東アジアの歴史と文化が交錯する街〜中国・長春〜
你好!
趣味が海外旅行の社会人です。
2011年僕は中国長春へ留学した。
僕が中国留学していたことを知ると
「中国のどこに留学していたんですか?」
と聞かれるが、正直回答に困っている。
なぜなら吉林省長春市なんて聞いたこともない人が大半だから。
歴史好きの人なら
「あー、元満州の新京のところね!」
と反応してくれるが、ほとんどの人は知らない。
だから僕も
「元満州のところです」
「朝鮮半島に接しているところで、北朝鮮やロシアの近くです!」
と補足している。
正直、わざわざ長春に行っても観光するところはほとんどない。
何もないからこそ居住に適した?帰ると落ち着くそんな地域だと思っている。
しかし今回のnoteをまとめてみると、日本とも歴史的繋がりがあるし、地理的に見ても朝鮮民族が多い地域であることから、東アジアの文化を感じる一面があるのではないかと思った。
正直、タイトルはかなり聞こえの良い誇張した表現ではあるが(笑)、遊ぶところはなくても、僕の第二の故郷である中国長春を昔の写真を通して紹介します。
(13年前のことなので、今と大分変わっている可能性あり)
東北3省の中で影が一番薄い?
長春市は吉林省の省都。
東北3省には、遼寧省・吉林省・黒竜江省があり、吉林省は東北3省の真ん中に位置している。
僕の個人的な主観ではあるが、東北3省の中でも吉林省は一番影が薄い。
遼寧省の省都は瀋陽。羽付き餃子が有名。
また何と言っても清朝時代の離宮(瀋陽故宮)がある。
そして大連の名を出せば、知らない人はいないだろう。
黒竜江省といえばハルピン!
ハルピンといえば氷祭り!
ロシアの雰囲気も街中に溶け込んでいる。
となると吉林省は?
元満州の新京だったことから、「偽満皇宮博物館」として満州国皇帝・溥儀が生活していた仮宮殿が一般公開されている。
清朝時代、満州族の国として栄えたが、今では漢民族との同化政策により、満州族は絶滅状態。
ある中国の友人は、お父さんが満州族でお母さんは漢民族。しかしお父さんは満州語を話せないらしい。
ある意味、友人は満州族と漢民族のハーフだが、漢語(中国語)と日本語(ペラペラ)は話せるが、満州語は全くわからないとのこと。
また吉林省には朝鮮族自治区がある。
長春でも韓国料理や朝鮮料理には朝鮮族が経営しているレストランが多かった。
中国にいながら、朝鮮文化に触れられるのも面白い。
鳥が丸々一羽入った参鶏湯(サムゲタン)を一人でたった1,500円で食べていたなぁ。
今は韓国焼肉では定番のサムギョプサルも、日本に流行る前からたらふく食べていた。
日本統治時代の面影が残る建築物
韓国に留学したことのある先輩が
「韓国は日本統治時代の建物を全て壊してしまったけど、中国は今も別の施設として再利用している」
という話をしていたのを今でも覚えている。
当時は(今も)恥ずかしながら受験勉強程度の知識で、日本と近代中国に対する歴史の知見は非常に浅いが、僕の生活圏でよく目にした日本統治時代の建物を振り返ってみる。
これらはごく一部で他にも日本統治時代の建物はたくさんあるようだ。
改めて見てみると、過去の歴史はともかく、日本の建築群が今でも使われているのが興味深いし感慨深い。
地政学や歴史学は大人になってからようやくその面白さに気づいた。
何せ当時は、中国での生活と勉強と友人との交流で充実しており、見える景色が日常化されていたため、歴史や文化を感じるのが薄くなっていた。(言い訳)
長春でも日本人は人気?
