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S

16歳の時に

初めて詩のようなものを書いた。

くしゃくしゃのルーズリーフに

書き殴るように書かれたソレは

今見るとひどくこっ恥ずかしい代物だが

その時は真剣に書いたんだと思う。

22年前の自分は

書きながらどんな気持ちだったんだろうか?

タイトルに『S』とつけている。

当時想いを寄せていた女の子のイニシャルだ。

『S』

君を好きだと気づいた夜は

今でも忘れてないよ

体に電気が走り

胸が高鳴った

映画に誘った時

笑顔で返事をした

二人は想い合ってる

確信したあの日の僕

手紙を書いて渡した時は

満足していたけれども

受話器の向こうの「ごめん」

崩れる自分がいた

泣きたい でも泣けない

強がる僕の心

明るい声で「わかった」

流れる悲しいメロディー

君と手を繋ぎ歩く

そんな姿を描いていた

今は叶わない光景を

映し出す心の映写機

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