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「男子チアリーディング世界一の経験から、日本のものづくり×香り×AIで世界にチャレンジ」Scentee株式会社 服部雄也さん

●ご挨拶と出演者紹介

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三木:マインドフルビジネスストーリー第185回ということで、本日はこちら六本木のScentee(センティー)さんの服部様に世界初の人工知能と香りということでマインドフルなプロダクトの開発のお話を伺っていきたいと思います。今日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。

服部:こちらこそありがとうございます。


●enmono三木との出会いについて

三木:きっかけはFacebookで私が投稿されたこちらのScentee Machinaの記事を拝見して、投稿者の服部さんにFacebookで友達申請して、「すごいマインドフルな製品ですね」っていうことでコミュニケーションして、「こういう番組やっています。出演お願いします」ということで今日の運びになりました。知り合ってまだ2週間ぐらい。

服部:そうですね。初めてお会いしました。

宇都宮:いきなりメッセージが来てどう思われました?変なおじさんから…

服部:(笑)少し一方的に存じ上げてたので、「あ、三木さんだ」って。

三木:そうだったんですか?

服部:たまによくSNSで見てました。

宇都宮:共通の友人がいる感じなんですか?Facebookに。

服部:結構いると思います。そういったのでチラチラ拝見してました。

三木:マインドフルネス系の友人ですか?

服部:いや、たぶんベンチャー界隈の友人。

宇都宮:色々空飛ぶクルマの人とかもいますし。


●男性のチアリーディング部の経験と現在の仕事との関係

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三木:服部さんの簡単なご経歴というか、どういったことを学生時代されていたとか、どういった経緯で今の会社Scenteeさんのほうに入られたとかその辺のお話を伺えればと思います。

服部:元々学生の頃はずっとアスリートとしてチアリーディングをやっていました。

三木:そういうムキムキな外観(笑)?チアリーディングってムキムキな感じじゃないと思うんですけど。

宇都宮:女性のイメージが強いですよね。

服部:チアと言っても応援じゃなくてパフォーマンス専門のチアリーディングをやっていて、人を飛ばしたりとか、こうやって持ち上げたりとか、宙返りしたりとか、アクロバットなチアリーディングをずっとやっていました。

三木:すごいパワーが必要なんですね。

服部:そうです。全員男のチームなんです。

三木:日本における男性のチアのチームっていうのはいくつもあるんですか?

服部:まだ数チームしかない状態ですごく珍しいです。

三木:ご出身は早稲田出身?

服部:そうです。早稲田に男子チアリーディング部があって。

三木:早稲田以外でどういうところがあるんですか?

服部:明治、名古屋大学、首都大学東京とかちらほらある感じです。

三木:まだ歴史的にはそんなに…

服部:浅いですね。ここ2、3年でやっと盛り上がってきた感じです。

三木:なぜその男性のチアリーディングを目指すようになったのか、その辺の経緯をお話しいただければと思います。

服部:元々はチアリーディングをやっていたわけではなくて野球少年だったんですが、怪我で甲子園の夢が叶わなくなっちゃって、悶々とその後も過ごしていたところ、早稲田に入ってたまたまこのチアリーディングに出会って、もう一度これで日本一を、世界を狙えるんじゃないかということで、もう1回情熱が蘇ってきて頑張ってみようっていうので飛び込みました。

三木:その時の部員の人数とか何人ぐらいいらっしゃったんですか?

服部:だいたい50人ぐらい。

三木:そんなにいるんですか?

服部:いました。

三木:それで普通に聞いて男性のチアってよく分からない世界じゃないですか。

服部:そうですね。珍しいと思います。

三木:どういう風なきっかけで勧誘されたというか…

服部:毎年入学式のシーズンに新歓と言ってパフォーマンスをするんです。そこでたまたま演技を見て「何だ!?これは。なんかキラキラしてチャラチャラしてるぞ!」と。「自分の居場所じゃないな。絶対こんなところ入らないようにしよう」って最初は…

三木:自分はキラキラしなかったんですか?

服部:全然キラキラしなかったので、目立たないで平和にいこうと思ったんですけど、何を間違ったか練習に連れて行かれ、「おいしい飯を食わしてやるから」と付いて行ったら、ものすごい真剣に練習していてものすごい汗臭くて、「野球部みたいだな」ってそこで思って、「男子校みたいで暑苦しくていいな」って。

宇都宮:暑苦しいほうがいいんですか?

