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Gender critical/関心があるトピック→TGism・買売春・ポルノによる女…

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Gender critical/関心があるトピック→TGism・買売春・ポルノによる女性客体化の弊害・代理出産・Reproductive Health and Rights・母性神話・女性の資源化・魔女狩り

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『テストステロン』と女子スポーツの公平性

パリ五輪での騒動がきっかけというわけではなく、前から気になっていたキャロル・フーベンの『テストステロン ヒトを分け、支配する物質』を読んだら、今まさに関心があるようなことがたくさん書かれていたので驚いた。 ずばり結論からいうとめちゃくちゃ良かったです。 ちょっと生化学や生理学や発生学っぽい内容もあるので万人向けではないかもしれないけどわたしにとっては☆5! とても情報量が多いし、ずっと知りたかったような内容が書かれていたので3300円はもはや実質無料。 これを原著で読んです

    • 『話が通じない相手と話をする方法』からレスバと対話の違いを考えた

      読んだきっかけツイッターで政治的な主張をしていると賛同意見だけではなくて反対意見の方からも批判的な引用やリプライをもらうことも多く、わたしは幾度となく反論してきた。しかし、双方ともに後味の悪い不毛な結果になり苦々しい気持ちで反省したことも多い。 しかし実際に「アライ(とされる)」側と「トランスヘイター(とされる)」側が対話をして穏やかな結果に終わったケースも稀ではあるが観察したことがあり、わたしはそのやり取りの様子をmin.tで記録した。 上記min.tまとめにある「こ

      • 『先生の白い嘘』原作の感想と映画化について

        映画化にあたっての監督のインタビューが話題になってたので5年以上ぶりに最後の8巻まで読み返した。Kindleの購入履歴をみたら1巻買ったのが2015年の4月で9年前(!)ということにびっくりしたわ…… 性暴力描写がかなり生々しくて重苦しい内容だったという印象はよく覚えている。 自分のなかでは当時に比べると色々と解像度があがってきて以前とはちょっと感じ方が変わったかもしれない。 (以下、原作のキャラクターに対するネタバレありの考察です。原作のネタバレを知りたくない方は目次から

        • AERA dot.の対談記事に対する反論

          AERA dot.の対談記事リナ・サワヤマ×ちゃんみな LGBTを語る 「どうしたらお互いのハッピーにつながるか話し合う機会を」という記事(アーカイブ)を読んだら、リナ・サワヤマさんの発言に同意できない部分がありわたしはこう投稿した。 Xで書くにはとても長くなってしまいそうなので、この記事ではAERA dot.の対談記事にあるリナ・サワヤマさんの発言で同意できない部分に対するわたしの反論を述べたいと思う。 ちなみにわたしは今までリナ・サワヤマさんの顔と名前は知っていたけ

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          十二国記④『華胥の幽夢』『黄昏の岸 暁の天』『丕緒の鳥』初読時の感想 (ネタバレあり)

          以下、ガッッッツリネタバレしているので未読の人は要注意です!! 前回までの感想はこちら。 十二国記①『魔性の子』『月の影 影の海』初読時の感想(ネタバレあり)Gwen (note.com) 十二国記②『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』初読時の感想(ネタバレあり)|Gwen (note.com) 十二国記③『風の万里 黎明の空』『図南の翼』初読時の感想(ネタバレあり)|Gwen (note.com) 読んでいる順番は以下の通り。 『華胥の幽夢』(エピソード7

          十二国記④『華胥の幽夢』『黄昏の岸 暁の天』『丕緒の鳥』初読時の感想 (ネタバレあり)

          邦訳刊行前にIrreversible Damageについて書かれた記事のまとめ

          昨年12月に刊行中止になったIrreversible Damageの邦訳がついに産経新聞出版から『トランスジェンダーになりたい少女たち』として発売された。 この本に関してKADOKAWAで『あの子もトランスジェンダーになった』の刊行告知がされた頃から色々ネガティブな評判があった。 わたし含めて英語を得意としない人たちにとっては、原書を読んで内容を検証するのが難しかったが、出版されたことによって実際に確認することが可能になった。 「読まなくても必ず低評価投稿お願い致します

          邦訳刊行前にIrreversible Damageについて書かれた記事のまとめ

          十二国記③『風の万里 黎明の空』『図南の翼』初読時の感想(ネタバレあり)

          この作品はネタバレしないほうが展開が読めなくて主人公に感情移入できて断然楽しめると思うので、未読の人は要注意です!! 以下、ガッッッツリネタバレしています!!!! 前回までの感想はこちら。 『風の万里 黎明の空』上・下(エピソード4)実況 上巻 ・身売りされた鈴さん、いきなり異世界に行く ・芳極国、初めて出てきた! 祥瓊(しょうけい)の父親と母親が圧政のために蜂起した州師に〇されると。 ↑〇したのは恵州候の月渓(げつけい)ね ・台輔殺すとかありなんだ…… ・白雉の足が

          十二国記③『風の万里 黎明の空』『図南の翼』初読時の感想(ネタバレあり)

          十二国記②『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』初読時の感想(ネタバレあり)

          この作品はネタバレしないほうが展開が読めなくて主人公に感情移入できて断然楽しめると思うので、未読の人は要注意です!! 以下、ガッッッツリネタバレしています!!!!いざ入国!!! 前回までの感想はこちら。 『風の海 迷宮の岸』(エピソード2)実況 ・プロローグの「雪が降っていた」という書き出し、『魔性の子』と同じだ! ・女怪・白汕子誕生☆ なんかいろんな動物が混ざっててキメラっぽくてカッコ良……ライオス(ダンジョン飯の主人公で魔物が大好きなキャラクター)が大喜びしそう ・

