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単調な日常の中で

単調な日常の中で

名前が付くことで現象化するものはたいていネガティブなことだ。新型うつ。心が折れる。もう限界かもしれない。

初めての職場の時、原因不明の体調不調に苦しめられた。医者にいっても原因が分からず、自律神経失調症と言われた。要するに心の問題。今ならば、新型うつだ、と腑に落ちたことだろう。

名前に吸い寄せられ、そこに落ち着き、それが理由となる。そんな言葉がなかったから不調に耐えた。でも辞めた。次も決めずに。次は辞めないぞ、と考えがんばってきたが、不眠や不調に相変わらず悩まされた。それでも二十年は耐えられた。

そのあと、だんだんもう限界かもしれない、と思いながら、何度も、心を折りながら七年持ちこたえた。そこに提示された早期退職金が「もういいだろう」と私の耳元でささやいた。

そしてみんなが「あいつ、仕事やめるってよ」と噂し、そして私は仕事から退いた。なんと月並みな話だろう。本当にあれふれた、お定まりのルートにすとんと乗っかっただけに過ぎない。客観的にみれば本当に陳腐な「リストラ」物語だ。

ただ、退職勧奨はされていない。勝手に辞めたのだ。辞めさせられた、というわけではないと言うことは言っても仕方なくどうでもよく、負け惜しみめくのだが、せめてひとこと言わせてほしい。

自分が思い入れるほど自分が組織に不可欠な存在ではない。ある程度の大きさの組織はそういうものだろうとわかっていた。つまり熱狂からほど遠くいつも覚めていた。なのに未だ仕事の夢ばかり見ている。単調な日常を過ごしていく中で。


というのが退職半年後くらいに書いた気持ちで

仕事に未練があったことがわかります

結構本気で上を目指してました 途中まで

今は上も下もない世界の住人です


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