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14-半殺し状態から希死念慮発作へ

※閲覧注意
やや重めの内容です。
過去の最大級トラウマと向き合わなければならず書いている自分も辛かった……

【前回のお話】

(1043字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)

 辛い日々は、その後も続いた。
 休みは相変わらずほとんど無く、毎日残業した。

 働き始めて1年近くなるというのに、一向に正式な社員契約はしてもらえず、お給料も少ないままだった。
 少しでも貯金をしようと思い、食費をぎりぎりまで切り詰めて節約していた。

 体重は激減。
 身体は段々と衰弱していき、それにつれて仕事の失敗も増えていった。

 会社ではどんどん孤立していった。
 家族も友達も側におらず、相談相手がいなかった。

 いや、電話をかければいくらでも相談は出来たのだろう。ただ、
「こんなことをするのは情けない」
「家に心配をかけるのは社会人失格なのでは」

という思い込みが自分をより一層孤独にしてしまったのだ。


 仕事を終え、真っ暗なアパートに戻る度に「なんで私はこんなにも出来が悪いんだ」と自分を責め続けた。

 限界まで頑張っているのに。
 弱さと向き合い続けているのに。

 なのになぜ。

 なぜちっとも成長していないのだろう。
 それどころか、状況が悪化しているのはなぜだろう。


 なぜ。

 なぜ。

 なぜ。


 昔の私は、のらりくらりと過ごしていたのだ。
 だから周りと比べ、大きく劣っていた。

 でも今は違う。
 私は改心したはずだ。
 実際、ほぼ休むことなく毎日努力している。

 なのになぜ、何も変わらない?


 なぜ。

 なぜ。

 なぜ。


 気が付けば、いつの間にか感情でさえ失っていた。
 喜怒哀楽が分からなくなった。

 嬉しいってどんな感じだったっけ。
 笑顔って、どうすれば作れるんだっけ。

 私は今、悲しいんだっけ、辛いんだっけ。
 何を目指していたんだっけ。


 ああ、ひょっとしたら、私は生まれつきのダメ人間なのかもしれない。
 一生、人に嫌われる運命なのかもしれない。

 きっとこれから先もずっとずっとひとりぼっちなのだ。
 周りから邪魔な存在として扱われ、愛されないまま苦しんで死んでいくんだ。


 せっかく休日をもらえたとしても、何も出来ずカーテンを閉めたままベッドでひたすらぼーっとしていた。

 そして時折、堰を切ったように突如大声を張り上げて泣いた。


 ついにある日、自分の中で何かがふつっと切れたような気がした。

 (どうせあがいても私は変われない。良くなんてならない)

 妙に落ち着いていた。
 心が異様に静かだったのを、今でも覚えている。

 (ならばいっそのこと、全て諦めよう……
  この無意味な人生を終わらせようーー自分の手で)


 無機質な天井を仰ぎ見、私は静かに祈った。

 「神様、この世の人生はもうこれで十分です。
  もう十分ですので、私を迎えにきて下さい」

 そして、携帯を握りしめ家族と友達にショートメッセージを一通送った。

 「さ よ う な ら」

(つづく)

📚静かに殺された理性は、やがて希死念慮となっていく


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