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『パラサイト 半地下の家族』

原題「

◆あらすじ◆


※完全にバレてはないけどネタバレ的かも…


あの余りにもリアル過ぎる半地下住宅やあの豪華なセレブ邸宅や街並みも全て道以外全部セットなんだとさ。凄いなぁ・・・。

半地下と言う設定は韓国の資本主義による格差社会が生んだ本当の貧困層の暮らしらしい。

1960年代に北朝鮮の挑発が頻発になり韓国政府は地下をいわゆる防空壕の様な役割で何かあった時には避難場所として義務化したそうだ。

1975年頃から急激なソウルの人口増加による住宅不足をこの地下を半地下にして住まわす事によって解消するべく貸し出されたらしい。

その環境の劣悪さはこの映画を見ればわかるが半地下と言う条件な為自分達の生活目線が道路と同じ高さでその高さに窓が設置されている。
あの立ちションはマジ勘弁してくれって思ったけどねww。

それと可笑しかったのは半地下生活で既にwifiを上の住宅にパラサイトしてるってトコからスタートするんだから「もう寄生始まってんジャン!」ってツッコんだしww

このトイレが何故天井に近い場所に在るかと言うと水栓は場所が変えられず浄化槽とほぼ同じ位置にあるらしい下水の逆流を防ぐ為ここから動かせないと言う事らしい。
このトイレが後半の水害シーンで大活躍??するのはもう予測出来なかったよ・・・オエッ。


韓国映画のオモシロイ所は同じ様なテーマを笑い要素は全く無く描かれた『万引き家族』とは違いソン・ガンホの父親役を筆頭に何処かユーモラスな4人家族の描写だな。韓国映画の醍醐味ww

だから、あの豪邸の形状はまるでドタバタブラックコメディの舞台観てるみたいだったなぁ。家が馬鹿デカイ窓でぶった切られた様な作り。庭が観客席みたいな感じ。最後の坊ちゃんのテント設定なんてマジそれだよね。観客に坊ちゃん目線を想像させるのが素晴らしい!坊ちゃんが突然起きて来てこの窓の内側で起こってる事を見てしまうんじゃないか?って。

そしてこの映画のもう一つの決定的オモシロイ要素【パラサイト】の5段活用とでもいうのか?あの段階を踏む進行ぶり。

韓国の国的背景、そこに貧富の差と匂いを絡ませた演出・・・巧いなぁと思った。
生活水準の差って確かに見た目の要素は大きいと思うけど匂いってあるよね。貧困だと例えば洗濯だって毎日出来ないとか家の中が洗練されてない分色んな匂いが混ざり合ってるとか、この映画で言えば恐らくあの表現だと【饐えた臭い】なんだと思われるわけで・・・それ解るわぁ〜って思っちゃった。


あの家族も内職やアルバイトで食い繋いでたけど頭も良く受験はすれど貧乏で大学に行けない長男の家庭教師話から5段活用がスタートする。なまじっか頭が良かったせいで結局最終的に家族に降りかかる災難と言うか事件。
あの【パラサイト5段活用】の5段目の全貌が明らかになった時には「マジかっ!」ってココロの中で叫んだよね。

まさか半地下以上のものがあるなんて・・・

あのシーンで「リスペクト」って言葉連発されてたんだけどあれはもう完全にあのリッチ家族を神と崇めてる系でしょ?あのリスペクトは「尊敬」とかじゃなくてもう「崇拝」じゃん!
恐いよね、気付かない内に自分も存在を知らない地下部屋で自分を崇め捲って生活の一部として機能してるなんて・・・おっそろしいわ。

コンクリートの壁に囲まれた中で蠢く地下生物・・・ビタミンD不足で新しい骨が作られないぞ!!骨粗鬆症間違い無しだぞ!!

そんなこんなで喜劇の体を装いつつ、まぁサスペンス色を強めて行くよね。
ポン・ジュノ監督やっぱ只者じゃないわ。それを思うとNetflixのジェイク出演『Okja』観たかったなぁ・・・残念だよ、ホントに。

で、エロチック部門とか流血部門も韓国映画らしい生々しさで見応えを呼ぶのよ。
ホントこういう所、堪らなく好き。
あと、韓国の結婚式の食事(ビュッフェ式で誰でも入れる)に何かと潜り込むの好き。


この作品がオスカーにノミネートされた意味は先進国に広まる国民の経済格差、世界的に同じ現象が起きていると言う事。他人事じゃない!

ラストは自分の国に興味を失ってはダメだと言ってる様にも思えた。

諦めるな国民!!


2020/01/19


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