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第142回MMS(2017/01/13対談)「成功報酬型システム開発でスタートアップエコシステムの一翼を担う」後編 株式会社ブイ・フォース代表取締役 佐藤 光一さん

⇒前編からの続きです。

●マイクロモノづくりについて

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三木:後半は我々マイクロモノづくりという考えに基づいて事業を行ってるんですが、実はブイ・フォースさんもマイクロモノづくりっぽい考えのシステム開発会社さんかなと思っていて、レベニューシェアは小さく始められることとかあると思うんですけど、何かご自身の会社で意識している指針とかありますか?そういうマイクロモノづくり的な小さく始めるとか

佐藤:全体的にスタートアップの土壌がそうあるべきなのかなとちょっと最近思ってきていて、孫泰蔵さんが提唱するエコシステムっていう考え方がたぶんそれに…

三木:どういうことですか?エコシステムって。

佐藤:何かやりたい人に対してプロフェッショナルがローカロリーでそれを作り上げるっていう、それがエコなんじゃないかっていう考え方が…もちろん経理的なところもあれば資金調達みたいな経営的なところもあれば、僕らみたいに開発もあれば、マネジメントもあればっていう、そういう人達がローカロリーで集まって作るっていうようなそういうシチュエーション…

宇都宮:結構ハイカロリーじゃないですか(笑)?

佐藤:(笑)でもそれにフルコミットしてしまうんじゃなくて…

三木:薄く携わるみたいな?

佐藤:能力の提供は100%やるんだけど、そこにあんまり稼動をかけるというわけではないというような感じ。

三木:アドバイス的なっていうことですか?アドバイザー的な?

佐藤:そうなるとちょっとあれかもしれないですけど。

三木:例えばブイ・フォースさんの能力の提供っていうと何かシステムを作ったりとかですよね?

佐藤:そうですね。うちでそれに近いのがシステム開発をレベニューシェアでローカロリーで作るっていう感じになってますね。

三木:レベニューシェアモデルの開発会社とかも増えてるんですか?

佐藤:何社かたぶんあるとは思いますけど…

三木:数年前当時は数社あったと思うんですけど、そんなにブイ・フォースさんほど続いてるような会社はあまり見かけないんですけど。

佐藤:提唱してないだけっていうところはあるとは思うんですけど。

三木:提唱してないだけ?なるほど。そのレベニューシェアの難しいところはどんなところですか?

佐藤:それだけだと僕らも小さい会社なので食っていけなくて、他の仕事もやりながらみたいな。最終的には変な話開発費ゼロで開発して、その代わりレベニューシェアはもうちょっと割合をドカッととかっていうのをやりたかったりするんですけども。

三木:アメリカみたいに市場がでかくてバーンとすごい当たるみたいなモデルが市場だといいんですけど、やっぱり日本のWebサービスって成長してもしれているというか、そこがなかなか日本でレベニューシェアが増えないポイントなのかなと思ってるんですけど。

佐藤:そうかもしれないです。だから僕らのお客さんも今は本当に最初から海外向いてるお客さんとかもいたりとかするので、そこはもう追っかけるのがすごい大変ではありますけど。

三木:追っかけるのっていうのは?

佐藤:僕らもそれこそ英語を勉強しなきゃいけなかったりとか、コミュニケーションが全部英語なんだみたいな。

三木:じゃあその使用言語も英語のサイトを作ったりしてるんですか?

佐藤:そういうのもありますね。作り始めてます。zenmonoも英語対応してますよね(笑)?

三木:そうですね(笑)大変ですね。向こうのエンジニアとかともやり取りしたりするんですか?

佐藤:というのもありますね。

三木:じゃあ開発もグローバルな感じになってきてる?