服部:そうなんですよ。華やかな表舞台のパフォーマンスとのギャップにすごくカッコいいなと胸を打たれ、入ることを決断した感じです。

三木:出身は男子校だったんですか?

服部:全然違うんですけど、何かああいったのが好きで。

三木:そうなんですね。それで世界には男子のチアはあるんですか?

服部:世界でも男だけのチアのチームっていうのは少なくて、混成のチームはあるのでそこに混じって一緒に戦った感じです。

三木:その世界戦があるんですか?

服部:ありましたね。それにも参加させてもらって、その時の体験が今のScenteeにもつながっています。

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三木:どの辺りがその時の体験と?

服部:まずこの会社に参画しようと思った理由が、世界と勝負したいという気持ちがあります。チアの時に世界の舞台で見た景色が忘れられなくて、その時どんな景色だったかって言うと、「よく分からない日本人の変な集団が来たぞ」と色物扱いで見られるわけです。アメリカでもすごい珍しかったので、「何だ!?あの日本人は。男しかいないぞ」。でも自分達のパフォーマンスを通してしっかり結果を見せることでものすごいそれがリスペクトに変わって称賛をされてすごい会場が盛り上がったんです。あの時のガラッと空気が変わる感じ、一体感、「やっぱり日本人ってすごいね」「日本人やっぱ捨てたもんじゃないね」っていうあの時の感覚が僕は忘れられなくて、それをビジネスでもやってやりたいと思って今この事業にチャレンジをしています。

三木:そのチアのほうは世界でも結構なレベルに行ったんですか?

服部:世界でもその時はチャンピオンまで。

三木:世界チャンピオン?すごい。素晴らしい。

服部:まだまだ野球やラグビーやサッカーに比べたら全然母数が少ないんですけど、その時はすごい一生懸命やったのでうれしかったですね。

三木:その大会はどこで開催されたんですか?

服部:アメリカのフロリダかな?アメリカが本場だったので。

三木:それはいつのことですか?

服部:それは大学の4年生かな。引退してOBになってからOBも含めたオールスターみたいなチームで挑んだ感じでした。

三木:すごいですね。OBになってやったんですね。

服部:そうですね。ものすごいチアって面白いスポーツで、1つの構成を作るのに半年だとかもしくはそれ以上ずっと練習をしてきて、でも本番で発表するのってたった2分半なんです。どれだけ練習してきても何十回と技を決めても本番の1回でプレッシャーに負けて失敗をしたら全部意味がなくなっちゃうんです。ものすごいプレッシャーの中やるスポーツ、かつもう1個面白い点があって、誰か1人が少しバランスを崩しただけで全部の演技が崩れるっていうものすごい繊細さも持ち合わせるので集中力がいります。チアの頃からずっと集中とか深いフロー状態みたいなものにどうしたら入れるんだろうっていうのはずっと考えてました。

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三木:それでどういうことをされたんですか?集中力を高めるために。

服部:その時はまだ香りまでは行けてなかったんですけど、具体的には瞑想に近いのかな。例えばチームメイト全員で肩組んだり手つないだりして、そこで全員で目をつぶって深く一度呼吸を落として何も考えず集中したりだとか、もしくは目をつぶりながらひたすら成功のイメージを具体的に鮮明に繰り返し続けるのはすごくやっていて、ものすごくパフォーマンスに影響をしてました。

三木:それがすごい影響するっていうのが分かったんですね。

服部:そうですね。成功のイメージをしっかり集中して持っておくこと、余計なことを考えないこと、今この瞬間に集中することがものすごくスポーツにおいても、それはビジネスにおいても同じなんじゃないかなって思う、1つ自分なりに気づけた最初の始まりでした。やっぱり余計なこと考えちゃうんです。「失敗したらどうしよう」だとか、例えばすごいお客さんの数で圧倒されちゃって飲み込まれちゃったりとか、でもそうしないためには1つ呼吸を落としてその瞬間に集中するしかなくて、ひたすらその練習を技の練習と同じぐらい一流のアスリートとして頑張ってやっていました。

宇都宮:呼吸に意識を向けるっていうのは何かで知ったんですか?

服部:経験を通してその頃は気づいてましたね。

三木:その頃はたぶんまだマインドフルネスって言葉がない。

服部:たぶんそうだと思います。今思うとそうだったのかなっていうような。

宇都宮:監督とかコーチとかいらっしゃるんですか?

