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【若林源三解体新書】#26 ~ファイヤーショットを今大会初めて止めたのは若林くん・アニメシーズン2ジュニアユース編第29話「シュナイダーVS.若林!」部分的総括~

シュナイダー対若林、シュナイダー対若林、シュナイダー対若林……
きっと1万回唱えても飽きることのない言葉です。

シュナイダーのシュートを、ファイヤーショット含め二本も止める若林くんなので、今回のアニメのタイトルはこうなったのでしょう。
若林くんがドイツメンバーの情報を日本のチームメイトに共有しているのをシュナイダーが見破っている。それもこの回で披露され、タイトルの一要素になってはいます。

実は、内容的にはそれほどシュナイダー対若林でもないかな、と。
家族そろってやっと試合を観に来てくれたことで胸アツ&笑顔になったシュナイダーがその後本領発揮してみたり、ドイツのGK・ミューラーのシュートが止めまくるシーンの方が、実はインパクトあるんです。

でも。

───── よいのです、このタイトルで。

タイトルの文字を眺めているだけで、この二人を好きな人はきっとみんな楽しい。




☆『 シュナイダー対若林 』


高橋先生が神様だと思うのは、まあ全部なんですけど、特にこういうところなんです。
シュナイダーと若林。
シュナイダーと若林。
シュナイダーと若林。

この二人の名前、並べると

語感がめちゃくちゃイイ。


たぶん、読んだ時に5文字と5文字の名前同士だからでしょうか?
しかも、文字数だけではなく、『シ』で始まり『し』で終わり、残りの文字を多くが伸ばすとα、アの韻になる。
両者の文字数のバランスの良さ、響きと安定感、そして両方の大物感


これが、シュナイダー対翼、シュナイダー対小次郎(二人とも超大物ですけど、あくまで名前の音の響きとして)とか、シュナイダー対森崎(森崎君では荷が重いのは置いておくとして、あくまで名前の音の響きとして)だと、あんまり映えない。

シュナイダー対若島津……うーん、やっぱり微妙。

先生の何が神ってるって、若林くんが登場した時は、まだシュナイダーはいないんです。
ドイツに行ってからシュナイダーに出会うわけですが、シュナイダーに出会う前から若林くんに若林って名前つけてるところが。
そして、シュナイダーにシュナイダーって名前を付けるところが。

シュナイダーのモデルは、ドイツ代表の名選手カール=ハインツ=ルンメニゲらしいです。
それをもじって例えばニンメルグとかって名前にしちゃって、ニンメルグ対若林……それもちょっと言いにくいし。


シュナイダーのことを語る高橋先生の記事
↓ ↓ ↓



ちなみに、オタクの間では有名な話ですが、日本語における『 わ 』の発音にストレートに相当するドイツ語の発音はないらしいです。『 ヴァ 』になってしまう。

だから、『 Wakabayashi 』を美しく『 ワカバヤシ 』と発音するのは、ドイツ人にとっては相当難しいらしいです。
ドイツ語が母国語の人に確認したわけじゃないので、実際どれくらい難しいのかわかりませんが。



☆ファイヤーショットを初めて止めた男


世界ジュニアユース大会準決勝・ドイツ対ウルグアイ戦。
噂に名高いシュナイダーのファイヤーショットが決まります。

キャプテン翼 文庫版第18巻より


このシュートを大会で初めてセーブしたのが若林くん。


「 さ・・・さすが全日本の守護神 」
「 さすが若林くん 」
「 さすが若林 」

いずれもキャプテン翼 文庫版第20巻より


このスゴさ、連載当時の子供の頃はあまりピンときませんでした。

練習だと二分の一の確率で若林くんのペナ外からシュートを決める。
そんなエピソードが、シュナイダーの凄さを物語っているわけですが、それでも若林くんが試合本番でそんなに簡単にペナルティエリアの外からのシュートを許すはずがない。
むしろ、ペナルティエリア外からのシュートなら若林くんは止めて当たり前。
そう信じていたので、シュートを防ぐシーンも当り前くらいに思ってました。


なお、今回のタイトルになぞらえて、ハンブルクJr.時代のこのシーンも強引にアニメ化してほしかったです。

キャプテン翼 ROAD TO 2002 第6巻より


二人のライバル関係がよくわかる。

しかし、ノスタルジックな過去のシーン、かつカルツの表情からも、ややほんわかとした空気が漂っています。

世界ジュニアユース大会の決勝戦の舞台に差し込んでも、試合の緊迫感がやや薄れてしまうかもしれませんね。

それにしても、シリーズを通して特にはっきりとはふれられていないのですが、練習とはいえ初めてシュナイダーからペナ外のシュートを決められてしまった時の若林くん心境はどうだったのでしょう?



☆見上さんが考える『 守りの固いGK 』


見上さんが日本ジュニアユースの監督としてチームを自画自讃するこのシーン。


いずれもキャプテン翼 文庫版第20巻より



アニメにおいて、原作のとおり見上さんの顔だけで引っ張るには、ちょっと語りが長すぎる。
それに、ポジションごとに各キャラクターを見上さんの頭の中で描いた方が、視聴者もイメージしやすい。

と、そんな理由のためか、アニメでは、ポジションごとに翼君、岬君、日向君、新田君、石崎、次藤君、早田君………とそれぞれの画が見上さんの語りとともに流れてゆきます。

そして、『 我ながらいいチーム 』の『 守りの固いGK 』、アニメで見上さんが想像したのは若林くん。

こちらのサムネ画像と同じ姿です。↓ ↓ ↓



──── このアニメの場面、もしかしたら若島津を推す方々にとっては不満が残ったのではないでしょうか?
『 固い守りなら、若島津だって負けてはいない 』
『 見上さんて、やっぱり若林びいきなんじゃないの? 』
と。


じゃあ、どうすればよかったのでしょうか?

『 守りの固いGK 』
その語りで、若林くんと若島津を描いたとします。
そうすると、もう一人いるはずの森崎君が明らかにハブられた状態になります。

しかし、三人の姿を見上さんの頭の中で描くのもいかがなものでしょうか?

逆に森崎君は『 守りの固いGK 』でしょうか?
彼の持ち味は、固い守りではなくむしろ『 がんばり 』

しかも、この大会、森崎君はまったく出場していない。

そんな彼を固い守りのGKと評価して若林くん、若島津と並べるのも無理があります…………。

と、そう考えれば、他のポジション同様ここに誰かの姿を描くなら、若林くんのみが妥当となるわけです。






というわけで、アニメ第29話は、タイトル最高の回でした。

試合開始後は、ほぼ原作どおりに進行している決勝戦。

この調子での放送を期待します。



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最後までお付き合いくださり、
本当にありがとうございました。

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