横山 瑞法(Zuiho Yokoyama)

日蓮宗法源寺・林應寺住職/(一社)SOCIAL TEMPLE理事/坊主道代表 現代日本…

横山 瑞法(Zuiho Yokoyama)

日蓮宗法源寺・林應寺住職/(一社)SOCIAL TEMPLE理事/坊主道代表 現代日本のローカルな仏教僧侶として、身近な地域社会との関わり方を模索しながら活動しています。 山梨県南アルプス市在住

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地方ワンオペ寺院住職の弱者の戦略

一般的に”坊主丸儲け”のイメージが強い寺院業界ですが、その実態は半数以上が年収500万円にも満たない(住職の年収ではなく、宗教法人としての収入です)という調査結果が出ています。そのような状況の中、他の勤めを持ちながら兼業で住職となり、寺を護るという兼業住職の割合が大きくなっており、さらに増加傾向にあります。そんなマクロの流れの中、私は5年前に勤め人を辞めて専業住職となる逆の道を選びました。そして、専業になって5年の一区切りのタイミングで、”地方寺院”と”ワンオペ住職”というリ

    • お寺の事業にも逆算の視点を

      前回の記事では、江戸のお寺で行われていた、意外な事業について紹介しました。 なぜ、寺がこれらの事業を行なっていたかというと堂宇を維持するための”資金繰り”が大きな目的ということでした。 翻って、現代の日本のお寺はどうかというと、お寺のハードの維持に最も苦心するという点では、江戸のお寺と同じ状況であると思います(規模の大小はありますが)。 今後の、お寺で事業を行う際に大切だと考える”逆算思考”の必要性について書いていこうと思います。 令和のお寺のハード絡みの事業事情身の回

      • 江戸のお寺はエンタメから金融業までしていた!?

        最近は、お寺でマルシェやコンサートなど様々なイベントが行われることも、多く見聞きされるようになりました。ですが、依然としてお寺というと、どこも静かで清らかな落ち着いたイメージを持つ方も多いのではないでしょうか? そんな、イメージが180度変わってしまうようなことが、江戸の寺院では行われていました。今回は、それらについて紹介してみようと思います。 江戸のお寺の状況江戸(東京)のお寺について主に述べていきます。徳川幕府時代になり、江戸開府となり、当時の江戸は100万人の人々が

        • 法源寺でできること〜企業合宿(研修)受け入れ〜

          お寺の住職として、外にでて活動したりしていると 「お寺って法事とかの他に何ができるの?」 と質問されることがしばしばあります。それぞれの、お寺の環境や事情によりできることはさまざまですが、私が住職を務めている法源寺でできることについて、いくつか記事を書いて紹介していこうと思います。 ということで第一回は「企業合宿(研修)の受け入れ」について紹介していきます。 お寺で企業合宿(研修)法源寺の特徴といえば、宿坊があるということです。場所は寺から徒歩数分ほど離れていますが、

        地方ワンオペ寺院住職の弱者の戦略

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        • 法源寺でできること
          1本
        • マーケ
          1本
        • TempleHotel法源寺物語
          1本
        • ローカル関係の話題
          2本

        記事

          消費は投票、消費するときに持ちたい一つの視点〜あなたの使ったお金はどこへいって欲しいのか〜

          何かを買う時、どんな観点でお店・モノを選びますか? 家から近い 便利 安くてお得 有名 知人がやっている エコやSDGsに配慮している 好きなブランド(メーカー) 私たちは、毎日買い物しない日はないというくらい、消費行動をしています。 まちづくりという視点で考えると、この日常的な消費行動の基準に別の観点が生まれてきます。 地元資本、地元の人がやっている事業で消費する特定のお店や事業者で、消費をするということは、モノやサービスを手にいれると同時に、そのお店(事業)に投票し

          消費は投票、消費するときに持ちたい一つの視点〜あなたの使ったお金はどこへいって欲しいのか〜

          大切なものは苦しみのタネ

          私はあまりものを収集したり、集めたりすることにハマったことがありません。 しかし、全くないというわけでもなく、小学生の頃に流行ったビックリマンチョコは、それなりに買ったりしましたが、まわりの友人たちほど熱心には集めることはありませんでした。 今まで、コレクションしたわけじゃないけれど、好きなものを買っていったらたくさん集まってしまったのは、CDやレコードです。 特に「収集する」という意識はなかったけれど、結果として集まってしまったものたち。 もしかして、これをコレクションと

          大切なものは苦しみのタネ

          信州渋温泉で感じた歴史とエリアの価値

          長野県の渋温泉へ行ってきました。 今まで、あまり温泉地めぐりとかしてこなかったのですが、外湯めぐりなど先日のあわら温泉とはまた違った特色がありとても良い経験でした。 あわら温泉の記事はこちらから。 信州渋温泉とは歴史は古く、およそ1300年前に行基菩薩が全国を旅する途中で発見したと言われています。渋温泉の一番奥に「温泉寺」というお寺があります。こちらは行基菩薩が開山ではなく、1300年頃に臨済宗の寺として開創され、後に曹洞宗に改修され現在に至っています。戦国武将の武田信玄

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          信州渋温泉で感じた歴史とエリアの価値

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          良い節約とは"足るを知る"こと

          お経の中に「少欲知足」という言葉あります。 「欲少なくして足るを知る」聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? この記事では、良い節約と悪い節約ということについて、この「少欲知足」を補助線として考えていきたいと思います。 音声で聴きたい方はこちらから 言葉の意味とイメージ節約 小学生の子どもの辞書を借りて「節約」と調べると次のように説明されています。 「切り詰める」という言葉が使われていることからも、節約という言葉には「我慢」というものとセットになるようなイメ