          十二国記②『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』初読時の感想(ネタバレあり)

          十二国記①『魔性の子』『月の影 影の海』初読時の感想(ネタバレあり)

          わたしはもともとファンタジーが好きで、十二国記シリーズは時々Twitterで話題になっていたので気になり、こう投稿したところ、 『魔性の子』から!とおすすめいただいたので読んでみることにしました。(※『屍鬼』は学生時代に読んだことあってすごくハマったし、わたしはオカルトや怖い話が好きなホラー愛読者で『残穢』も平気だったタイプです) 作品の性質的に、ネタバレすると楽しめないらしいし、オススメしている方たちもネタバレしないように気をつかっていたので、検索で引っかかりやすいTw

          十二国記①『魔性の子』『月の影 影の海』初読時の感想(ネタバレあり)

          『あの子もトランスジェンダーになった』刊行中止についての諸説

          『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』が刊行中止になったことがニュースになった。 ※1/26 「区議・政党関係者による言及」を追記しました。 ある編集者とのやり取りこの件について記事を書くうえで、ある編集者とのやり取りを通してわたしの考えを述べておく。 この対話の後、この編集者にはブロックされてしまった。 この本の原著は海外で話題になっていたので以前から気になっていて、翻訳版が出版されるのを楽しみにしていた。しかしその本が出版を目前

          『あの子もトランスジェンダーになった』刊行中止についての諸説

          『統合失調症の一族』感想

          『統合失調症の一族』を読んだ感想文です。 (※性的虐待、性暴力への言及があります) 登場人物が多いので、兄弟姉妹の名前と簡単なプロフィールを上から順に書いて、発症した順に印をつけると状況が把握しやすくて読みやすかった。 きょうだいがどんどん発症していく前半は特に壮絶。 下の姉妹2人がケア役を押し付けられるヤングケアラーのきょうだい児でもあり兄から性的虐待されている状態で、機能不全家族の問題も複雑にからみあっていて、かなり気が滅入ってしまった。 そしてさらに母親に育児をほと

          『統合失調症の一族』感想

          他称TERF流行語大賞2023下半期ノミネート集

          心に残って印象的だったり、Hum Hum……Hmmと困惑したり、弊タイムラインでざわつかれていた、2023年7月~12月の発言集です。 あくまでもわたしの観測範囲内なので内容にムラがあるかもしれません。 以前の2023年上半期はこちら。 【注意事項】 この記事は「TGismに関心がある他称TERF側のツイ廃」にしか意味が分からないような、とてもハイコンテキストな内容となっているので、文脈が理解できていない人にとっては意味不明かもしれないことを最初に断っておきます。 (※時系

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          オープン・リレーションシップという恋愛スタイル

          オープン・リレーションシップ恋愛小説という触れこみの小説が目に入ったので、近ごろ話題になっているポリアモリーと関係があるのかもしれないと思い、『私の最高の彼氏とその彼女』を読んでみた。 ちなみに『僕の狂ったフェミ彼女』と同じ著者です。 読む前のタイトルだけを読んだわたしの率直な感想 ・オープン・リレーションシップ……?いわゆるヤリチン/ヤリマンなのでは……? ・「最高の彼氏」に彼女がいるって時点で次善になってしまい最高ではなくなるので、タイトルは一行で矛盾しているのでは?

          オープン・リレーションシップという恋愛スタイル

          もし他称TERFが『埋没した棘』を読んだら

          みなさんは「埋没した棘」をご存知だろうか? トランスジェンダーに関連する話題を数年追っている人はこの言葉をよく知っていることだろう。最近この話題に興味を持った人はあまり知らない方もいらっしゃるかもしれないので、今回は『埋没した棘』について取り上げたい。 「埋没した棘」とは岩波書店が発行している『思想 2020年3月号』に掲載された、清水晶子氏による論文「埋没した棘――現れないかもしれない複数性のクィア・ポリティクスのために」のことである。 何年も前の雑誌のため、現在は入手

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          「2023年10月26日 モーニングショーにおける玉川徹氏の発言に対する、乳がんサバイバーたちの抗議」をまとめた。 トランス女性が女湯に入ることに関する議論において、乳がんサバイバーを引き合いに出すのは、軽率であり当事者への侮辱では? https://togetter.com/li/2248620

          「2023年10月26日 モーニングショーにおける玉川徹氏の発言に対する、乳がんサバイバーたちの抗議」をまとめた。 トランス女性が女湯に入ることに関する議論において、乳がんサバイバーを引き合いに出すのは、軽率であり当事者への侮辱では? https://togetter.com/li/2248620

          「#ペドフィリア差別に反対します」というハッシュタグの背景

          【注意】この記事には「ペドフィリア」に対する擁護的な言及や、性被害者への二次加害やフラッシュバックをおこしている様子の投稿(文面)のスクリーンショット画像があります。 「#ペドフィリア差別に反対します」というハッシュタグが出回った背景8月29日頃から、Xにおいて「#ペドフィリア差別に反対します」というハッシュタグや「ペドフィリア」という言葉がトレンド入りしていた。 わたしの見ていた光景だと、「あらゆる差別に反対します」と反差別を掲げるなかで特に先鋭的な意見の人たちが、積極

          「#ペドフィリア差別に反対します」というハッシュタグの背景