十二国記③『風の万里 黎明の空』『図南の翼』初読時の感想(ネタバレあり)

この作品はネタバレしないほうが展開が読めなくて主人公に感情移入できて断然楽しめると思うので、未読の人は要注意です!!
以下、ガッッッツリネタバレしています!!!!

前回までの感想はこちら。


『風の万里 黎明の空』上・下(エピソード4)

実況

上巻

・身売りされた鈴さん、いきなり異世界に行く
・芳極国、初めて出てきた!
祥瓊(しょうけい)の父親と母親が圧政のために蜂起した州師に〇されると。
↑〇したのは恵州候の月渓(げつけい)ね
・台輔殺すとかありなんだ……
・白雉の足があれば仙籍から削除するってできるのか……つらいね
・祥瓊改め玉葉@芳国、孤児として生きるのしんどそう
・鈴改め木鈴(または笨媽)@才国、言葉が理解できるように仙籍にいれてもらったのか
・楽俊(ネズミ型)〜!しっぽ振ったりヒゲをそよがせたりしてくれ〜
挿絵の楽俊かわいすぎ。癒し。
陽子と景麒、不仲説
・景麒、延麒にも「仏頂面で口下手」p.74って言われてるw
・「六太の金は黄みが強くて明るいのに比べ、景麒の金はやや薄くどこか冷たい色味をしている」(p.75) 麒麟にもイエベとブルベがあるんだ😮
・「不満があるのなら、そう言え。――どうしろと言うんだ、言ってみろ」(p.100)ですって。やだ〜陽子と景麒めっちゃギスギスしてる〜
・采王(黄姑)にパワハラ直訴タイム
祥瓊へのリンチ壮絶だよ:( ;´꒳`;): とか思ってたら車裂とか出てきて物騒すぎるしほんと危機一髪(p.139)
・祥瓊、芳国から恭国(供王)に追放されちゃった それだけ憎まれてたらしゃーなし
・鈴、景王とお友達になれるとかちょっと思い込みが激しいところがあるな😅
・黄姑「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです」p.163 深いィィ……「置かれた場所で咲きなさい」的な……??
・陽子の喋りが王っぽくなってる。威厳がある感じ。
王って恨みかったら命を狙われるし、側近のマネジメント大変そう。
・陽子の悩みと鈴の悩みが違いすぎるから蓬莱出身ってだけでお友達になるのは難しいと思うナー😅
定期テストとか必須クラブとか浪人とか急に蓬莱の生活を景麒に振って困惑させる(p.176)のシュールすぎるぞ 
・恭国の供王珠晶(しゅしょう)は若い女王なのね。「あたくし、あなたが嫌いなの」ってずばずば言うの高慢な感じ。見た目は12歳で実年齢何歳なんだろう。
しかも芳麒の卵果が蓬莱に行っちゃった説とか?泰麒といい、麒麟は蝕で失踪しがちなのかな。
・陽子の「中陽子」って名前、科学でいう 中性子的な新しい分子っぽいネーミング
・遠甫(えんほ)、いい人オーラすごい
・なんかすごい言い争いしてるけど清秀(せいしゅう)と鈴は仲良くなるのかしら😅
・楽俊、柳に偵察に行くの巻
・遠甫の井田法の講義、単位が難しくて覚えきれない
・子どもに言い負かされてマジ泣きして手が出ちゃうのは鈴は相当幼いと思うナ 不幸自慢してるってズバリ言われてるし
供麒をビンタする珠晶(p.259)も正論マンだから景麒と仲良くなれそう
・清秀が心配😔
・祥瓊と相部屋なの、楽俊なのでは…??楽俊かわいいうえに頭もよくてモフモフだなんて最高
・清秀といるうちに梨耀の自己嫌悪にも思いを馳せられるようになった鈴は明らかに成長しているぞ……!
・清秀😭😭😭生きて😭😭😭

