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深夜行

深い夜と書いて深夜、街の灯も人の声も消えありのままの夜が戻る。

そんなありのままの夜を少しでも遮ろうと足掻く奴がいる。

僕もその1人。

特に意味もなく、僅かに残る街灯だけが静かに照らしてくれる。

静かすぎる夜に味方してくれるのは無機質な彼らだけ。

散歩に付き合ってくれるだけましだと割り切りながらも、余計な寂しさも一緒についてくる。

寂しさから抜け出すために外へ足を運んだのに、寂しさだけは離れてくれないのだ。

ここからどこへ行こうか。

コンビニか、それともファミレスか、もしかしたら飲み屋のひとつでも開いているのかもしれない。

孤独な散歩に空想という楽しみが増え、たったの2分で飽きてしまう。

孤独はお金を払って紛らわすものではない。

余計なプライドがまた別の寂しさを連れてくる。

やけに明るい街灯と、息を潜める家やビル、そして冷え切ったアスファルト。

今の私には冷たいもの以外の何者でもない。

冷たいだけなのに、私の心を直接襲ってくるのだ。

痛い、苦しいとかではない。

強いて例えるなら「嫌になる」がちょうどいい表現だ。

孤独で寒くて嫌になる、そんな深い夜にしつこく足掻くやつはまだいるのだろうか。





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