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ポイントワークはより個人の感覚に寄り添う

ポイントワークはより個人の感覚に寄り添う

SDA(セーフダンスアソシエーション)の下にて、ポイントワーク for SDA スペシャリスト養成コースを実施しました。

きっかけは。
SDAの主催するバレエ安全指導者資格の講習の中で実践講習の講師を3期ほど勤めているのですが、その時に僕はいつも「ポイントワーク」を紹介しています。現場で指導にあたる先生から好評価をいただいたこともあり、コースにしてみたらそうか!と話が膨らみました。

今回は8週間。
毎週日曜日で7日間( 計38.5時間)の講習となり、ポイントワークの基礎を理解しつつ広めていただくための『ポイントワーク ベーシックfor SDA』がどうにか形になったかなと思っています!!

途中でかなり葛藤したのが。
現実的で立証でき確認可能な事と、頭の中の想像や、そう感じるっといった感覚のみで立証できない事の棲み分けでした。

ポイントワークを作るにあたっては10年ほどを要し。
解剖学の参考書や人体骨格との睨めっこと自己感覚の研鑽を何度も行き来し、自信を持って伝えられる情報に絞り込んでいるつもりでしたが、僕の経験やキャリアでは、いわゆる医師や医学の持つエビデンスというものには到底及ばず、身体について言い切ることは誤解や無知をさらし、結局はポイントワークの信憑性を失うことになりかね無い。

その事に気づけたのは。
SDAの下であったからこそ。だと思います。SDAでは、国家資格を持った医師の先生方と連携し、しっかりとしたバレエ安全指導資格が作られています。今回のコースがそれと情報が食い違ってしまってはメソッドとは怪しいものになります。

結果として。
ポイントワークでは、現実とイメージを切り分けて扱い、最優先に個人の感覚にフォーカスを向ける事になりましたつまりその人が「どう感じているか?」です。

それにより、正解というものからは遠ざかったと思います。
その代わりに「そう感じる」には正しい正しくないの代わりに、紛れもない個人があります。

確実に言い切れたり、データ化可能な実際とはまた違った個人の現実を受け止めることができるようになりました。ポジティブな意味で曖昧を取り込めたと考えます。

そもそも。
人間というのは、自分が思っているほど自分の身体を使いこなせてはいないし、分からないことをたくさんしているだからこそ、実際とイメージをいつもすり合わせていく必要がある。ポイントワークはまた一周して「1番身近な自然は身体だ」のフレーズに帰ってきました。

ポイントワークは自然の風景、空に浮かぶ雲や、満ち引きする海の波のように身体を見つめ直すメソッドです。

写真撮影 中谷広貴

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