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【若林源三解体新書】◇番外6 ~そんな未来もあったかもしれなかった~


今、サッカーの稲本潤一選手が注目を集めています。
高橋陽一先生が代表をつとめる葛飾区の社会人サッカーチーム「南葛SC(スポーツクラブ)」に加入することが決定し、あちらこちらでそれが話題となっているからですね。

このニュースにより多くのサッカーファンの方々が期待で胸を膨らませる中、別方向に思考をはせて切なさを拭いきれなくなっているのは、世界中でこの私だけだと思います。

今回はその件を記しておこうと思います。


「 稲本選手 」で思い出したのが、この世界です。↓ ↓ ↓ 


このストーリー、今から20年以上前の2000年・シドニー五輪でのサッカー日本代表の活躍を願って高橋先生が描いた『 キャプテン翼2000 MILLENNIUM DREAM 』という作品です。

『 読者を象徴するモブがサッカーゲームのプレイを始める 』様子から始まり、『 そのゲーム内容をリアルなサッカーの試合・世界として描いて再現した 』という、夢のまた夢のまた夢物語となっています。

ゲームプレイヤーであるモブ読者が、ゲーム開始に使用する選手を選びます。
そこに、オーバーエイジ枠としてキャプテン翼のキャラクターも設定されているという場面からこの夢物語は始まります。↓ ↓ ↓



稲本選手、中村選手、中田選手、小野選手………ここに登場する選手は、言われてみればリアサカをほとんど知らない私でも名前と顔が一致する方々がほとんど。

その彼らが出場するシドニー五輪に、若林くん、翼君、日向君が「伝説の黄金ビッグ3」としてオーバーエイジ枠で出場するゲーム設定となっています。

この世界では、若林くん達より一学年下の葵新伍がU-23扱いなので、若林くんは24歳くらいのはず。
先生の描いた漫画としては、現時点で最も最年長の若林くんの姿かもしれません。
(なお、現在の連載で若林くんは21歳)



シドニー五輪出場中は、絶好調のパフォーマンスの若林くん。

特に決勝の対ブラジル戦では、1点は許してしまったことになっていますが、『 怪物ロメウド 』のシュートを完璧にキャッチし、こんな心情を語ります。↓ ↓ ↓ 


─────── 何が切なかったって、ここが最も切なかった………。


この世界の若林くん、とは。

18歳で出場したワールドユース大会以降に、12歳から慣れ親しんだ地のチーム・ハンブルグの一員としてチャンピオンズリーグに出場し、彼の言うとおり「数々の修羅場を経験し数多くの世界的ストライカーと対戦してきた」のです。
華々しい活躍を数年間積み重ね、そして、24歳?でミュンヘンへ移籍となります。

ミュンヘンへの移籍も、実力を買われてチームから熱望されてステップアップも兼ねたもの……きっと普通に『 今度はとうとう強豪ミュンヘンへ移籍なんだね!!すごいね! 』と称賛されるような状態だったんだと思います。

↑ ↑ ↑ この、堂々とした表情。ダンケシェーン…



ここは、実は若林くんが築くことができたのかもしれない、こんな活躍の歴史が隠されている世界なのです。


─── ところが。

実際には、この読み切りシドニー五輪ストーリーの後に『 キャプテン翼
 ROAD TO 2002 』という連載が正式に始まります。 

そのストーリー、そしてそれ以降に描かれた若林くんの姿とは………
こんな活躍を物語るどころか、監督との確執など大人の事情に満ちた選手生活のあげく、

『 納得のいくような活躍ができておらず、とうとう翼に追い越されてしまったから今度は翼へ挑戦するためにミュンヘンへ移籍する 』

という流れ。

その流れに関する記述はこちらです。
↓ ↓ ↓


私は、あくまで先生が本編として描いた漫画に正史性を見出しているので、若林源三という人の選手生活は、『 キャプテン翼 ROAD TO 2002 』以降現在まで連載が続くストーリーのとおりのものなのでしょう。

正史の中で描かれるのは、怪我で棒に振った翌シーズン、ハンブルグを優勝させたいと意気揚々で燃えまくり途中まで活躍していた彼なのに、ハンブルグの監督との確執という大人の事情であげくの果てにチームを離れざるを得なくなる、という何とも世知辛いのが現状の道。

…………でも。
この特別編は、そうじゃなかった世界。

稲本さん達との試合の中で魅せてくれるのは、精進を重ねて実力増し増しとなり、強豪ブラジルのシュートの嵐を止めまくる大守護神の姿。
「 なんて……なんて頼りになるんだ若林!! 」と男性ファンを泣かせるほどです。
観客席に私がいたら、私も泣きます。
守護神の活躍ぶりに泣きじゃくり、フィールドが雨で水浸しのごとく見えるほど泣きます。



─── こんな成長した姿もあったかもしれないのに。
若林くんの人生は、その方向へとは描いてもらえなかった。


こんな人生の若林くんもあり得たんだなあ………正史としてもらえなかったけど……してもらえなかったよね……と思ったら、何だか切なくなってしまったんですよね……

そう思って、大守護神の活躍に泣くのではなく、切なくなってちょっぴり泣けてしまったのです。


しかし、若林くんがいつも怪我や何かを背負うような描き方をされるのは、何があろうとそれを跳ね返す、どこまでも強いメンタルとフィジカルを持っている人だから

それが彼の最大の魅力であり、
高橋先生は
『 若林は、何があっても大丈夫。そういう奴 』
という認識をお持ちだからに違いない、と信じている私なのです。


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最後までお付き合いくださり、
本当にありがとうございました。

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