打ち込んであるヒッチピンに引っ掛け、ピアノに張る方法があります。 その「輪っか」を作ることを「たまつくり」と呼びます
ひごと体力を取り戻している感じ、正常運転までもう少しかな? 退院後の睡眠は入院時と比べ物にならないくらい充実している。 手術入院すると体に負担がかかるって聞いてたけれど、なるほどこう言うことか。 入院するにあたり期待していたことは 「きっと痩せるだろう」 コロナ騒ぎでフットネススタジオへはもう5ヶ月行ってない。 自粛中はジョギングや散歩はしていたものの運動量は少なくなり、台所に立つ時間が増え、いわゆる「コロナ 太り」 5日入院で口内手術やからきっとスープぐらいしか食べれへん
興味があった病院食は結局検査入院した昼と夜だけいただく。 ドイツの病院食は期待するなと言われるが、まさにその通りのようでした。 術後の傷回復を早めるため、できる限り動かないようネジを上下の顎(歯茎)にそれぞれ2本ずつねじ込み、そこにゴムバンドをかけ、口はストローが入るくらいまでしか開けることができない。緊急時用にハサミがいつもそばに置かれています。 喉を通っているチューブは相変わらず鬱陶しい奴で、こんだけ多くの涙を流したのは初めてかもしれない。2日目に慣れてきたのか、うまく
今、大学病院の病室にいる。 お見舞いで何度も来たことはあるのだけど、自分自身で入院生活は初体験。 まして、全身麻酔の手術もお初。 病名は 含歯性嚢胞。 下顎右に埋没している親知らずの下に膿疱ができている。痛みや腫れなどの症状が全くないためレントゲンで偶然発見される。 かかりつけの歯科医で別の工事現場を治療するにあたり、見つけてくださった。 2年前のレントゲンでは確認されてなかったの。 CTを撮り膿疱確実だと判断されこの大学病院の口腔外科にお世話になっている。 本当は3月に予約
10才のお嬢ちゃんがピアノを習っている。 ピアノの先生のところでは上手に弾ける天才少女なのに、 自宅ではどうもうまく弾けない だってうちのピアノ鍵盤がちょう重いんだもん! 君はやる気がない、センスがないなどと親はため息混じりの嫌味を呟く。 そんなネガティブな雑音に耐えながらも練習を続けている。 だってピアノ好きなんだもん。 この楽器の場合、鍵盤が重いのは音を止めるダンパーという部品の不具合が原因。 バネの力でフェルトを弦に押し付けて音を止めています。鍵盤を押すとフェル
今日、ドイツは父の日で祝日。 父の日だから祝日なのではなく、 Christi Himmelfahrt「キリスト昇天の日」と言う宗教的な祝日 天気も馬鹿みたいによく、午後からは29°C くらいまで上昇するとのこと、 人出も半端なく増えるだろうと想像し、午前中に散歩。 マスク持参で。 感染予防のためにマスクを着けるのではなく、きっと花粉でムズムズするだろうと言う事前準備。 案の定、積雪のような綿状の花粉がダイナミックに降り積もっている。 ポプラの撒き散らし物が犯人らしい。
最近 シェアスクーターが多くみられるようになってきた。 E-Scooter っていうんだそうな。 すでに数年前からはシェア自転車、もちろんカーシェアリングも有るのだけれど。 スマホでappをダウンロードして登録すれば簡単にシェアできるらしい。 利用してみたいとも思うが、なかなか飛びつけない大人の僕がいる。 よりによってピアノ工房前に また新しい業者のスクーターが並び始めた。 今の所、邪魔と言うほどではないけれど、どうかおとなしくやってもらいたいものだ。 はたしてこの業界、
ネジの溝にドライバーがしっくりとはまると 金属同士が触れ合う柔らかい音が聞こえる。 ドライバーを握る力をクッと強めると、木の部品は乾いた声で「締まりました」と合図する。 この瞬間が僕は好きだ。 特に古い良いピアノのそれは、手に伝わる感触と枯れた木の音がたまらない。 ピアノのアクション「打鍵機構」には400本くらいのネジがついているだろうか。 でもこの緩くなったネジを締めなおす「増し締め」はものの数分で終わってしまう。 もっと楽しみたいのに残念。 こんな単純で退屈そうな作業でも
りんごの花が風に揺れる頃、年に2度のピアノ調律、春の部に赴く。 かれこれ25年続いているので、50回以上この邸宅に通っていることになる。 長いお付き合いもここまでくると歴史だ。 ピアノの持ち主の現役時代は大学病院の外科医だった。 今年85歳になられた。 趣味のピアノ演奏はどうも最近気力がなくなりつつあるとか。 それでも定期調律は欠かさない。 毎回、調律作業が終わると次回の訪問日を決める。 コーヒーとクッキーの傍に季節の小さな花を添えてくれるのも 毎回必ず受ける優しいおも
ちょっと昔、ブログなるものを書いていた。2005年から2016年、そう11年書き続けていた。駄文もたくさんあるけれど、我ながら面白いことも書いていたと思う。 4年のブランクがあるのだけれど、また再開しようかと思い、このnoteに登録してみた。 使いかたもまだわからないので、とりあえず、今まで書いてきたブログのリンクを貼って 時間稼ぎをしてみることにする。 ーまー Blog.goo.ne.jp/Klavierbaumeister