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消費は投票、消費するときに持ちたい一つの視点〜あなたの使ったお金はどこへいって欲しいのか〜


何かを買う時、どんな観点でお店・モノを選びますか?
家から近い
便利
安くてお得
有名
知人がやっている
エコやSDGsに配慮している
好きなブランド(メーカー)

私たちは、毎日買い物しない日はないというくらい、消費行動をしています。

まちづくりという視点で考えると、この日常的な消費行動の基準に別の観点が生まれてきます。

地元資本、地元の人がやっている事業で消費する

特定のお店や事業者で、消費をするということは、モノやサービスを手にいれると同時に、そのお店(事業)に投票しているということです。
その消費したお金によって、人件費や家賃、仕入れなどの必要経費が支払われ、そこから生まれた余剰が利益になります。
地域外資本の事業者で消費した場合は、この利益のほとんどが域外の本社へいくことになります。
逆に、地元に本社があったり、個人で経営されているお店で買えば、そのお店に使ったお金の多くは地域に残ることになります。それによって、お店は継続的に店を運営し、店主や従業員がそこから給与をもらい、またそのお金が地元で消費に回されることに繋がり、利益から投資も生じ、地域の中での経済循環が生まれていきます。

地域経済循環率という指標があります。こちらのサイトで各自治体の地域経済循環率を見ることができます。

「地域経済循環率」とは、生産(付加価値額)を分配(所得)で除した値であり、地域経済の自立度を示している。(値が低いほど他地域から流入する所得に対する依存度が高い。)

RESAS:https://resas.go.jp/regioncycle/#/map/13/13101/1/2018/

値が低いほどに、地域内の所得が地域外に流出しており、逆に高いほど地域外からの所得の流入が多いということです。

域外に資本があるお店も便利だけれど…


地方で生活していても、チェーン店や域外資本の店がたくさんあります。地元のお店よりずっと多い、なんて地域も多くあるのではないかと思います。
そういったお店も便利で、当然私も使いますが、そこで消費したお金の多くは地域外に流出していくことになります。
こちらのnote記事を見ていただくと、イメージしやすくなると思うのでぜひご覧ください。

地域経済のことを考えると、なるべく地域内でお金が回るように考えて消費することが必要です。ぜひ、日常の消費に”地域内での消費”という視点を加えてみてください。
探してみると、意外に身近なところに個性的で素敵なお店が見つかるかもしれません。また、その地域ごとの魅力というのはそういった、特徴的な小さなお店が増えることで培われていくものなのです。

良い街には、個性的で魅力的なお店がたくさんある


地方の多くの人たちは、もっと便利な店に、ドンキホーテが、コストコが、ファミレスが、コンビニが、近く欲しいといいます。私の身の回りもそういう意見が多いです。しかし、そんなモノばかり求めていては、個性は失われて、どこにでもあるまち、ここじゃなくてもいい”まち”になってしまいます。

しかも、これからは供給制限下、人手不足から人で不在の時代がすでに到来しています。地方で、域外資本の大きな店舗を誘致して雇用創出というのも、かなりの無理があるでしょう。
その中で考えなくてはいけないのは、その土地に根ざした個性と魅力を活かした、高付加価値な事業を残していくこと、作っていくこと。
まだまだ個性的な歴史や文化が残っている、地方には今はまだチャンスがあると思っています。

持続可能で長く住んでいけるまちというのは、短期的な便利さや安さだけを求めてばかりでは実現できません。
今まさに消えて行こうとしている、地域の歴史的・文化的魅力を活かしたまちを未来に残していきたいと思います。

そのために出来ることは何も大きいことだけではありません。
何か具体的な事業を始めるとかいうことである必要もなく、日常的な消費のような小さなことから見直していくことが大切なのです。


【追記】
念のため、「域外資本の店はいかん!」とステレオタイプに言っているのではなく、各地域の特性を活かしてバランスをとることが大切だと思っています。
私自身、コンビニも日常的に使っていますし、ファミレスや回転寿司など子連れで行くには大変重宝しております。
安さ、便利さだけを物差しとせず、地元のお店で消費するという視点を持つことが大切だと思っています。


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