勝手なイメージで、中国東北地方は元満州の地域のため反日家が多い印象があった。
しかも当時は尖閣諸島の問題を受けて、デモや日本製品不買運動、日本に関連するレストランや工場などを襲う報道が連日行われていた。
しかし実際はその逆で、日本や日本人に好意を持っている人ばかりだった。
日本人だからという理由で嫌な思いをしたことは一度もない。
中国東北地方は吉林大学を始め、日本語学科が有名な大学も多く、日本語を学んでいる学生もいる。
そして日本語学科の学生は日本語が上手すぎてビビる。日本語で日本の全てを学ぶそうだ。
他にも、タクシーや街中などで、僕の下手な中国語を聞くと
「お前はどこから来たんだ?」と聞かれた時に
「日本人」と答えると珍しがられた。
留学生には韓国人がたくさんいたが、日本人は本当に少ない。レアキャラだ。
何せ外国人がいないため、朝鮮民族以外が珍しいんだと思う。多分。
さらには中国人お得意の営業トークとして、
「(他国民と比較して)日本人は礼儀正しいし、教育も技術も優れているから良い国だよね」
と言ってくれる人もしばしば。
悪い気はしない。
中にはご年配の方で日本を尊敬する人もいた。
「中国国内には色々な問題があるけど、日本は発展していて、真面目で礼儀正しい方が多い。私たち中国人は、日本人に学ばなければならないところがいっぱいある」と。
それとは別に、中国人の小学生に日本語の家庭教師を二組引き受けたこともある。
一組目は、以前転勤で日本に住んでおり、子どもは日本の幼稚園に通っていて、母国語より日本語の方が堪能だった。
しかし帰国してからは日本語を忘れてしまったため、子どもの将来のためにも日本語を覚えさせておきたいということだった。
もう一組は、日本とは全く縁のない家庭だったが、一組目の家庭から話を聞いて、うちの子にも日本語を教えてほしいと依頼があり、担当していた。
ご主人が中国の自動車メーカー「一汽」に勤めており、TOYOTAと技術提携していたことから、日本にも馴染みがあったようだ。
ちなみに自家用車はTOYOTA(笑)
教育熱心だなと思うし、何よりも日本という国にマイナスイメージがあるのなら、そんな国の言葉を子供に習わせようとは思わないはずだ。
たまたま僕が日本人で、日本に関心のある方が寄ってくるということもあるが、中国(長春)でも日本人は人気!だと思う。
東北料理美味しいよ!
中国4大料理(北京・上海・四川・広州)に入らないものの、東北料理は本当に美味しい!
冬は極寒のため、油っこい料理も多いが、日本人の口に合うものばかり。
餃子は中国北部の生まれ。中国で餃子といえば水餃子だが、餡の種類が豊富。
豚肉・牛肉・羊肉・白菜・セロリ・海鮮などなど。
日本で定番の生姜やニンニクは餡に入っておらず、お好みで黒酢や醤油とともに別で食べる。
他にも写真にはないが、ジャガイモ・ナス・ピーマンを素揚げしてニンニクと生姜と砂糖醤油で炒め合わせた地三鮮も僕の大好物。
日本人も絶対好き。今でもたまに家で作る。
またインゲンとジャガイモ、ニンジン、スペアリブを煮込んだ肉じゃが的な料理とか、ニラ玉餡を小麦粉の皮で包んで揚げた、ニラましましのおやつもとっても美味しい。
ほっこりする田舎料理的位置付けだと思う。
標準的な中国語に誇りを持っている?長春人
僕は中国語を学ぶために留学した。
留学先を選ぶ基準も
「中国語の発音が標準に近いかどうか」だった。
中国は広いため、同じ中国語でも地域によって訛りや癖が異なる。
日本でも関西弁は標準語に比べて特色があるのと同様に中国語も例外ではない。
それを聞くと
「中国でもっともきれいな中国語(=訛りのない標準的な中国語)を話すのは、ハルピンと長春です!」
と断言する長春人が多いこと。
「北京は訛りがきつくて標準じゃない」
「中央電視台(国営TV)のアナウンサーには(発音が標準という理由から)ハルピン出身者が多いけど、長春も標準です!同じ東北でも瀋陽は大連は、訛りの癖が強すぎる!」(=公に出る人は発音の基準をクリアしなければならない)
と話す人が多かった。
個人的な感覚では、青年世代までは聞き取りやすい方だったかな?
きっと合わせてくれていたんだろうけど。
そういう点で、中国語の学習環境でもオススメ。
日本語を学ぶ学生も多いから、お互いの言語を教え合う相互学習もできる。
まとめ
街の様子などは写真に残っておらず、雰囲気が伝わりづらいところがあったかもしれない。
一年間過ごしたからこそ、何をピックアップするべきか迷ったが、今思い出せる範囲でまとめてみた。
日本帰国後にも長春には3回ほど遊びに行ったが、3回目の2018年に行った時には地下鉄が開通しており感動した(笑)
というか長春の地下鉄に乗ることが一番のメインイベントだったかもしれない(笑)
あとは物価が安いのも長春の魅力!
今は値上がりしていると思うが、
バス料金が一律1元(15円)
タクシー初乗り5元(75円)
缶ビール3元(45円)の世界だった。
北京・上海などの大都市に行けば、タクシー初乗りも10元〜だったような気がする。
長春は冬場は寒いが、室内は25度程度で温かいし、慣れればへっちゃら!
今思えば大人になってからも北京や上海などの有名な大都市には、行こうと思えばいつでも行けるが、長春というマイナー地方都市で一年間過ごせたのは貴重な経験だったと思う。
また何か留学のエピソードがあれば頑張って思い出してまとめてみます。
本日もご覧いただきありがとうございました!
謝謝!
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