下巻

・下巻の序盤で祥瓊がなんで自分がそんなに憎まれてたのかようやく気づいたっぽい。楽俊と喋るうちにずいぶん性格が丸くなったな~~~ 楽俊、コーチングの才能があるし自己啓発本書けそう。
・虎嘯(こしょう)たち、そういう目的があったのか!水滸伝みたいな雰囲気になってきた
「景麒は麒麟とは思えないくらい厭味だな」 「主がとにかく頑固ですから、これくらいでいいんです」p.139 夫婦漫才か!
・和州の税、7割だそうです。(パネェ) 
・新キャラの桓魋(かんたい)meets 祥瓊
・ようやく鈴と陽子が会った!!もう下巻の真ん中らへんだよ💦
・桂桂😭遠甫😭蘭玉😭 この本、キーパーソンが死にすぎじゃないすか!?!?遠甫を朝廷に招きたいって言ってたじゃん!
・桓魋を訪れた柴望(さいぼう)はvs呀峰とvs昇紘のパイプ役なのかしらん
・鈴と祥瓊がようやく会った!年も近いみたいだし、お友達になれるといいね😊
・下巻の半分過ぎてから大きく動き出した感
・陽子が虎嘯の団体に加わったけど、実は景王だと知ったらみんなビビりそう
・戦いの場面が白熱しててスリリングです
・昇紘、肥満だったのかい
・虎嘯と桓魋が揃うと頼もしすぎるので景国の将軍にすればよろし
・ようやく陽子が景王だって告白したわ 鈴と祥瓊だけにだけど
・放火するなんて呀峰エグイな
・桓魋のビーストモード(熊)カッコ良!!!
・王みずからが禁軍に包囲されるのってなかなかないよな💦
・靖共(せいきょう)が裏切り者だったんかい!だいぶ大物だな!!
ドラマティック&カタルシス
・遠甫と桂桂は生きてて良かった😭
・松伯って仙人は遠甫のことだったんか〜い
・待って、最後陽子めっちゃいいこと言ってる
初勅👏👏👏スタンディングオベーション👏👏👏👏👏

読了後

『風の万里 黎明の空』は『月の影 影の海』よりも耐え忍びパートが多くて手が伸びず、特に上巻はなかなか読み進めるのが辛かった。
『月の影〜』のほうはひたすら妖魔が襲ってくるのがいかにもなファンタジーだったけど、こっちは人間関係とかブラック企業みたいな職場とか、かつて公主として蝶よ花よと育てられた祥瓊が落ちぶれたりなどの心理描写がリアルで生々しい。

祥瓊は、上巻まるまる(そのうちまた車裂されてしまうのでは……??)ってくらい自分に言い訳しまくって盗みや他人に罪をなすり付けたり等やりたい放題だったのが、楽俊とたまたま相部屋になって一緒に行動するうちにどんどん丸くなって自省できるようになっていた。
楽俊は傾聴が上手いしコーチングに向いてそう。大学卒業したら景国の重臣にスカウトされて教育係になったほうがいいよ。
賢くてかわいくてジェントルネズミな楽俊、最高🐁

『風の万里 黎明の空』は特に固有名詞(人名、字、地名、役職名、騎獣名など)が多すぎて、初読ではちょっと覚えきれなかった。巻頭にある地図ももうちょっと詳細が欲しかった。
十二国記ガチ勢はこういうの全部覚えてるんですか……??

陽子がふらっと情報収集してる間になんだかんだ地方の悪徳役人(小ボスと中ボス)に加えて裏切り者の冢宰(大ボス)まで判明して、下巻後半に入ってからのカタルシス→大団円の流れがきれいにまとまってる。
てか麒麟に騎乗して禁軍を𠮟責する陽子カッコよすぎでしょ……!!覇気があるっていわれてたし。 映画なら間違いなく見せ場でティーザーに使われてるね。景麒との会話で距離感もだんだん変わってきたのも分かったし、王としての成長を感じた(←何様😂)。

最後の初勅は陽子の経験が反映されてて、「己という領土を治める唯一無二の君主になってはしい」という口上もほんとに素晴らしかった👏👏👏
今後の景王の治世っぷりに大期待🥳🥳🥳