佐藤:はい。そうじゃないとなかなか太刀打ちできないんじゃないかなっていう…

三木:なるほどね。ハードウェアのほうはまだそこまで行ってないですよね?日本で使う…

宇都宮:もともとでもKickstarterを目指すようなチームもでき始めてはいますけどね。でもかなり危なっかしいんですけど(笑)傍目には。

三木:割と軽く考えちゃって、色んなリスクとかも…

宇都宮:あと時間軸が違いますよね。来年にはもうモノができてるイメージでみんな語るんですけど…

三木:それが2年ぐらいかかりますよみたいな(笑)

宇都宮:2年かかるのを1年にするためにたぶん何百億って必要なわけで、そんなに資本がない方は結構時間がかかると思います。

佐藤:そこはソフトウェアの時間軸とは全然違うなっていう感じはありますね。

三木:違いますよね。だからこそそのヘッドフォンやった人はすごいなと思って。巻き込み力、たぶん彼自身が能力があるというか人を巻き込む能力が強いかなと思います。

●佐藤さんがenmonoに望むこと

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三木:enmonoに望むことっていうのがあるんですけど(笑)

佐藤:製造業とITっていう業界は違えど僕としてはモノづくりというところに特化してモノづくりの人間だと思ってるので、勝手な思いとしては同志だと思ってるので。

三木:ありがとうございます。佐藤さんモノづくり好きですもんね?

佐藤:はい。モノづくりは大好きです。

三木:システムづくりもモノづくり。なるほど。その同志としてのenmonoに望むことは?

佐藤:なので、一緒に頑張っていければというか…

三木:最高です。ありがとうございます。

佐藤:ありがとうございます。

三木:この番組をご覧になっている方はIoTとかも考えてらっしゃるメイカーズの方もいると思いますので、ぜひこういうすばらしい会社がありますので、特にハードウェア、プログラミングの中の組み込みの部分とか、機能確認とかそういったことは意識が合えば手伝っていただけるかもしれないということです。

宇都宮:何か必要なんですか?ブイ・フォースさんに仕事を依頼する時は、最初だと打ち合わせをして、でもレベニューシェアだと投資に近いから事業計画を見せてほしいとかそういうのはあるんですか?

佐藤:それは1回もないですね。

三木:そこがすごいなと思って。

宇都宮:普通投資の世界だと一応それなりの事業計画を持ってプレゼンする世界観じゃないですか?そういうのはないんですか?

佐藤:そうですね。ないかもしれないですね。

三木:一緒にやってる柴田さんはVC出身だけどそういう話は出たりしないんですか?

佐藤:でも基本なかったと思います。

三木:そう。我々とやった時もあまりそういうのを見せた記憶がないんですけども。

宇都宮:どこを見て判断……

佐藤:やっぱりおもしろそうかおもしろそうじゃないかっていう、でもだいたいはおもしろそうなんですけど(笑)

宇都宮:つまんないのもありますよね?

佐藤:いや、そう言われるとないかもなと思いますけど。

宇都宮:これはちょっと他でやったほうがいいよねみたいな…

佐藤:そうですね。ちょっとうちだとオーバースペックかなっていうのはもちろんあったりとかするので。

三木:最近だとフィンテックとかが多いんじゃないですか?

佐藤:そうですね。セキュリティー的に完全にちゃんと作り込まなきゃいけないみたいなのだと、うちのリソースだとまかないきれないんじゃないかなとか思ってお断りしたのはありますけど。

三木:フィンテックがらみだとサイバー攻撃が受けやすくなりますからね。そのアクセスに耐えられませんみたいな。

佐藤:そういう体制を作れば全然いけるとは思いますけどね。

三木:向こうのお客さん側にやってもらえばいいと思いますけどそこはどうですか?

佐藤:そうなるとそれなりに費用がかかったりとかするので…

三木:プロトタイプまでは作って、あとはお客さんが回すとか…

佐藤:とかっていうであれば全然もちろん関われるかもしれないですね。

宇都宮:人材募集ってどういう人を募集されてるんですか?今。

佐藤:エンジニアさんですね。

宇都宮:どういうエンジニアですか?天才ですか?

