大殿筋を臨床に活かす
起始・停止・支配神経
起始部の違いにより浅部・深部線維に分けられる
浅部線維
【起始】 腸骨稜、上後腸骨棘、腰背筋膜、仙骨、尾骨
【停止】 腸脛靭帯
深部線維
【起始】 腸骨外側面で後殿筋線の後方、仙結節靭帯、中殿筋の筋膜
【停止】 大腿骨殿筋粗面
【神経支配】 下殿神経(L5~S2)
解剖・機能の特徴
・機能的に上方線維・下方線維に分けられる。
・上方線維は股関節の外転作用
・下方線維は股関節の内転作用
・姿勢の変化による大殿筋と坐骨結節の関係
立位:坐骨結節は大殿筋に覆われている
座位:坐骨結節が覆われない
臨床では、座位時に坐骨結節部で疼痛を訴える症例に遭遇します。原因が坐骨結節に付着する筋肉だけであると思いがちですが、大殿筋のタイトネスや柔軟性・滑走性の低下が原因で、座位時に坐骨結節上に大殿筋が圧迫されることで疼痛を感じる症例もあります。大殿筋の柔軟性や滑走性を改善することで、座位時の疼痛が速やかに解消されることがあります。この疼痛には、大殿筋だけでなく、坐骨結節に付着する他の筋肉や滑液包の問題も考慮する必要があります。
働き
伸展・外旋・外転内転 骨盤の後傾 腰背筋膜の緊張を調節腰部の安定化
歩行において
踵接地に最もよく働く(骨盤や体幹の前傾を制御する働き)
拘縮の見方
股関節開排位から内転可動域をチェックする
恥骨を超えれば陰性、越えなければ陽性
ここから先は
2,774字
/
6画像
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?