「地位でもって礼を強要し、他者を踏み躙ることに慣れた者の末路は昇紘の例を見るまでもなく明らかだろう。そして踏み躙られることを受け入れた人々が辿る道も明らかなように思われる。人は誰の奴隷でもない。そんなことのために生まれるのじゃない。他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば糺すことを恐れず、豺虎に媚びず、――私は慶の民にそんな不羈の民になってほしい。己という唯一無二の君主に。そのためにまず、他者の前で毅然と首を上げることから始めてほしい」
言って王は諸官を見渡す。
「諸官は私に、慶をどこへ導くのだ、と訊いた。これで答えになるだろうか」
諸官の返答はない。視線だけが王に向かう。
「その証として、伏礼を廃す。――これをもって初勅とする」

『風の万里 黎明の空』下巻p.389~p.390

『図南の翼』(エピソード6)外伝

実況

・供麒の話がでてきたってことは供王の話だな! 『風の万里 黎明の空』で供麒をビンタしてた子どもだ!
・王になる前からめちゃくちゃ強気😂
・珠晶が官吏になりたい動機が不老不死なの、意外と現実的だった。
・利広何者なんすか
・白兎盗まれちゃった(´・ω・`)
・頑丘という随従が見つかって良かったね☆
・犬狼真君is誰 封神演義のキャラみたい
・妖魔や妖獣には牡しかいない!だそうです p.114 十二国記豆知識だ
・利広何者??あやしいぞ 利広が麒麟だったりして でも金髪じゃないしなぁ
「失礼しちゃう。すぐに起きられるわよ、小さい子供じゃないんだから」
(中略)――だが、実際には目を閉じて開けると、すでに朝だった。(p.128~p.129)珠晶ちゃんかわいい

・なんか山登りときどき妖魔シーンだけなんですけど、このまま何事もなく王に選ばれるわけないよね?
・「どいつもこいつも、あたしが王になったら覚えてらっしゃい 」p.151
スパイス効いてんなぁ~~~
・珠晶、鵬(ほう:王に選ばれる人)なんじゃないかと他の昇山メンバーたちに噂されてるわ その直感、当たってますよ
・「こうやって昇山の者が通るたびに石が投げ込まれれば、いつか道になるのだろうか」p.181 なんだかフェミニズムみたい
・室季和、人の話全然きかないおじさんだからイライラする😇妖魔はこいつを狙って○せばいいのに このおじさん居ないほうが生存メンバー増えるでしょ
・や、山羊~~~~~ッ!!!🐐
・珠晶が学習してめっちゃ頼りになってる!朱厭(しゅえん)を罠にかけるなんて策士&賢い!
・利広が何者なのかは私も知りたい
言ったことを復唱して人間をおびき寄せるインプレゾンビみたいな妖魔怖すぎ
・頑丘死なないでくれ〜〜ッ
・駮(はく)ちゃん健気すぎるでしょ😭
・珠晶、「駮を犠牲にさせた責任を取ることを考えている」とか12歳にしては渋いこと言い出して、なんかブチャラティ(ジョジョ5部)みたいになってきた
・犬狼真君って誰 400年前って十二国記の歴史では結構最近じゃん 雁国が尚隆になってだいたいそれくらいじゃなかったっけ
犬狼真君、更夜だったんかい〜〜ッ!!ろくたはもう死んじゃったのかな 妖魔といえども流石に400年は生きなくない?ろくたが死んだ後、更夜はずっとひとりで黄海にいたってこと……???😭
珠晶、麒麟と会ってそうそう平手打ちしててウケた
・奏国の宗王がファミリー経営システム(?)だったとは知らんかった
・利広は宗王の次男で卓朗君っていうのね。たくろうくん!どうりでただ者ではないと思ったわ

読了後

珠晶が供王になることは『風の万里 黎明の空』に登場したことから知っていたので安心して読めた。
『風の海 迷宮の岸』では泰麒目線で(はわわわ昇山する人が押し寄せてくるよ~~~大変💦)って感じだったけど、昇山する側もめちゃくちゃ大変なんだな……
利広と犬狼真君って誰?!とずっと知りたかったのが最後で明かされてスッキリ。