服部:それがいなくて。

宇都宮:学生だけ?

服部:ほとんど学生だけ。ただ一応チアの先輩だとかがコーチとしてやってくれたりはしたんですが、基本的には自分達で構成も演出も一から全部考えて練習も全部考えてやってました。

宇都宮:前例がない状態で模索して作っていく感じ?

服部:そうです。男だけのチームっていうのも早稲田の自分達のチームが初めてだったので、日本でも世界でもたぶん初めてだったので、自分達で手探りで探していくしかなかったのもあったので、そこはすごい考えながら頑張ってやっていました。

三木:そこがもしかしたらこの香りというものにつながっているのかもしれないと?

服部:そうです。その頃ずっと集中とか瞑想だとか考えてたのもあったので、自ずとその分野には関心はありました。


●大学卒業後の経歴とScentee入社のきっかけ

三木:それで大学を卒業されてベンチャーのほうに入られたんですね。

服部:そうです。1社目はSansanでやっていました。

宇都宮:大企業に行かなかったんですか?選択肢としては。

服部:その頃はむしろベンチャーに行きたいとは全く思っていなくて、ただSansanは必ず大企業になる会社だとその時確信が持てたので入ろうって思って。

宇都宮:どんな点で?面接とかで?

服部:代表の寺田さんですね。

「あの社長なら間違いなくこの会社は上場するし、世界に勝負する日本を代表する企業になるな」ってその時確信が持てたので。それぐらいすごい社長です。

三木:Sansanに入社されたのは何年?

服部:2016年ですね。CMが始まってちょっと有名になってきたぐらいなタイミングです。ただまだその頃は他のベンチャーと同じように「名刺管理?何だよそれ」「早稲田卒業して名刺管理の会社行くの?」って感じだったんですが、今こうやって振り返るとしっかり上場もしたし、「全く間違ってなかったな、良い選択だったな」っていうのは…

三木:寺田さんはどの辺がすごい感じ?

服部:他の社長にはないカリスマ性があると思っていて、一見ものすごく外向きには堅実そうな鉄男のようなイメージもあるんですが、社内で実際同じ時間を過ごしてみるとものすごく暑苦しいまではいかないんですけど人間くさい人で、社内にだけはその人間くささを情熱だとかそういったものをものすごい見せてくれる人なんです。きっと社員メンバーはそういったギャップにやられて心を持っていかれて、僕もその1人でした。自然とついて行ってましたね。結構男泣きしたりだとか、カッコいいです。すごい熱いものを持っていて。

三木:1回だけちょっと面識があるんです。心というものをすごい大切に扱う方っていう印象がありました。

服部:カッコいいんですよ。それで入りましたね。

三木:そのSansanのお仕事はどういうお仕事を?

服部:Sansanの頃はずっとセールス畑でした。名刺管理も個人向けと法人向けがあるんですが、法人向けのサービスを企業に向けて提案をずっとしていました。「全社員で人脈を共有して営業力強化しましょうよ」だとか「人脈の資産作りましょうよ」だとかそういったような提案をしたりしていました。

宇都宮:TVCMも共有して…

服部:「早く言ってよ」の(笑)。

三木:その営業のお仕事はどうでした?自分的には。

服部:ものすごい合ってて楽しかったです。何でそんなに楽しくできたんだろうなって今思うと、今のプロダクトにも共通しているものがあって、欧米のコピーキャット(模倣)やタイムマシン(海外の先進製品のコピー)じゃなくて、自分達で新しい風を起こそうと生み出したプロダクトなんです。そのプロダクトを色んなものに手を出すんじゃなくてSansanっていうサービス1個だけをずっと愛情を込めて育てていって、10年以上ずっと良いプロダクトにひたすら磨き上げてきて、「このプロダクトで俺たちは日本の代表として世界に挑んでいくんだ」「日本初のプロダクトで勝負するんだ」っていう想いを全員が持っていて、そういった情熱と愛情がこもったプロダクトをセールスするのは営業としてそんな喜びはないです。ものすごい幸せな経験を積めました。本当に誇りを持ってやれてたって感じです。

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三木:そのSansanさんからこちらのScenteeさんに移るきっかけは何かあったんでしょか?