佐藤:(笑)天才いればいいんですけど、天才はなかなかいないので。

佐藤:自分達のブイ・フォースのビジネスモデルというかやりたいことに対して共感してくれて、一緒にやっていけるなと思える人であればいいかなと。スキルよりもそっちの人となりというか…

宇都宮:お人柄ですか?

佐藤:はい。(人柄)のほうが重要で、開発経験があればある程度、例えばやってた言語が違うよというのであれば、全然ハードルとしては乗り越えられるとは思ってるので。

宇都宮:でも人柄の良くない人は乗り越えられないです(笑)

佐藤:それはコミュニケーションがなかなか難しくなってくるかもしれないです(笑)

三木:佐藤さんの猛獣使いのようにコミュニケーションが難しいエンジニアをすごいうまく…

宇都宮:そうそう。ソフトタッチでうまくこう…

三木:上手に…

佐藤:キュッとする時はしますよ。

三木:(笑)そうなんですか(笑)?海外の方とかでも大丈夫なんですか?

佐藤:あんまり海外の方はどっちかというとお客さん先とかそういうのなので…

三木:例えば「ブイ・フォースさんと一緒にやりたいです」っていう海外のエンジニアさんが来たら…

佐藤:でもちょっと話は聞いてみたいです。でも海外の方で日本に来てる人は相当もうそこの時点でレベルが高いと思うので。

宇都宮:そう思います。ハードウェア系のエンジニアさんはどうなんですか?募集されるんですか?組み込みとか回路図とか…

佐藤:でももうちょっと増えてくれば…でも回路図までになってくるとちょっと僕らの領域ではないかな。今時点ではですけど、僕らの領域ではないかなと思って、今すぐの募集をかけるつもりはないです。

●IoT、AI市場の動向と理想のAIサービス

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三木:IoT分野の市場っていうのはこれからも伸びそうなんですか?去年の夏ぐらいがブーム的には頂点だった気がしているんですが…

佐藤:手を変え品を変えじゃないですけど、昔はそれこそ組み込みであったりとかユビキタスだったりとか、そういうようなキーワードで呼ばれてたモノが今IoTに若干変わって、ソフトウェアの目線で見ると変わってきてるなと思っていて、もちろんサービスレベルで言うと全然モノが違ったりとかするんですけど、やってることとしてはハードウェアの中に組み込むソフトウェアを作るエンジニアさんっていうような立ち位置でしかない。そこの素養はあんまり変わらないかなと思っていて、それは一定数同じぐらいこれからもあるんじゃないかなというふうには思います。

三木:一方AI系っていうのも案件あるんですか?

佐藤:はい。

三木:具体的にはどんな感じの…言える範疇でいいんですけど。

佐藤:ちょっとそれは言えないかもしれない(笑)

三木:言えない関係の、もう増えてることはある?

佐藤:僕らとしてもそれに取り組みたいなと思ってます。

三木:なるほどね。ある人が言ってたんですが、結局IoTっていうのは現実世界からデータを吸い上げる入口にしか過ぎないので、その吸い上げたデータをサーバーのほうでぐにゃぐにゃしてAIとしてサービスと…そこに一番のビジネスチャンスがあるんじゃないかとおっしゃってる方がいたんですがいかがでしょうか?

佐藤:結局たくさんあるデータをどう加工するかというか処理するかみたいなので、人の手でやると相当時間がかかることが、AIを通してやることでそれがある一定の価値として出力されるっていうのが今あるAIの姿かなとは思ってるので、特にIoTとかとはマッチしやすいのかなとはもちろん思います。

三木:佐藤さんの考える理想のAIサービスってどんなものですか?

佐藤:AIサービスですか?AIサービスがあればみんなが食っていけるみたいな。

三木:そこにはエンジニアがいて…?