まだ12歳の珠晶は確かに年齢相応の幼いところがあるものの、頑丘&利広と黄海を旅するうちにだんだんと成長していって責任感のある振る舞いになっていたし、朱厭(しゅえん)を罠にかけるという賢さも発揮したり、昇山した人達のあいだでも鵬(王に選ばれる人)ではないかと噂されていたあたりが、ジョジョ5部終盤のジョルノ・ジョバァーナのようで黄金の風を感じた――

珠晶が供麒に迎えられて「だったら、あたしが生まれたときに、どうして来ないの、大莫迦者っ!」(p.397)と言ってたのは、マジレスすると赤ちゃんのまま王(王になったときの年齢で不老不死)になると困るからでは?流石に赤ちゃんの王はまずいでしょ……喋れないし歩けないし。
あとこの場面でも珠晶は供麒に平手打ちしてて、「その麒麟は、呆気に取られたように珠晶を見上げた。(中略)ふと笑みが零れた。そうして彼は、心から笑んで、深くその場に叩頭する」(p.397)っていう供麒の反応がなんだか……鷹揚というか……ちょっとMっ気あるのかな?

頑丘と珠晶はいいコンビだと思うので、「こういうのは、どう?駄目だったら、頑丘はあたしを徒弟にするの。巧くいったら、頑丘はあたしの臣下になる」(p.389)とある通りになったら、頑丘がどんな感じで珠晶と一緒に働くのか読んでみたい。騎獣コレクション作ったりするのかな。スピンオフ希望。

余談

麒麟のパーソナルカラー診断

ところで麒麟のパーソナルカラー診断
(※『風の万里 黎明の空』の「六太の金は黄みが強くて明るいのに比べ、景麒の金はやや薄くどこか冷たい色味をしている」p.75)
の続きですが、『図南の翼』では
銅の金の髪をして、いかにもお人好しそうな顔をした男(供麒)p.395~p.396
女は銀を帯びた金の髪(宗麟・昭彰)p.401
という描写があったので、やっぱり麒麟にもイエベとブルベがいるんだと思う!🤗

突如現れたパーソナルカラー検定有資格者によるマジレス
「パーソナルカラーはドレープからの反射光を見て判断するので、実際にドレープを当ててみるまでは分かりませんし、その人の持つ色素からだけでは判断できません🧐」
全然聞いてないわたし
「六太はイエベ春で景麒は雰囲気的にマットな質感の方が似合いそうだからブルベ夏っぽくて供麒はイエベ秋で宗麟はブルベ冬!ヨシ!」(早口)(異論は認めます)

わたしが読む順番について

『図南の翼』は単巻で完結するし十二国記の世界観も何となくわかるし、これから読むのを薦めるひとがいるのも分かる。が、伏線を経てからの(犬狼真君って更夜だったの!?!?)という驚きを楽しむために、ある程度は順番通りのほうがいいかもしれない。少なくとも『東の海神 西の滄海』は『図南の翼』よりも先に読んでおいた方がいい。

固有名詞が多くなってきたのでメモを取りながら読んだ方がいいのかと思ってたら、十二国記データベースを参照しながらだと分かりやすいことに今さら気づいた!
あの時の騎獣なんだっけ?とかすぐ調べられて便利🙏🏻感謝🙏🏻 
十二国記データベース (12db.main.jp)

ちなみにエピソード5の『丕緒の鳥』を飛ばしているのは、わたしが十二国記を読む順番はこの丸善ジュンク堂書店劇場さんの「途中で挫折せずに読み切る自信がある」人向けを参考にしているので、

わたしが十二国記を読んでいる順番
(https://x.com/junkudo_net/status/1337557792497020935?s=20に添付されている画像より)

『丕緒の鳥』(エピソード5)は『白銀の墟 玄の月』1・2・3・4(エピソード9)の直前に読む予定だからです!
なんだかんだ折り返しすぎたので感慨深いわ。
次は『華胥の幽夢』(エピソード7)を読みま~す。

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