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ブルーム・フェザー

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小鳥型のロボット玩具『ブルームフェザー』。身の回りで流行り出したそれが、蒼崎ツバサはどうしても好きになれなかった。けれどそんな彼女の元に、一体のブルームフェザーがやってくる。既に… もっと読む
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記事一覧

【小説】ブルーム・フェザー #1

 すたたたた……  空気を軽く叩きながら、機械の小鳥は羽ばたいた。  激しく翼を振りつつ…

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【小説】ブルーム・フェザー #2

#1 「それで……どうしよっか」  部室を出て、わたしは明石と呼ばれていた女の子に訊ねた。…

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【小説】ブルーム・フェザー #3

#2 「白城先輩、よろしくお願いします」 「えぇ、いい勝負にしましょう」  一週間後。  わ…

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【小説】ブルーム・フェザー #4

#3 「それで、フェザー部入っちゃったんだ」 「うん。もう少し向き合ってみてもいいのかな、…

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【小説】ブルーム・フェザー #5

#4 「ミネルヴァちゃん、かもーん!」  屋上へ出ると、飾利先輩は早速ミネルヴァを呼び出し…

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【小説】ブルーム・フェザー #6

#5 「ただいまぁ」 「おかえり、ツバサ。なんか飲んでくか?」 「んー……あ、今お客さんい…

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【小説】ブルーム・フェザー #7(終)

#6  多分、心のどこかで期待してたんだと思う。  チコは本当にお母さんがわたしへ贈ったもので。  つまりお母さんは、わたしの事を想っていたんじゃないか、って。 (でもチコは、違う)  緑川アテナは言っていた。  チコは、起動実験中に飛んで行ってしまったのだと。  事故みたいなものだ。もしくは迷子か。少なくとも、贈られてきたものではない。  じゃあ、返すべきだ。本当なら、そうすべきだ。  でも、と思う。そうなったらきっと、わたしはブルームフェザーに触れられなくなる。