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とばっちり
10才のお嬢ちゃんがピアノを習っている。
ピアノの先生のところでは上手に弾ける天才少女なのに、
自宅ではどうもうまく弾けない
だってうちのピアノ鍵盤がちょう重いんだもん!
君はやる気がない、センスがないなどと親はため息混じりの嫌味を呟く。
そんなネガティブな雑音に耐えながらも練習を続けている。
だってピアノ好きなんだもん。
この楽器の場合、鍵盤が重いのは音を止めるダンパーという部品の不具合が原因。
バネの力でフェルトを弦に押し付けて音を止めています。鍵盤を押すとフェルトが弦から離れる仕組み。
そのレバーを動かす支点となる部分の動きがスムーズじゃない場合、鍵盤を強く押さないと音が鳴ってくれないのです。
工場でピアノが作られた段階ですでにその支点は堅かったのだと推測します。
加えて、部品の材質が悪いので弾けば弾くほど支点が劣化して動きが鈍くなっていきます。
音の止まりが悪くなるのでバネの力をさらに強くしてしまうという、判断を誤った技術者の手が追い討ちをかけ、逆効果でタッチがさらに重くなって弾きにくくなった箇所もたくさん見つかりました。
最終的にお嬢ちゃんがとばっちりを喰らう、という悲しいシナリオですね。
悪いところだけを修理しても後から別の箇所も不具合が現れるかもしれませんので、ここは頑張って全て分解して支点になるピンを交換します。
このピアノメーカーは決して粗悪品を作っているのではありません。普及型ピアノメーカーのエースの一つです。 効率よくたくさん作ってたくさんの人に使ってもらおうと一生懸命です。
ただ、良いタッチ良い音色のピアノ作りを目指す思い入れや情熱を持って
作成してきた歴史がないのです。
まぁ、とりあえずこれで
「自宅でも天才ピアニスト」が誕生するはずですので
よかった、よかった ーまー
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