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良い節約とは"足るを知る"こと

お経の中に「少欲知足」という言葉あります。
「欲少なくして足るを知る」聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

この記事では、良い節約と悪い節約ということについて、この「少欲知足」を補助線として考えていきたいと思います。

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言葉の意味とイメージ

節約


小学生の子どもの辞書を借りて「節約」と調べると次のように説明されています。

むだづかいをしないように、きりつめること。

『例解学習国語辞典第十版』小学館

「切り詰める」という言葉が使われていることからも、節約という言葉には「我慢」というものとセットになるようなイメージがあります。「節約しなければ」という言葉は半ば「我慢しなければ」という言葉とほぼイコールで使われることが多いのではないかと思います。

少欲知足

「小欲知足」は、「欲を少なくして、満ち足りたことを知る」の意で、限られたものの中で満足を見出し、心の平静を保つことです。
そもそもの欲が少なくなることで、今あるもので心が満たされることを知ることです。

厄介な欲との付き合い方

現代の私たちは、道を歩いていても、電車に乗っていても、スマホを見ていても、テレビを見ていても、いつでも欲望を喚起するような誘惑にさらされています。
私たちの心は、なかなか満ち足りることを得ることができません。一つ手に入れてもそれに慣れて飽きてしまえば、また次の一つが欲しくなり、またそれに飽きればさらに次、次、次…。
というように、流されるままにいれば際限なく求め続けてしまいます。手に入るうちはいいですが、いつか必ず手に入らないところに行き止まってしまい、心に苦しみを生じてしまいます。

常に多くを望む心のあり方は、終わりなき欲望の渦に巻き込まれ、結局は満たされることがありません。
その都度で欲望を満たし続けることでは、いつまでも真に心豊かに満たされることはありません。

良い節約と悪い節約とは

目の前にある物事から、小さな幸せを見つけ、それに感謝し、それによって満たされる心が、真の豊かさをもたらします。
その視点から良い節約、悪い節約と分けてみようと思います。

まず、悪い節約とはどんな節約か。
それは、過度に我慢を強いるような節約であると思います。心を抑え付けた我慢する節約は、いつかその心を抑え付けた大きなエネルギーの歪みがどこかに生じます。それは、大きくジャンプする前に膝を曲げてしゃがんでいるような状態で、何かのきっかけで次の大きな欲望を呼び起こしてしまうことに繋がってしまいます。

しかし、欲少なく、目の前のもので足るを知る節約は、我慢を必要としません。そもそもの欲が少ないのですから、我慢せずとも今ある物事で満足を知ることができるのです。”足るを知る”節約は、真に心を豊かにしてくれる、良い節約ということができるでしょう。

節約と小欲知足の考え方をあわせることは、私たちに物質的なものに依存し過ぎない生き方を教えてくれます。この道を歩むことで、私たちは内なる平和と喜びを見出し、穏やかな心で日々を送ることができるのではないかと思います。


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