          良い節約とは"足るを知る"こと

          山梨県身延町「しもべの湯」と「道の駅しもべ」レポート

          山梨県内の気になるスポットを巡るシリーズをはじめてみます。 第一弾はここ最近、身延町にできた温浴施設とリニューアルした道の駅しもべ。 身延町は我が宗派の総本山があったり、私自身も10年間ほど町内に勤務し、地域とも関わってきたので、地元と同じくらい関心の強い地域でもあります。 そんな身延町へ登園拒否した末っ子と行ってきました! 今年オープンの日帰り温浴施設まずは、こちら「ヘルシースパサンロードしもべの湯」 身延町スポーツ健康増進施設として令和5年4月にオープン。 令和3

          山梨県身延町「しもべの湯」と「道の駅しもべ」レポート

          福井視察記〜あわら温泉周辺を巡る〜

          1日目はホテル八木さんについて見させていただき、2日目は周辺エリアをご案内いただきました。 ホテル八木周辺〜あわら温泉周辺 まず初めに、以前は社員寮として使われてい建物の1階でオープン準備中のBARへ。そこでは、若い店主の方が大工さんと一緒に自ら改装工事を行なっていました。店主さんはもともと近隣のお店を間借りして営業していたそうで、そこからステップアップして、こちらでお店を持つことになったそうです。地元の老舗企業がバックアップして、若者が小さなチャレンジから自分の事業を始め

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          福井視察記〜あわら温泉周辺を巡る〜

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          ホテル八木に学ぶ、逆境から発想し効率化と質の向上を同時に実現する手法

          福井県のあわら温泉へ行ってきました。 ちなみに、福井県に足を踏み入れるのは人生初でした。 今回の目的は、ホテル八木に宿泊し、常務の八木さんから現在に至るまでの試行錯誤や経営についてのお話を、実際の現場を見せてもらいながら聞かせていただく事です。 八木常務とは、まちづくりについて学ぶオンラインコミュニティLDLでご一緒させていただいたご縁で、今回はその仲間たち、特に宿を経営したり、宿の開業に興味があるメンバーと視察・研修ということでしました。 現場を案内してもらいながら、

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          ホテル八木に学ぶ、逆境から発想し効率化と質の向上を同時に実現する手法

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          無駄を避けては生きていけない

          「この世に無駄な物事は何一つない。全てのものは尊い」と言いたいところですが、やはり無駄はあります。 仏教でいう無駄なことの、最たるものは「煩悩」と「煩悩の元になる物事」でしょう。際限なく膨れ上がる煩悩は、満たされない自分を生み出し「苦しみ」を生じさせるいわば毒のようなものです。 出家の世界のように「悟り」という目標に向かって「煩悩」という無駄を排除し続ければいいのですが、世俗の人生とは業に苛まれ「山あり谷あり、苦あり楽あり」が面白いもので必ずしもそういうものではありません

          無駄を避けては生きていけない

          北海道出張記録(仁木-余市-小樽)後編

          だいぶ時間が経ってしまいましたが、完結させなければということでやっていきます。 友人に小樽のホテルまで送ってもらい小樽着。 初小樽です。 ホテルは星野グループのOMO小樽。 レトロな建物の並びにあり、ホテル建物もリノベしたものぽい。 荷物を置いて周辺散策。 小樽運河やその周辺を歩く。 運河周辺は関連の建物跡やレトロな街並みで歩いていて楽しいですね。 その後、一度ホテルへ戻って夕方になったところで街へ。 小樽駅前通り周辺を、歩きながら気になった店に入るスタイル。

          北海道出張記録(仁木-余市-小樽)後編

          子商塾プロジェクト本番へ

          地域の子ども達と実体験を通して”お金と商い”について学び、未来の地域起業家の卵を育てる「子商塾」プロジェクトに取り組んでいます。全4回のプログラムで進めています。 1回、2回の様子はこちらを。 各地の取り組みはこちらを。 プロジェクトもいよいよ後半です! 第3回 出店場所の確認と出店準備 第3回はまず最、出店場所をお借りする地元のパン屋「ベーカリールーブル」さんへご挨拶に。 年長者の6年生が代表して挨拶をしてくれました。 挨拶と現地確認だけで失礼するつもりが、パ

          子商塾プロジェクト本番へ

          子ども達と商いを学ぶ

          子供の商いによる学び、小さくても価値のある商い、共に商いをする楽しみを。 「子商(こあきない)塾 」というプロジェクトは、「地域における教育」をテーマに、実践的に経済を学ぶ教育プロジェクトを実施することで、起業家精神を持った子どもたちの創出につなげることを目的にしています。このプロジェクトは、「まちづくり幻想」や「地方創生大全」の著者であり、稼ぐまちづくりを掲げている木下斉氏が立ち上げたオンラインラボ「Locally Driven Labs」のメンバーで運営されています。

          子ども達と商いを学ぶ

          北海道出張記録(仁木-余市-小樽)中編

          朝起きたら朝食場所を探しがてら周辺を歩く。 駅正面側を歩くと、海鮮で有名な柿崎商店のオレンジ色の建物が目に入る。 朝から海鮮丼いくか!と思うも食堂は10時オープンだそうで断念。 昨日の2軒目で行った繁華街方面へ向かう。 駅前どおりを右に進んで少し歩くと、黄色い建物に何故か龍と鯉が描かれた寿司屋が見える。この辺りから旧繁華街の入り口っぽい。 何故この色と絵柄にしたのか。昨夜見た時よりも朝日に照らされて強烈な黄色が強調されている。ちなみに鯉の滝登りならば、鯉が滝を登って龍

          北海道出張記録(仁木-余市-小樽)中編