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【メルボルン奮闘記】メルボルンで世界一のクロワッサンを食べに行った話

メルボルンと言えば、コーヒー、クロワッサン、アート・・・と並ぶが、数ヶ月前までメルボルンの位置さえ曖昧だった私は、いまだに首を傾げてしまう。コーヒー、クロワッサン、アートはパリではないのか。「考えが古いのか?」と、ヒロアカのデクみたくブツブツ言いながら書いた先日のメルボルンでしたい10のことリスト

その1つが、世界一おいしいと言われているメルボルンのクロワッサン専門店LUNEのクロワッサンを食べること。先日、フィッツロイにある本店まで食べに行ってきた。

つい最近1人でトラムに乗れるようになったばかりだが、フィッツロイに行くのは2回目。Googleマップを片手にトラムに揺られながら世界一の味を想像する。そこでふと気づく。「世界一って言われている味を今まで食べたことない」!すごい経験!と、期待度も上がる。しかも、世界一の味をこうやって気軽に食べに行けるのって、超ラッキー。ポジモン出現だ。

平日の昼間だけど、12時ごろ行ったら10人ぐらい既に並んでた。

さすが世界一。

座れるスペースも少ないし、なんか「職人の工場・アトリエっぽい内装」。あら〜座れるのかしら?と思ってたら、スタッフさんがイート・インかどうかを並んでいる人達に確認し始める。私も聞かれて「イート・イン」と答えたら「あそこに座ってね」と、席番号も口頭でくれた。意外とスムーズ。さすが世界一。(2回目)

メニューは壁にコーヒーのメニューしかなく、クロワッサンの種類はオーダーするテーブルに並べてあった。こんな感じ。

おしゃれに並ぶクロワッサン達

食品サンプルにしか見えない

オーダーしたクロワッサンも、今までみたことのあるクロワッサンと違ってどこかキッチリしてる。クロワッサンって、もっとバター感あって崩れやすい感じだと思ってたのに、なんか作り物みたい。赤毛のアンのマシューおじさんじゃないけど、想像していたものと違うものが来ると人間って少し戸惑う。

「世界一」だからと、期待度MAXの状態でクロワッサンを一口食べて思った。

・・・普通?

いやいや、クロワッサン素人じゃないんだから、今までのクロワッサンを思い出すんだ、私。と、また一口。

特別に美味しい・・・とかはない。普通においしい。

私って味音痴なのかなと不安になりながら、食べていると一緒にいた友達が言った。

「なんかすっごい軽くて、何個でもいけそうだね。」

プロのコメントだ。この友達、日本で有名な飲食関係の会社で働いていただけあって、食通なのだ。グルメな彼女のグルメレポートは、素人の私の味だけにこだわったものと違う。そこで、「食感も重要だった!」と、気づかされる。

そう言われたら、そうだ。確かに軽い。今まで食べたクロワッサンの油・バターが滲み出てくる感じは全くない。時間が経っても、そのままずっとサクサク。世界一、さすがである。負けた。クロワッサンにも、友達にも・・・私はクロワッサンの素人だったと改めて気づいた。

危うく、「世界一」というレッテルだけに注目して、勝手に期待してがっかりするところだった。クロワッサンのプロでもないのに。

メルボルンに対しても、私はどこかそうしている部分がある。私の勝手な「当たり前」や「普通」を無意識のうちに押し付けて、がっかりしてる。またもや「アジアに帰りたい病」になりかけていた 笑

素人の私から見た世界一のクロワッサンは、正直また食べたいと思う程のものではなかったけど、初心に戻れた。メルボルンに勝手に期待して、がっかりしてもったいないことをしている現状。ちゃんと、自分の当たり前を隅において、メルボルンという街やオーストラリアの文化を受け入れて行くべきなのかもしれない。

そう思えただけで、世界一。そして、グルメな友達の一言に拍手。オーストラリア生活2ヶ月目、思わぬところで初心に戻れた。そういった意味で、また世界一の味を食べに行こうと思う。

冒険に初心の心に戻してくれる景色や味はつきものだ。



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