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TRFスキル・ステップ❻〜下腹部に押し込んだ仙骨を回旋・落下させる〜

TRFスキルの目的は「腱の弾性エネルギーを活用して、筋肉による代謝エネルギーの消費を抑えること」にあります。

しかし、ただただ身体を回旋させ、落下させるだけでこの目的が達成できるかと言われれば、もちろんそうは問屋がおろしません。

回旋させるにも、落下させるにも、それなりの「技」、つまりスキルが必要になります。

今日お話しする内容も、その「技」を高めるために欠かせない身体操作になります。

このような「技」をお伝えする場合、どうしても感覚的な表現が多くなってしまいがちで、それ自体は一定程度仕方のないことだとは思いつつ、もちろんこれを読んでいるあなたにまるっきり伝わらないような一方通行の表現にならないようにも努めてますので、できるだけ具体例などを提示しながら、腑に落としていただくきっかけになれば嬉しいです。

それでははじめましょう。

下腹部に仙骨を押し込む感覚

のっけからすいません…。「下腹部に仙骨を押し込む感覚」だなんて、まるっきり理解不能ですよね。

ただこの身体感覚って、ここ数年ずーーーーーっと僕の中にあった感覚で、この感覚が出せた時はすごく脚の力み感が抜けて、胴体の動きに脚が追従する感覚がある。そのときってすごく脚が軽いんです。

ただ、この感覚をなかなか再現できてなかったんです。あれ、あの脚が軽くなる感覚ってどうやって再現するんだっけ?と。

しかし言語化とは面白いもので、このタイトルのように「下腹部に仙骨を押し込む感覚」と言語化し、それを意識すると、すぐにこの感覚を再現できるようになりました。

とはいえ、走ってるときにずっと再現できるかといえばそうともいえず、LTペースくらいであれば再現できるんですけど、それ以上のペースになるとどうにも脚の動きが大きくなって、この感覚が消失してしまいます。ここはまだ修業途中。

では、なぜこの「下腹部に仙骨を押し込む感覚」ことを意識することによって、脚の動きが軽く感じるんでしょうか?

理論的には「仙骨のニューテーション」がポイントになるかと。ちょっと難しい言葉が出てきましたけど、要は「腸骨後傾して骨盤全体をニュートラルポジションに整えた上で仙骨を前傾させる」ことによって、仙腸関節は構造的に最も安定した状態にすることによるものなのかな、と。

「腰を丸く、胸を前に」の感覚ですね。この動画をご参照ください。
https://youtu.be/TiPLGZEYQtc

僕はこの状態を「仙腸分離」という言葉で表現してます。腸骨は後傾、仙骨は前傾させますから、それぞれが分離するようなイメージですね。

仙腸関節に関しては下の画像をご確認ください。

仙腸関節 ※Thanks to Visible Body

仙腸関節は、二足歩行する僕たち「ヒト」の要です。ここが不安定だと二足歩行そして二足走行のパフォーマンスは低下します。逆に言うと、この仙腸関節をいかに構造的に安定させるか?がものすごく重要。

そのための身体意識が「下腹部に仙骨を押し込む感覚」なんです。

腹圧をかけて膨らんだ下腹部の中に、仙骨を押し込むイメージ。僕の中では、これが「腰が入る」ということなんじゃないかと考えてます。

これ、ぜひ、手の動きで誘導すると感覚が掴みやすいかもしれませんので、動画を撮影しました。

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員