服部:間近でそういった寺田さんの姿やSansanっていうプロダクトが育っていって、これから世界に挑もうとしている様を見て、とはいえ僕は250番目の社員だったので、プロダクトを育て切った実感まではどうしても湧かなかったんです。それはもうしょうがないと思っていて、自分が250番目の社員としてSansanに思う愛情と例えば1桁2桁で入った社員がずっとSansanを育ててきた親のような愛情とって絶対それは味わえないとは思うんです。そこはしょうがないので、そういった昔からいる社員の人の「本当にこのプロダクトが好きなんだろうな」っていうのを見てると自分もそういったものを味わってみたいなって羨ましくなっちゃったのが正直なところかもしれないです。「親みたいな気持ちなのかな?それを味わってみたいな。じゃあそういった未来のSansanになるようなプロダクトを自分達で育てるようなことがしたい」と思ってモノづくりの会社に飛び込んだ感じです。

三木:ITとか人工知能とか色々あるじゃないですか。なぜ香りだったのか?モノづくりだったのか?

服部:もう1つ転職のきっかけがあって、たまたま世界の時価総額のランキングの変遷を見る機会があって、30年前は30社中過半数が日本の企業でした。でも今はトヨタ一社しかない。

それを見てものすごい悲しかったんです。日本に生まれて日本が好きなのに、どんどん日本が世界の中で取り残されていくのが悲しくて、「じゃあ自分達が今ここにいる日本で昔世界に対して驚きを与えた企業、ものすごいリスペクトをもらった企業ってどこだろう?」って考えた時に、僕の中で思い浮かんだのがHondaとソニーだったんです。その2つに共通してるのって日本の昔ながらのモノづくりだと思うんです。それで本当に良いプロダクトを作ってそれを世界できちんと認めてもらって、その結果日本のプレゼンス自体も上がっていくと思うんです。「やっぱり日本ってすごいよね」「Japan madeのプロダクトってやっぱり間違いないよね」っていうものの基礎を作ったと思っていて、それがすごくカッコいいなと知れば知るほど感じてしまって、それでモノづくりの世界に行きました。もう1回あの頃の日本企業のような良いプロダクトを作りたい、もう1回日本の輝きを取り戻したいっていう気持ちで今の事業を始めています。

三木:色々ご自身で調べられたんですか?どういう会社があるかなっていう…

服部:色々調べました。とはいえ、今の時代になってある程度出尽くしているわけじゃないですか。「どの分野でもある程度世界が先を行っていて、結局今やるとマネになっちゃうし違うよな。じゃあ世界で勝負できる分野はどこだろう?」ってなった時にまずは言語によらない五感の分野に自然と目が行きました。「五感の中で一番夢がある分野ってどこだろう?」まだプレーヤーがいなくて勝者がいない分野が嗅覚だったんです。Appleが取れなかったのが味覚と嗅覚だと思うんです。その2つだけがいまだにまだ手つかずの状態で解明がされていない。「じゃあそこに挑むことはすごく夢があるしロマンがあるな」と思ったので、この分野をやろうと決意したきっかけです。

三木:素晴らしい。それでこちらのほうに?

服部:こちらのScenteeに飛び込んだ感じです。


●Scentee Machinaについて

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三木:こちらの製品Scentee Machina、素晴らしい宝石のようなプロダクトなんですが、どういうコンセプトの製品なのか教えていただきたいと思います。

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服部:自分達の想いとしては、今までこういった香りの製品ってまずデザイン性にこだわったものがなかったっていうところで、美しいカッコいいプロダクトを作ろうっていうので、まずはデザインの面から入っていったプロダクトになります。“香りにも美意識を”っていうのが僕らの(キャッチ)コピーです。特徴としてはIoTでこれはディフューザーになっていて、このボトルから香りが出るようになっています。それがスマートフォンのアプリを通してコントロールができる製品になっています。例えば時間帯によって香りを変えたりだとか、「朝はちょっと爽やかなグレープフルーツがいいな」「でも夜は落ち着いた甘い香りのレッドワインがいいな」「昼の時間は爽やかな香りにしたい」とか、そういった今まで香りを変えること自体もできなかったので、そういったところにもチャレンジをしていこうとしています。世界を見渡しても、こういった香りの世界にテクノロジーで挑んでいるところがまだまだ少なくて、ものすごい黎明期なんです。僕らの想いとしては香り×テクノロジーの代表の企業として頑張りたい気持ちがあります。

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三木:これは実際に作動させていただくことはできますか?

服部:できます。今手動でやってみると、こんな感じで香りがここから噴き出てくる感じです。

三木:ダブルクリックするとこのように…?

