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『シン・ウルトラマン』 ネタバレ有感想

『シン・ウルトラマン』を先日観てまいりました。賛否両論あろうとは思うのですが、「語りたい方が多い」映画であることは間違いなく、かつ興行収入も公開3日間で9.9億超えの好スタートということで、さすがは庵野秀明氏と樋口真嗣氏の黄金コンビと感じます。ということでもれなく自分もネタバレ有で語りたくて仕方ないので、久々にノートします。激烈にネタバレしますので、いやな方はここでバックしてくださいませ。


1. 原作にあまりに忠実&エヴァのような高速テンポ感

しょっぱなの「ウルトラQ」高速処理&読ませる気のない高速テロップでの禍特対 説明から序盤まで、とにかく展開がクソ早いです。予告編でも登場したネロンガ、ガボラ。そして外星人として抜擢されたザラブ星人、メフィラス星人が登場したあたりでようやくテンポが落ち着き、ラスボスはなんか原作のかるく数百~数千倍以上くらいに巨大化したゼットン。

予想してはいましたがその次々襲い掛かってくる感はやはりエヴァの使途襲来を想起させますね。(ゼットンの見た目のせいかもしれませんが…)あと、これも予想してはいましたが、バルタン星人やレッドキング、ピグモンなどの人気怪獣を全リストラしてくる思い切りっぷり。さすがです。

以下、自分のお気に入り場面です。

・ネロンガ戦のウルトラマンのスペシウム光線初披露&アホみたいな威力

・メフィラス星人を演じた山本耕史のはまり役っぷり

・体臭ネタを非常に絶妙なバランス感で処理した長澤まさみ(これ、このバランス感でおさめられるの長澤まさみだけではなかろうか…)

・ゼットンの「1兆度の火球」を「いや実際に撃ったらこうなるんすけどね」と作品の設定に生かしてくる描写&説明

特に最後のは大いに笑わせて頂きました。ドラえもんの「バイバインでくりまんじゅうを増殖させる」のを大真面目に考察してるのと同じ感覚。しかしラスボス戦でそれをやるか。

2.  とんでもない量の各方面へのオマージュ/小ネタ

もうあまりにも多すぎて多分全部は全然気づけてないのですが…、以下、自分が気づいたところです。

1. 『シン・ゴジラ』~『シン・ウルトラマン』のタイトル変更は『ウルトラQ』~『ウルトラマン』のロゴ変化のオマージュ

2. カラータイマー無しのウルトラマンは、ウルトラマンのデザイン 成田亨氏の最初期デザインのオマージュ(※成田氏は、そもそもカラータイマーに反対だったが最終的に折れたという経緯がある)

3. ゾフィーが「ゾーフィ」だったりゼットンを操ったりするのは講談社の「ウルトラマン画報」の誤植及びはちゃめちゃな解説が元ネタ

4. 米津玄師氏による主題歌「M八十七」は、もともと「M87星雲」とするつもりだった光の戦士たちの故郷の名前を台本の誤植で「M78星雲」となってしまったところから来ている

5. ウルトラマンとにせウルトラマンのバトルでにせウルトラマンの動きが変なのは、原作のバトルでウルトラマンのチョップを受けたにせウルトラマンのスーツアクターが実際に痛くて悶えた動きを再現

6. 浅見弘子(長澤まさみ)が「忙しくてシャワーも浴びれない」というのは初代ウルトラマンでフジ・アキコ隊員が忙しくて家に帰っていないというののオマージュ(多分)


…とまあ、詳しくすべてを原典にあたったわけではないので間違ってたらスイマセン。ただ、誤植とかからも拾ってくる 庵野氏のやりすぎオタクっぷりはさすがに想定以上で、大いに劇場でにやけさせて頂きました。特に3. はもとがひどすぎんので是非読んで頂きたいです↓

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宇宙人ゾーフィ
…身長2m、体重50kg。
宇宙からやって来た怪獣。
宇宙恐竜ゼットンを操って大暴れする。
ウルトラマンそっくりに変身する。
力は無いが頭は良い。
スーパーガンには大変弱い。

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3. 個人的に残念だったところ

以下、あくまで主観ですが残念だったところです。

1. カタルシスを感じるサプライズがない:ゼットンが最大のサプライズだとは思うのですが、『シン・ゴジラ』の内閣総辞職ビームのような激烈にカタルシスを感じるサプライズはなかった感覚です。

2. ザラブ星人、メフィラス星人の見た目が微妙:特にメフィラス星人は、原作でも非常に好きなデザインだったので個人的には今回のは非常に微妙。

3. 魅力あるキャラ・人間関係が少ない:どちらかというと主役級の人たちより、バイプレイヤーな方々が…『シン・ゴジラ』の総理大臣とか、すげえ好きだったんですよね。

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何やら「レビュー」には全くなっていませんが、語りたいところは大体語ったので、唐突に終わります。この唐突な終わり方も、『シン・ウルトラマン』オマージュということで。

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