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海上帝国オランダの繁栄

オランダと言えばチューリップ、風車や農園などを思い出します。実は800年前のオランダはまだ海浜もしくは海でしかなかった。オランダの国土のほとんどが海より低く、いわゆる低地国家です。欧州に「主が海を創り、オランダ人が陸を造った」という表現もあります。

オランダ独立後100年、このわずか150万人口4万平方キロ面積の小国がいきなり当時世界一の強国となりました。所有していた商船は世界商船の3分の1を占め、海上商業帝国が誕生しました。

なぜこんなに大きな変化ができたでしょうか?

もちろん理由が色々ありますが、その中に無視できないのは、当時のオランダ人があるニシンの燻製道具を発明したことにあります。

欧州人はアジア人と違って肉食が主食でした。中国を例として米を主食の国の戦争が長く、数十年をかけた場合もあります。欧州歴史上の戦争一般的が短く、数日で決着がつきます、半年を超えたのも少ないです。英仏百年戦争は?と思われるかもしれないが、百年ずっと戦っていたわけではありませんから。

この差は食料にあると指摘され、肉と比べ米が保存しやすいからです。

つまり冷蔵庫が発明される前の時代、もし長期的肉を保存できる方法があれば….


オランダ沖には大量なニシンが生息しています、問題はどうやって長期的保存するか。14世紀とあるオランダ人特殊なナイフ(包丁)を発明しました。このナイフは一回切ればニシンの頭を取り、もう一回剃れば内臓を取ることができます。そして塩を撒けばニシンを燻製できます。そうすれば長期的保存できるようになります。

この発明によりニシンの燻製すなわち長期保存が可能となり、一気に欧州各国に輸出され、オランダも自然に一番大きな輸出港となりました。魚を売れば売るほど儲けが大きくなり、これを基盤に色んな事業に投資し、いつの間にか巨大な商業帝国を作り上げました。

金持ちとなったオランダは自然にスペインの命令を聞きたくなくなり、80年間をかけて独立戦争をやって最終独立ができました。この間オランダが既に大量な富と進んだ制度を整え(国の共和制や民間の会社制度や保険制度など)、これらの元に独立後のオランダが再び海外へ出発しました。オランダは欧州において最も早く資本主義強国となりました。日本の蘭学や中国の鄭成功がオランダ人から台湾を奪い返したのも当時オランダの実力の証明です。

オランダの衰退は「欧州の帝国墓場:低地三国」で少し書いた通り、フランスとイギリスに負けたため、歴史から少しずつ消えていきました。特にイギリスと比べ、オランダはあくまでも商業帝国であり、イギリスのような工業帝国ではありません。

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