服部:一応手動でやる場合はこんな感じで色々と香りを出していったりとかできます。ただ香りを出すだけじゃなくて、ここに実は溝があってファンが内蔵されていて、そのファンで香りをしっかりと拡散をさせて。

三木:こういう感じなんですか?

服部:そうです。斜め上に出るようになっていて。意外とこのデバイス1つでも20畳ぐらいしっかり香りが届くようになっています。中空間向けのディフューザーですね。

三木:スマホでのコントロールはどういうことを?

服部:まず1つは時間帯で何時から何時に香りを出すか。もう1つは香りの種類、どの香りを出すか。最後は香りの強さをコントロールできます。この強さの部分って既存のものだとなかなかコントロールできなかったんですが、柔軟に強さの最適化ができるようにアプリでコントロールできるようにしています。

三木:回数みたいな感じですか?

服部:そうです。何分に何回出せとかそういったものを決めていく感じです。今は手動でコントロールしてるんですが、それを全部自動化させたいと思っています。

三木:AIみたいな感じで?

服部:センサーも高度化させていきたいと思っていて、人感センサーで誰かがいる時だけ出るようにする。もう1つは空間センサー、空間自体の今の状況を適切に判断してその空間に最適化された香りをきちんと出す。例えば湿度とか色んな要因によって香りって変わってくるので、そういったものをきちんと科学をしていきたいなと思っています。あとはAIです。アプリを通して利用する良さってその人の使用履歴だとかが分かって、「この人ってこういう時にこの香りを求めてるんじゃないか?」っていうのを学習していって、それを能動的にどんどんレコメンドしていったりする世界にしたいと思っています。

三木:この香りは今何種類ぐらいあるんですか?

服部:今は14種類。今後20種類ぐらいまでは増やしていこうと考えています。香りの種類も色々と考えていて、ちょっとチアの話につながるんですが、集中力だとかそういったものを高める香りも開発をしています。

三木:いいですね。

服部:あとはリラックスの香りです。例えば竹の香りとかヒノキの香りとかにもちゃんと効果があるので、リラックスも取り入れています。ゆくゆくはアスリートの人達の集中力だとか、例えば本番の前の瞑想の時間によりパフォーマンスを上げるための1つの武器として、でもアスリートもビジネスマンも同じだと僕は思っていて、どちらも集中力が求められると思っているので、そういったところで役に立っていけたらなと思っています。そこは自分の原体験だったりだとか昔からの想いにもつながるのでやっていきたいです。

三木:マインドフルネスみたいなものと組み合わせていくイメージですか?

服部:まさにそれをやっていきたいなと思っています。香りってものすごく大事なファクターだと思うんです。集中だとか深くきちんと自分の中に入り込んでいく。

三木:確かに私も毎朝座禅をしてるんですが、お香は欠かせないアイテムで。そのお香の香りの中で集中力を高めていくっていう。私のお気に入りのお香は高野山のものなので。

服部:いいですね。

三木:高野山の香りをぜひここから出していただけると。

服部:今実際にアガーウッドと言ってお香のような香りも今用意をしています。香木ですね。ちょっと京都のお寺のような香りも作ったりしていて…

三木:色々ブレンドしていくと色んな香りが出てくるから。

服部:そうですね。まさにそういった香りなんかはマインドフルネスの文脈とかも考えて開発された香りだったりします。

宇都宮:会議とかで必要ですよね。

服部:必要だと思います。

宇都宮:ギスギスした感じ。クリエイティブな会議にしたい。

三木:会議室にあると良いですね。

服部:そうですね。ちょっと笑っちゃう話なんですが、今の季節ってジメジメ、ムシムシしてて、どうしてもちょっとこもっちゃうのでそういったニーズもあったりします。そういったあまり心地よくない匂いの環境でやるよりも本当に良い香りの中でやったほうが頭が冴えていくので、より会議の生産性も上がっていったりだとかにも間違いなくつながっていくと思っています。

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三木:この製品は色んなところに置かれていると思うんですが、企業様の使い方ってどういう感じなんですか?

服部:2パターンあって、社内向けと社外向けで分れたりします。社内向けはすごいイメージしやすくて、社員の生産性の向上だとか働く環境のアップです。それこそ会議室だとか執務スペース内でしっかり良い香りにして集中力を上げようとか。もう1つ外向けのニーズもものすごく強くて、例えば初めてオフィスに来た人が一番記憶に残るのって五感の分野なんです。オフィスの印象って「ちょっとキレイだったな」とか「なんかかっこよかったな」「なんか良い香りしたな」とかそういったところの記憶ってすごく残ると思うんです。オフィスに来た人達が自社の第一印象をアップしてもらうために香りを取り入れてもらったりもしています。

三木:例えば待合スペースみたいなところとか?

