ある日、もりのなか。
昨日は母の日だったので実家に遊びに行ったという話を書いたが、その時に父が興奮気味に近所にクマが出たという話していた。
ええ、マジか…と思って早速ニュースを検索してみると近所の総合公園で目撃情報があったらしい。
大きさは一メートルくらいで幸い被害はなかったそうである。
私の実家はその総合公園の裏側にあるのでいつクマが移動してきてもおかしくない。
実際昨日のお昼ごろには市役所の広報車がクマが出没して危険なので外出しないようにと注意喚起して回ってきたそうだ。
その放送を聞いて父は外に出していた生ごみを玄関に仕舞ったそうで最大限の警戒をしていた。
私の実家は今でこそ住宅街になったがその昔は畑と田んぼしかないのどかな所だった。
そんな時代でもクマが出たという話は聞いたことが無いので改めて戦慄が走った。
これまでタヌキを見かけたことはあるし、サルだと思われる畑の被害もあった。
町自体が田舎なので車で十五分も山の中に入れば自然動物と出会う確率はグンと上がる。
実際祖父の実家はかなりの山奥で車一台がギリギリ通れる険しい道を走らなければいけない。
そこではシカも出るしイノシシもでると大叔父が言っていた。
それにしても総合公園は国道からすぐの場所にある開けたところなのでいったいどこからクマが迷い込んできたのか謎である。
何にせよ人間に被害が出ずにクマも無事に自分の住処に還れることを願っている。
そんな事を考えながら昨日の晩御飯を振り返ってみる。
昨日は父の畑で収穫された朝採れの新じゃがいもと新玉ねぎを使うことにした。
新玉ねぎの皮を剥いて薄切りにする。
牛肉のこま切れを細切りにする。
鍋に油を敷いてニンニクスライスを入れて火を点けて香りを引き出す。
そこに牛肉を入れて軽く炒める。
次に新玉ねぎをドドッと入れて沸騰させる。
醤油、砂糖、日本酒、みりん、白だしを加えてアクを取る。
火加減を弱火にしてコトコト煮込んだら牛丼のアタマの完成。
汁物は新玉ねぎのみそ汁。
土がついてて見るからに美味しそうな小ぶりなじゃがいもをよく洗う。
皮つきのままお皿に並べてラップをかけてレンジで四分チン。
これで初夏の食卓の出来上がり。
妻を呼んでいただきます。
昨日のお酒は芋焼酎のロック。
グラスに氷をたっぷり入れてクッと飲むとじんわりと身体に染みわたる。
うんうん、今日も元気だお酒が美味いと調子のいいことを言いながら新しゃがいもを熱いうちに食べる。
真ん中でポクリと割ってそこにバターをたっぷりつけて食べる。
アツアツのホクホクでバターの塩気とじゃがいものねっとりした食感がナイスコンビでかなりイケる。
何より小粒なのでパクパク食べることが出来る。
妻はじゃがいも好きなのでやっぱり新物は美味しいねぇとうっとりしていた。
二人分で十個蒸したのだがあっという間に無くなった。
二杯目のお酒を作ってククッと飲んで次は牛丼のアタマを食べる。
牛肉に新玉ねぎの甘さが合わさってなかなかイケル。
ああ、これはご飯に乗せても良いなと思ったが炭水化物をじゃがいもで大量摂取しているので我慢我慢。
その代わりに生卵に浸して食べる事を思いついた。
早速卵を割ってよくかき混ぜてから牛肉に絡めて食べるとすき焼きを食べているような気持ちになった。
うんうん、この食べ方は正解だと思ってモグモグ食べた。
お酒は三杯で止めておいたので優秀だと思う。
新じゃがいものおかげで満腹になった。
採れたての野菜が食べられるのはありがたい事である。
今日の晩御飯にも登板してもらおうかな。
使い勝手の良い食材が豊富にあると長者気分になる。
ええんじゃよ、美味しく食べんさいという父の声が聞こえてきそうだ。
うふふ、お父さんだーい好き。
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