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[ひと口キロク] ジェンダーによる言葉の変化

日本では議論に上がらない、女性名詞や男性名詞のこと。

スペイン語を学んだ時に疑問に思ったことがある。
簡単にスペイン語について解説するとEllaが彼女(She)Elが彼(He)複数形がEllosまたはEllas。(英語だとどちらもTheyになる)

男性が5人いて、女性が1人 👨👨👨👨👩

そうなると、男性の方が比率が多いので「Ellos(彼らたち)」を使うんだろうなと想像できる。
まぁ、自分がその1人の女性だったら、6人を紹介する時に「彼らたち」と紹介されては、自分の女としての性が失われている気もするが、人数も多いので、民主的な判断と考える。

しかし、以下の場合はどうだろう。

女性が5人いて、男性が1人 👩👩👩👩👨

民主主義的に考えると「Ellas(彼女たち)」になりそうだけど、スペイン語のルールだと「Ellos(彼らたち)」になってしまう。
単純に「彼らたち」と聞くと、男性だけしかいないのかな?と思わせてしまう。
単数形だと性別の判断は容易なものの、複数になると一気に女性の性別の存在が消え失せてしまう。


わたしたちはどこへ行ったのか。


・・・

さて、本題。ここ数週間でメキシコで話題になっているTikTokerがいる。
Andraさんという人がとあるミーティングに参加していて、TELCELという大きな会社が「仲間」という意味の「Compañeros」という言葉を使った時にその出来事が起こった。

Andraさんは「なぜCompañerosなの?Compañeresって呼ぶべきじゃないの?」と涙ながらに訴えかけていた。

スペイン語の性質上、いくら女性がたくさんいても、1人でも男性がいれば男性優位の言葉使いになってしまうし、ここでの論点は、Andraさんがバイナリーの人に対しての呼称を訴えかけているということ。

女性優位だと、語尾に「a」が付く。男性だと「o」。その間をとって「e」。
なるほど、と思わせてくれる。


最近、呼び名については気をつけないとと思うことがたくさんある。
スペイン語だと語尾に「e」や「x」をつけて、発音には困るものの、テキストでは何の違和感もなく使われている。
全くわたしは反対じゃない、むしろいいんじゃないかなーと思っている。

日本語では、極力「彼」や「彼女」、性別だけでなく国籍を指定するようなこともしたくないので、避けている。

もちろん、この考え方って個人の見解でしかないし、Andraさんのように誰かに押しつけするというのは何か好まない。主張はいいと思うが、義務化するのは違う。

とにかく、ジェンダーで言葉の在り方さえも揺るがされている今、そんな現実があるんだな、ということを心に留めておく。そして自分の考えを保っておくことが大事。

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