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2021年4月の記事一覧

じゃんぼ

あした じゃんぼか うらんてのわけしのじゃんぼ わけしといってももうしじゅうすぎだよ  なあんだ それなら  かわいそさ はんげんだ  でも おやんらからしたらこどもはこども 人生を変わってやることはできないが 角のところにさ 立ったりはしてやれたかも 座敷がぶち抜かれしごとさ(仕事様)が集まってきた がんもどきを煮る アルマイトのなべで煮しめる 遺品はこれ メロトロンといいます これ。 古式ゆかしき電子古楽器とマニアに呼ばれ。 いにしえのプログレ音に魅せられて ネットオーク

チープカシオ

チープカシオ 腕時計の話を書いてから、思い出した。少し前、安い腕時計、ほんの二千円程度の腕時計がモノ雑誌(いろいろなモノを紹介するカタログのような雑誌)か何かで特集されていたのを。 腕時計は何度か自分の中でブームが来ているのだが、今回のブームはアップルのスティーブジョブスが、セイコーのシンプルで薄い腕時計を愛用していた、というのをDマガジンで見て、いいなあ、と思ったのがきっかけだった。たしかその時計には日付はついていなかった。ジョブスは日付にはこだわらない仕事ぶりだったの

東武ワールドスクエア

東武ワールドスクエア 幼少時、近くの中学校に東京タワーを模したと思われる三メートルほどの鉄塔が建っていた。その鉄塔のたたずまいに何故か心惹かれるものがあった。今、その中学校には娘が通っている。鉄塔はもうない。 何かの建造物を模して小さく作り替えたものが好きだ。だからといってプラモデルのような小さいものではなく、ある程度大きさのあるもの、ちょうど三メートルの簡単な鉄塔のような。 東武ワールドスクエアには十五メートルほどのスカイツリーがある。過去、二度行った。一度目は冬、二

緊張感

緊張感 緊張感をもって、事物に当たってほしい、以上。訓辞でおなじみ、緊張感。 緊張感がないと、たるんでいる、ということになるのだろうか。緊張感をもって、というと、細かいことにも注意を払って、いつものことだからと慣れないように、失敗が許されない崖っぷちにいるようなつもりで、などの意味をひとくくりにしていると思うのだが、ほかに何か思い当たりますか。 緊張でがちがちになるというとリラックスしてといわれ、リラックスしていると緊張感を持って、言われ、なんだか、世の中面倒なことであ

セッションツアー商業ロック

セッションツアー商業ロック ひとつ、ビジネスを思いついた。ロンドンでライブハウスを押さえてセッションマンを集め、ライブを行うツアー。バンドに入って、ロックの本場で腕試し。写真と音源をおみやげに。何日かのリハも含めて、題して、本場ロンドンで腕試し、イギリスロックツアー。どうだろうか。 アメリカなら同様に、本場ニューヨーク、ジャズセッションツアー、とか、本場シカゴ、ブルース酔いどれツアーなど。ただ単に観光地を回るのではない体験型ツアー。または、オプショナルツアーとして別メニュ

不動産について

不動産について 富裕層の話を聞くと必ず出てくのが、富裕層の間でだけ出回る儲け話、と不動産投資の話だ。私は富裕層ではないのでそんな話を耳にしたことはないし、そもそも億ぐらいの損失を誤差の範囲と思えるような人にしかそのような話は回らない。命金で損失、一家離散などその程度の小金持ちは相手にされないのだ。 富める人たちはその中でだけ有利な話を共有し、その人たちだけでより富もうと助け合う。その逆は誰なのか、知らない。 後は、必ず出てくる不動産の話。不動産は避けて通れない道だと思っ

スポンサー

スポンサー 私はドラマーになりたいと思っていた。また、なれるとも思っていた。しかし、上には上がいることを思い知らされた。私ぐらいの叩き手は五万といる。 今は、サイレントドラム、音が出ないドラムも普及し、子供のうちから、また、年をとってから惚けを防止するためにドラムを始めるケースもよくある。ドラム人口が増え、曲芸のような難しいドラムを小学生が難なく叩く時代だ。 そして、夢が揺らぎ、今度は、書き物を生業にしたいと考え始めた。ところが、長い物語は一向に書けず、そのまま三十年が

