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『異動辞令は音楽隊!』

◆あらすじ◆
犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司は、コンプライアンスばかり気にする上司と衝突してばかり。昔ながらの強引な捜査はもはや許されず、アポ電強盗事件を一緒に担当する部下の坂本からも違法すれすれの捜査を厳しく非難されてしまう。そしてついに事実上の左遷とも思われる警察音楽隊への異動を命じられる成瀬。すっかり不貞腐れてしまい、はぐれ者だらけの隊員たちともまるで打ち解ける様子のない成瀬だったが…。

人生に正解も不正解も無い。

何がどう転んで新しい自分を見つけられるか分からない。

この主人公・成瀬は完全に昭和のデカを引き摺って生きてる化石だ。
誰かに否定される事を一方的に跳ね除け直ぐに声を荒げたり物に当たったりばかり。
そう言う自分至上主義者は自分を客観視出来ずにそこから抜けられない、時代遅れの遺物と化す。


自分の手法を通すやり方の選択肢にも考えが及ばず完全に思考放棄だ。

まぁ分らなくもないんだけどね、そのスタンス。
何せ同年代の昭和脳を生きて来たからね。
でも時代は変化するしシステムも変わる。
その中で自分のやり方を主張するならそれなりの背景と説得力が必要なんだと何故気付かないかね?
実力行使で疎まれ始めたらその先は【排除】なのだよ。

そして自分は組織の一駒に過ぎず抵抗する術も無い事を知る。


でも、この作品は"人はどんな状況でも成長出来るんだ"と教えてくれる。
そして環境が運んでくれた"変る切っ掛けを見つける眼"を持つ事。

物事を多角的に観て【咀嚼】するってホント大事なんだよなぁ。


で、今作は高齢者介護や認知症など日本が抱える問題にも目を向けてる。
成瀬の認知症の母に対する目線や言動を今の社会とリンクさせ、彼等に訪れるであろう【老老介護】と言うキーワードにまで考えを及ばせてる様に思う。
課題を抱えた高齢の母と初老の息子の二人暮らし家庭の姿をどう感じるのか?
その点でも成瀬は何かを見つめ直す必要がある事をスクリーンは語る。


結構好きなフレーズ多かったけど・・・
先ず渋川清彦❤︎の「お前、ラフィンノーズとか聴くの?」で持ってかれたー♪


清野ちゃんの「アナタみたいな男性いつも相手してるんで怖くないんです!」も名台詞! 『警察24時』で取材されてた女性警察官を思い出したよ。毅然とした態度はとても大事!

酒向芳さんも素敵だったなぁ。いつも演じるキャラの個性に隠れちゃうけどめちゃくちゃスタイルいいよね!


刑事部屋も音楽隊もちゃんとそれぞれメンバーの背景やキャラが立ってて解り易い映画でした。

とにかく阿部ちゃんの自己中爆進刑事ぶりが凄くてちょっと退いたわwwww。


でも、初挑戦のドラム頑張ってたなぁ!

2022/09/06


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