服部:そういったオープンスペースに香りを取り入れてますね。

宇都宮:でも日本人ってあまり香水となじみが少ないじゃないですか。海外の人はもっと香りになじみがあったりとか、何か違いがあるんですか?

服部:文化的にあるんですよ。やっぱりそこは海外のほうが元々なじみがあります。ただ僕らでしかできないこともあると思っていて、日本ならではの香りってあると思うんです。先ほどのお寺の香りとか高野山の香りだとかってまさにそうだと思っていて、お香だとかそういったところと競合していくんじゃなくてうまく手を組んで、日本の代表としてそうやって世界にみんなで挑んでいけたらなっていう想いはすごくあります。僕ら単体だけで今の香りの市場をディスラプトしていくんじゃなくて、一緒に手を組んでやっていけたらなと思っています。例えば僕らってこのデバイスをメインに作っているメーカーなのでものすごい可能性ってあると思うんです。中身の香りに関しては僕らもまだ初心者なところはあるので、そういったところを何百年もやっているような企業もたくさんあるので、一緒に手を取り合って世界に日本の香り文化の良さっていうのを伝えれたらなっていうのは強く思っています。

三木:この製品は色んな世界でも展示されているんですか?

服部:はい。世界の展示会にも出しています。

三木:どういうところに持って行かれたんですか?

服部:面白いところだとミラノサローネに出展しました。

三木:どういった反応でしたか?

服部:「何だよ!?これ」って感じ。「これ何だ?スピーカーか?」「違う。ディフューザーなんです」「クレイジーだね」っていう反応でした。

三木:実際お買い求めになった方もいらっしゃいましたか?

服部:いらっしゃいましたね。反応としては「クレイジーだね、日本人」「こういうの作っちゃうんだ」みたいな(笑)。すごいうれしかったです。リスペクトがこもった反応だったので。

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三木:これはここを押せば出るんですか?

服部:そうですね。ここを2回押すとこうやって出ます。

三木:止まるんですか?自動的に。

服部:またもう1回押すと止まります。手動でも遊べたりします。今この香りがヒノキの香りです。ちょっと爽やかな頭が冴えるような香りですね。

三木:瞑想する時にこういうので高野山とか比叡山とか色々と。

服部:そうですね。実際に導入実績もそういうところが多くて、ヨガだとかスポーツジムだとか、マインドフルネスの研修に使ったりだとか色々あったりします。

三木:鎌倉でマインドフルネス文化を広めるというZen2.0というイベントをやっていまして、色んなマインドフルネスの先生とか日本の禅のお坊さんとかが日本語と英語でディスカッションをしたりとかする場所なんです。こういったプロダクトがそこにあるとすごい目立つかなと(笑)。

服部:確かに。海外の人にはデザイン性含めて結構ウケ良いですね。こういったのを好きな人がすごい多いじゃないですか。カッコいいデザイン。

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三木:それで今入社されてから8ヵ月ずっと活動されてますが、この製品に対するお客様の反応とかどうですか?

服部:結構反応はおかげさまで良くて、一番うれしいのは僕もそうだったんですが、香りのこととか全然分からなくて、でもちょっと興味があるような潜在層の人達がデザイン名をきっかけに「カッコいいからまず置いてみようか」っていうので置いてくれたりして、そこから香り自体の良さに気づいてくれて、少しずつ香りそのものが好きになってどんどん深く知っていってもらえるのがものすごくうれしくて。今後も僕達がそういった香りの世界への橋渡し役ができればなっていう想いで今はやっています。

宇都宮:そうすると情報発信とかはされているんですか?香りみたいな文脈は。

服部:実はまだ完成したばかりで、今まではもうこれを作るぞっていうことだけで一生懸命やってきたので全然PRができてなくて、今回すごく楽しみにしてました。

宇都宮:色々想いを伝えていったりとか。

服部:もっと発信していきたいですね。

宇都宮:伝わりにくいじゃないですか。映像とか音声だと。

服部:そうなんですよ。そこが難しいんですよね。

宇都宮:インターネットに香りを乗せれないんですか?

