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ルイス・ブニュエル監督『昼顔』夜は主婦、昼は娼婦のカトリーヌ・ドヌーヴ!?


<作品情報>

昼は娼婦、夜は貞淑な妻の顔を持つ若き人妻の二重生活をカトリーヌ・ドヌーブ主演で描き、1967年・第28回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品。「アンダルシアの犬」のルイス・ブニュエル監督が、ジョセフ・ケッセルの同名小説を映画化した。セブリーヌは裕福な医者の夫と何不自由ない暮らしを送っていたが、その一方でマゾヒスティックな妄想にとらわれていた。そんなある日、パリにある娼館の噂を聞いた彼女は、好奇心から足を運び、「昼顔」という偽名で働くことに。封印してきた性を解放することで夫への愛情も深まり、満ち足りた気分を味わうセブリーヌだったが……。

1967年製作/101分/フランス・イタリア合作
原題:Belle de Jour
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2022年1月21日

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度:★★★☆☆

<短評>

上村
大好きなブニュエル作品、期待を裏切らない変な映画ですごくよかったです。ブニュエルにしては分かりやすいストーリーのある映画だなと思いますが、幻想シーンの挿し込み方の奇妙さや、巧妙に仕掛けられた冒頭とラストの構造など流石ブニュエルです。
要はこの映画、冒頭とラストが繋がっていてループしているため、本当はどこにどのシーンが来るのか分からないようになっているのです。
ドヌーヴの美女っぷりを観ているだけで価値はあるのですが、ブニュエルの奇妙な演出がとても面白いですね。ブニュエルにしてはちゃんと話がありますし、代表作とされるのも納得の一作でした。

吉原
不感症の若妻が夫との性生活の改善のために昼間だけ娼婦として働くという何とも奇抜な物語。この映画の内容を『浮気』や『裏切り』として感じるか否かで評価が変わると思います。作品の感想が観る側の潜在意識に委ねられていると言っても過言ではないでしょう。物語の途中途中に現実のことではないいわゆる“ドリームシーケンス”が組み込まれており、鞭で打たれたり、御者からレイプされるようなシーンが映されます。自分が不感症であることに対する夫への罪悪感やそれに反して、そのような行為に快感を感じる主人公の感情のミスマッチが非常に面白い作品です。

<おわりに>

 とにかくカトリーヌ・ドヌーヴが美しい!それに尽きます。
 奇妙な作品をつくることで有名なルイス・ブニュエルですが、割と分かりやすい方だと思います。虚実入り交じる物語、自分なりに解釈してみると楽しめるのではないでしょうか。

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