濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』文学的表現が光るヒューマンドラマ
<作品情報>
<作品評価>
80点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
『寝ても覚めても』が全くハマらなかった濱口竜介監督作品ですが、本作はすっかりノックアウトされてしまいました。3時間が全く苦にならない傑作です。
車を運転すること、してもらうこと、演技すること、稽古すること…全てが過去の蓄積であり人生なのです。
人が自分の苦しみや後悔にどう折り合いをつけて生きていかなければならないのか問いかけてくる作品です。
吉原
本作は村上春樹原作の短編小説を実写映画化した作品で、2021年のアカデミー賞では作品賞にノミネートされたことでも話題になっていた作品でした。結論から言うと全く飽きることのない3時間でした。大きな出来事が起きることはほとんどなく、長々と会話だけのシーンもありますが、それが不思議と退屈ではなく、非常に心地いい映画体験だったと記憶しています。
内容は非常に文学的で、文学大好き人間かシネフィルじゃなきゃ楽しめない作品なのではと少し思わせられましたが、オスカーにノミネートされていたこともあり、普段あまり映画を観ない人がどんな印象を持ったのかが非常に気になりました。
演劇を扱った映画ということで、より生々しい演技を作る過程でどのようなことが行われているかを学べる稀有な作品でもありました。映画好きだけとは言わず、文学や演劇ファンの方にもおすすめの作品です。
<おわりに>
日本映画として初めてアカデミー作品賞の候補になるなど国際的に評価された作品です。そのレベルの高さにノックアウトされました。
<私たちについて>
映画好き4人による「全部みる」プロジェクトは、映画の可能性を信じ、何かを達成したいという思いで集まったものです。詳しくは↓
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