佐藤:いや、ちょっと他の人の意見にインスパイアされたりするんですけど、みんなで食べていけるやつ何でしたっけ?名前ちょっと忘れちゃいました。AIがあることでみんなが食いっぱぐれるんじゃなくて、AIが生み出す価値によってみんなが潤うみたいな、例えば衣食住であったりとかはそのAIがもうそもそも作ってしまって、そこにコストはかからずにみんなが最低限生活できるようなところが享受されていて、その上でビジネスが成り立つみたいな…

三木:ベーシックインカム。

佐藤:そうです。ベーシックインカム(笑)

宇都宮:海外でそういう議論が出て議会に案件が上がったりしているそうで……

三木:たぶんどんどん普通のお仕事はAIに5年10年で、特に会計士さんとかもしかしたら弁護士さんとか…

宇都宮:給料高いほうからターゲットにされるっていう…

三木:シフトするんじゃないかなと。要するにドキュメントをベースに、数字とか扱いやすいやつをベースにしてるやつですね。

佐藤:一番はプログラムがAIに置き換わるんじゃないかなとは思ってたりはするんですけど。

三木:その時エンジニアはどうすればいいんですか?

佐藤:だからエンジニアは外で畑でも耕そうかなと。

宇都宮:プログラム言語どんどん昔に比べて進化してるじゃないですか?だってFORTRANとかの時代ってたぶん限られた人しかいじれなかったけど今結構色んな人が勉強してやれるようになっていって、それがたぶんそういうふうに流れているだけじゃないですか?進化していくというか。プログラムをして何かを置き換えたいっていう欲求がある人にとっていい世の中になっていくっていう感じですよね?

佐藤:そうですね。だからクリエイティブなところは必ずなくならないなと思ってるので。

宇都宮:そこは絶対なくならないし。

佐藤:その人が勝手にえいやってAIに投げればそのプログラミング、サービスができあがっちゃったりとか…

宇都宮:のび太がドラえもんに言うようなことですよね。

佐藤:っていうような世の中にはもしかしたらなるかもしれないですね。たぶんそうなるとプログラマーはいらないかもみたいな。

宇都宮:逆にクリエーターは必要であり続けるというか…

佐藤:そうですね。

●佐藤さんの考える「日本の○○の未来」

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三木:最後の質問なんですが、佐藤様の考える「日本の○○の未来」、○○は自分で入れていただきたいんですが。

佐藤:日本のモノづくりの未来ですね。日本は結局モノづくりでしか価値を高められないと思っているので、結局そこをやっていかなきゃいけないかなと思っています。そこを頑張れるような土壌づくりをできたらいいなと思っていて、僕らがそれの一助になればいいなというふうに思っています。

三木:こんな未来になったらいいなというのは何かありますか?

佐藤:高度成長期のモノづくりのやり方というか勢いみたいなのは形を変えてできたらいいなと。もちろんそれは製造業だけの話じゃなくて、ソフトウェアとかアプリケーションであるとか技術であるとか、形は変えてるとは思うんですけど、モノづくりという大きなくくりとしてそうありたいなというふうには思いますね。

三木:そういう高度成長期みたいな…

佐藤:勢いのある日本みたいなのが…

三木:勢いのある日本、そこでのキーワードはどんな…やっぱりAIとかIoTとかなんですか?

佐藤:とは言いつつも、海外のことをちゃんと見てなきゃいけないとは思うので、そういうのをうまく関連性を持ちながら、日本だけで回すんじゃなくて海外と組み合わせてこうなってるよっていうようなそういう世界観が作れればいいなというふうに思います。

三木:海外っていうとAWSみたいな?

佐藤:海外のどこの企業さんと一緒にやるとか…お互いたぶん得意分野が変わってきたりとかするので…

三木:なるほど。ありがとうございます。突然のご対応をいただきまして…

佐藤:ありがとうございます。

三木:IoTに強くなろうとしている、レベニューシェアもお人柄によっては対応していただけるという…

宇都宮:事業計画がなくてもお人柄が良ければ(笑)

三木:佐藤さんの会社でした。

宇都宮:あと案件がおもしろければということですね。

佐藤:そこが一番重要だと思います。

三木:どうもありがとうございます。

佐藤:ありがとうございます。

◆対談動画

佐藤 光一さん

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