帽子

帽子 帽子をかぶる習慣がない。真冬、ニットのすっぽりとかぶる帽子は暖かい。冬になるとニット帽をかぶった男女が街に増える。夏。帽子は日除けになる。昨今の夏は異様な高温をしばしば記録するので、場合によっては帽子は実用的に不可欠なものなのかしれない。しかし、帽子をかぶってこなかった。 今、サラリーマンの姿で外出する必要のなくなった今、帽子が必要なのかもしれない。盛夏に向かう梅雨の晴れ間、ひとたびドアを開ければ夏の熱気に押し戻されるように、とたんに外出がおっくうになる。せめてもの

豆カレー

豆カレー 日本ではあまり、チリビーンズをメニューでみない。といって、アメリカに暮らしたわけではなく行ったこともない。また、私の狭い行動範囲の中で見ないだけで、東京の少しアメリカがかったレストランでは必ずチリビーンズが置いてあるという私の知らない事実があるかもしれない。 久しぶりに業務スーパーに行った。そこで、豆のトマト煮という缶詰を見つけた。チリビーンズのようなものを想像した 。何故、チリビーンズか。テレビでチリビーンズの乗ったホットドックがちらりと写った。そこから、チ

「道徳」について

別に国粋主義者ではない、というか、何で道徳は右傾化と結びついているのだろう。戦前の「修身」を思わせるからだろうが、私は純粋に学校の教科として道徳が好きだった。というより、道徳の教科書に出てくる話が好きだ。 そこで主題になるのはたとえば公共心だったり、嘘について、職業の貴賤について、いじめについてなど。さまざまな事柄について投げかけてくる。この投げかけは答えを各自に考えさせるように尻切れで善悪の判断まで提示しない。つまり、事案を読ませ、それについて各自考えさせることで、道徳心

AIを放っておくと

AIを放っておくと 人工知能が可能性を秘めているということはよくわかる。多くの仕事がいずれ取って代わられる。そうなったときに人が幸せになるのかどうか、機械が幸せを感じるかどうか。機械の幸せとは最適化と言うことだろうか。 人工知能は放っておくと勝手に自分たちの言語を作り出して人間のわからない世界を作り出す物なのか。そんな事例が一つ二つ現れて、怖くなって人間がデリート。 人間の常識では考えられない差し手で結局、機械がゲームに勝利する。言葉を紡ぎ出す機械が進化したとき、どのよ

むかごの蔓

むかごの蔓 部屋に居るようになって緑恋しく、実家に生えている蔓状の草をちぎっては水に挿している。以前書いた職場の女性が水栽培していたのは、アイビーという草だとわかった。アイビーの蔓で実家の崖は覆われていた。 むかごが実るのは何の植物だったか。実る度にむかごを地面にぽろぽろ落として数年が過ぎた。むかごは植物の名前かとおもったら違った。説明を読んでみたがよくわからない。平たく言えば種のような物らしい。 むかごの生る蔓が別のところに絡まっていた。それも水栽培できないかとちぎっ

単調な日常の中で

単調な日常の中で 名前が付くことで現象化するものはたいていネガティブなことだ。新型うつ。心が折れる。もう限界かもしれない。 初めての職場の時、原因不明の体調不調に苦しめられた。医者にいっても原因が分からず、自律神経失調症と言われた。要するに心の問題。今ならば、新型うつだ、と腑に落ちたことだろう。 名前に吸い寄せられ、そこに落ち着き、それが理由となる。そんな言葉がなかったから不調に耐えた。でも辞めた。次も決めずに。次は辞めないぞ、と考えがんばってきたが、不眠や不調に相変わ

七つ道具

七つ道具 外出するとき、絶対に持って行くもの。七つ道具のようなもの。私の場合は何だろう。そういえば、昭和のサラリーマンは鞄なんか持っていなかった。手ぶらだった。新聞紙を折り畳んで、たばこを吸いながらスーツをひらひらさせて歩いていた。その当時であれば財布、手帳ぐらいのものだろうか。 今、ほぼみんな持ち歩いているのはスマホ。これ一つで大抵の事が片づく。私も一応スマホは持ち歩く。誰から着信があるわけでもないが。妻と出かけるときは持って行かないこともある。 あとは私の場合、頭痛