服部:そしたら面白いなと思います。

宇都宮:スマホの着信で香りがするタイプはそういう方法に近かった?

服部:実は昔それをカヤックさんと一緒に作っていました。スマホに装着をしてメッセージを受信すると香りがパフッと出てくると。それで着メロみたいに着パフっていうのを作っていました。

三木:その後焼肉の匂いがするっていう…

服部:そうです。それがアメリカでバズりにバズって。

三木:30万台の注文が来たと。

服部:そうです。30万台の注文で何億PVみたいなことで。色々と歴史がある会社です。香りっていうものに対しての世界の関心度の高さを感じたので、この分野で迷いなく今やれてます。

宇都宮:女性のほうが結構敏感じゃないですかね。アロマとかよくやってらっしゃいますよね。

服部:それはうれしいツッコミで、女性のほうより男性のほうが強いんですよ。意外とこれを買っている層が男性のほうが多いぐらいです。そこが大きく今までと異なるところで、男性でもカッコよく自宅に置けるようなものにしたいっていう想いがあったんです。今まで香りのこういったものって女性だけのイメージが強かったんですが、男性でもちゃんと香りの世界に入ってきてほしいっていう想いがあります。香りっていうものが間違いなくビジネスのパフォーマンスのアップだとかにもつながってくるっていう確信が原体験からもあるので、それをちょっとでも伝えたいっていう想いでやっています。

宇都宮:ビジネスマンとかおじさんとか。

服部:例えばそうです。ちょっと香りになじみがなかったけれども、ちゃんとパフォーマンスを向上したいだとか、より集中力を上げたいだとか、マインドフルネスにもつながってくると思います。

三木:ちなみにこれは1台おいくらですか?

服部:このデバイスが6万円で、このボトルが8,000円です。「なくなったらまた買ってください」っていうモデルになっています。プリンターみたいなモデルです。ちょっと値は張るんですが、その分価格に劣らない良いプロダクトだと思います。中身は間違いないです。

宇都宮:データとか取ったりされてるんですか?

服部:データ取っています。それが僕らがやりたくて、香りのデータを持っている企業ってまだ世界でも少なくて。

宇都宮:通常取れないですよね。

服部:なかなか取れないです。そこはIoTの良さだと思うので、しっかりそういったデータを取っていって、今後活用したいなと思っています。そのためにはみんなに買ってもらわないといけないので頑張ります。僕らの本当の強さってそこのデータの部分だって僕は思っています。本当はそれをやりたいんです。

宇都宮:BtoBならそれが効いてきますよね。

服部:そうです。

三木:どこかの研究所とかと組んでやってらっしゃるんですか?

服部:それもいいと思っていて、ただ今は社内だけじゃ限界があったので、花王さんと一緒に研究所を借りてやっています。

三木:いいですね。

服部:もっとその研究のところも自社で閉じこもるんじゃなくて、大学もそうですし色んなところと一緒にやっていきたいなっていうのはすごいあります。


●服部さんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて

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三木:服部さんの考える○○の未来っていう感じで○○は自分で入れていただくんです。香りでもいいですし、別のことでもいいですし、Scenteeの未来でもいいです。

服部:香りの未来。Scenteeの未来かな(笑)。僕らは香りのDJみたいな存在を目指していて、世界中の香りをScenteeが全部遠隔で演出をする。僕らは香りを作るメーカーでもあるんですが、それに留まらずにもう1段上の香りのデザイナーにもチャレンジをしたいなと思っています。空間の演出家集団ScenteeみたいなものをIoTの力を使ってやりたいなと思っています。例えば世界のどこかにあるこのScentee Machinaも僕らのパソコン1台で香りのコントロールができるので、そういったものも演出する香りのプロとしてそういった取り組みもしていきたいなと思っています。

三木:香りのプラットフォームを作る感じですか?

服部:その言葉が言いたかった。喉から出てこなかった。香りのプラットフォームになりたいと思っています。

三木:素晴らしい。日本初のプロダクトとしてマインドフルネス業界も応援していますので。

服部:ありがとうございます。

三木:これを使った瞑想会をやったりとかそういうコラボレーションとかもぜひぜひ将来的にさせていただきたいと思います。鎌倉でやっていますので、良いプロモーションになるかもしれません。ぜひ頑張ってください。

服部:はい。ありがとうございます。

三木:本日は貴重なお時間ありがとうございました。

服部:ありがとうございました。


対談動画


服部雄也さん


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