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『メランコリック』

◆あらすじ◆
名門大学を卒業したものの、その後は暗い日々を送っていた1人の男性。そんな彼は、ひょんなきっかけから銭湯でアルバイトを始めることとなる。やがて、男性はその銭湯が閉店後に人殺しの場として利用されていること、さらに同僚が殺し屋であることを知る。



公開時、近所で上映されなくて諦めた作品。短期上映してたからようやく観られた。(撮影が浦安だった事で地元上映だそうだ。銭湯の住所『猫実』だったわww)
低予算なのに凄く素敵な作品で最後は目頭が熱くなったよ。

バイオレンスでサスペンスで裏稼業で家族で愛で…

でも1番ココロに来たのは【友情】だった。
銭湯で働く正反対の男と男。
本来なら知り合う筈のない別世界に住むこの2人に芽生える友情が実に自然に緻密に描かれてて今もちょっと涙出てくる

誰もが抱えた裏事情。

知らなくていい事。
踏み込んじゃならねぇ世界。
興味すら持っちゃいけない。

遣るなら覚悟を決めろ!

裏稼業に1度でも踏み入れたら
悪に1度でも手を染めたら
もう悪の連鎖からは逃れられない。


「アイツを抹消したらTHE ENDなら200年前にやってる」

この台詞には吹き出すくらいにもの凄く納得(笑)

 アイツ↓↓↓↓↓↓

もう【唯の人】にはなれない。

危うきに近付いちゃいけないのは気の弱い一般人だ。
肝が座ってるヤツならもしかしたら誤って踏み込んだその世界でも覚悟決めてのうのうとやってのけるかもだけどね。

そもそも一般人でも危うさを感じ取る能力のある君子は近付かんのよなぁ。

案外、大人しく見えても実は自己中で『注目されると気持ち良かぁ』なタイプが余計な事に首突っ込んでく。
この主人公が東大出たのも案外そんな感じじゃないのかな?
高校の時は頭が良くて東大間違い無し的にチヤホヤされて、でもいざ合格して東大入ったら自分レベルは五万と居て一気に目立たなくなり意気消沈。
で、卒業してもバイト暮らし…
優しい親で良かったなぁ。

まっ、全て世の中のせいにしてる呆れたニートよりはマシだった。

そして、裏稼業コンビの小寺と松本。
この2人がもの凄くイイ味出してて、なんか普通に知り合いたい程にイイ奴らで自分達の生きる世界、領域をちゃんと心得てるクレバーな奴等。

と言うかアクション素晴らしかったのよ❤
シーンとしては短いんだけどなかなかの見せ所になってた。

この作品に携わってる俳優達は結構ちゃんと演技を勉強して来てるみたいね。


そんな登場人物たちの背景や心理描写も巧みに描かれてて極ナチュラルに入って来て気持ちの良い映画だった。

どのシーンも見逃せない感覚が充満してる。

そう【素敵】と言う形容がしっくりくるな。

人の温かさを知った殺し屋はその後どうなるんだろうか…
観終わってみればとても"MELANCHOLIC"だったよ。
文字通り『なんか考えちまうなぁ…』的に⁈

日本の映画界にもこー言う作品作れるチカラのある人達が居るんだなぁ。
期待大だね!(^^)!

でも、こうやって見ると犯罪や違法行為は直ぐ隣にあるんだなって思うわ。

皆んな君子になれー!


2020/01/17



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