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私が大学入試の面接・プレゼン対策で共通してアドバイスすること(2022年更新版)

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

今日は、大学入試の面接・プレゼンテーション対策で、誰にも共通してアドバイスすることをお話しします。もちろん個々人で対策することは違うのですが、必ず同じことを話していますので、それをお伝えします。

総合型選抜・学校推薦型選抜(学力試験以外が中心)の実績:今年(2022年度入試)は3大学3名合格しております。電気通信大学 Ⅰ類(総合型選抜)、京都工芸繊維大学  デザイン科学域(ダビンチ入試)、福山大学 経済学部。特に前者2つは、プレゼンテーションやグループディスカッションなども含まれ、非常に難易度の高い試験でした。

また2020年度入試では、AO入試に2大学2名合格しており、岡山大学グローバルディスカバリープログラムのAO入試と、川崎医療福祉大学の保健看護学部保健看護学科のAO入試です。特に前者の入試はプレゼン、集団討論などもあり、極めて難易度の高い入試でしたが、あるポイントを徹底させたところ、問題なく合格しました。本人も拍子抜けだったそうです。もっと詰められるかと思った、と。

面接やプレゼンと言っても、様々なタイプの入試があります。素朴に志望理由を答えたりする面接、口頭試問があるタイプの面接、その場で即興で答えるタイプのプレゼン、と言う形式なら、今回お話しするポイントは非常に役に立ちます。

当記事の最後に、電気通信大学総合型選抜で合格した方の、合格体験記を記載しておりますので、指導の参考になればと思います。

①問い=要求されていることに対して、「(聞き手にとって)わかりやすく」答える

「は?」と思われると思います。そんなの当たり前だろ、と。ところがどっこい高校生の行間を読む力や、聞き手が察することを無意識で求めているレベルを舐めてはいけません

ほとんどの生徒は「言葉を尽くせば伝わるだろ」というゴリ押しをしてきます。しかも、部分部分では、あからさまにダメな回答ではないのが、状況理解をややこしくしています。

よくありがちな、私の基準では全然ダメな回答例を挙げながら、説明していきます。

例:志望動機を教えてください(管理栄養士を志す学部、地元の公立大学)

(ありがちな回答)

私が貴学を志望したのは、オープンキャンパスに参加して、高校生向けのセミナーの内容に共感したからです。高齢になっても亡くなる直前まで元気で過ごすための医療と管理栄養士の協力についてのお話でした。

私は祖父を病気で亡くし、好き嫌いが激しかった祖父は、晩年も体調を崩して辛い様子で数年間を過ごしていました。もっと食事をしっかり摂っていれば健康に晩年を過ごせたのではないかと思い始め、管理栄養士に興味を持つに至りました。

貴学では地元への就職が強く、私は地元で働きたいため、貴学を志しました。

以上です。

この回答、何が問題でしょう。パッと文字で読んだだけだとなかなかわかりづらいですよね。いくつかポイントを挙げます。

①「志望動機」としてセミナーを理由に挙げているが、何に共感したのかが明確に述べられていない。
②「管理栄養士を志望する動機」と「大学を志す理由」が入れ替わり立ち替わり現れるので、面接官からすると非常に聞きづらい。相手の立場に立てていない。
③地元に就職したい、と考えることの理由が全くない。直感に近い話でも、何かしら理由(思い)を付け加えた方が良い。

ほとんどの生徒が、指導する前はこんな感じなんです。学校で少し指導された後でもこれがほとんど変わってなかったりします。高校生の多くは、加点ポイントを並べれば並べるほど、加点されると思っているんですね。伝わらなければ0点なんですよ面接やプレゼンは。

(回答例を元に、添削した回答)

(なぜ管理栄養士か)
まず、私が管理栄養士に関心を持ったのは、祖父を病気で亡くしたことがきっかけでした。好き嫌いが激しかった祖父は、晩年も体調を崩して辛い様子で数年間を過ごしていました。もっと食事をしっかり摂っていれば健康に晩年を過ごせたのではないかと思い始め、管理栄養士に興味を持ちはじめました。

(なぜその大学か)
そうして進路調べをしていく中で、貴学のオープンキャンパスにおいて管理栄養士志願者向けのセミナーがあることに気付き、参加させていただきました。その中では、晩年まで元気に過ごすため、医療と協力して働く管理栄養士の姿を教えていただき、私が抱えている問題意識と合致したので、とても共感し、貴学を志望したいと思うようになりました。

(話していて、時間があるようならこれも話す)
また、貴学では地元への就職が強く、私はこの地域で生まれ、育てられたと思っているため、地元に貢献したいと思っております。将来も地元で管理栄養士として地域のお年寄りのために働きたいため、貴学を志しました。

以上です。

実際には、こちらから全てを書くことはありません。本人から出てくる言葉が、本番ではすぐに出てくるので、私の言葉はなるべく使わせません。あとは、これを何度か声に出して読み、自分の言葉で読めるように練習することを指導します。

問いに対して答えることは、簡単ではない

自分が考えた回答が、問いに対して適切かどうかを見極めるのは、かなり頭を使う作業です。面接で聞かれるような典型質問は、大学ごとに調べればたくさん出てきますね。その1つ1つについて、以下の2点を検証してみましょう。

この問いの意図は何か?→自分の何を見られているのか?

また同様に、面接・プレゼンのスタイルによっても、対応が変わるでしょう。単なる「(大学側が考える基準での)まともな受け答えができるか」に過ぎないのか、「ある一定以上の尺度で回答できなければダメ(医学部特有の倫理問題ではありがち)」なのか。これは面接・プレゼンにかける時間や形式である程度は判断できるでしょう。もちろん、過去の受験者からの体験談も大いに参考になるでしょう。

そもそも何の基準で選抜するための面接・プレゼンか?
 →時間が極端に短いor長い、集団or個人、例年の質問内容を見る

いずれにしても、相手の視点に立って、「なぜこの質問か、なぜこの形式化?」を考えることが重要です。答えは大学ごとに違います。面接官=大学の先生方に、「この生徒にぜひうちで学んでもらいたい」と思ってもらうことが合格=面接の点数MAXには必要なことです。情報をかき集め、判断しましょう。

②質問に対する回答を「あなたの哲学」から考える

ここからは、具体的な回答内容を考えるときに必ず指導することです。

志望動機が、全ての回答を作るための根っこになります。志望動機をフローチャートで大学入試に関係するところを書き出していくとこうなります。

なぜ、その学部か?:興味関心を持つきっかけ)
(興味関心を深めた具体的な行動:過去の実践
なぜ、その大学か?:その大学に興味を持つまでに工夫したこと)
(普段の生活・部活などで意識して取り組んだこと:現在の実践
(大学入学後どうしたいか、在学中やりたいこと:近い展望
(卒業後どうしたいか、卒業3年後、5年後、10年後は?:遠い展望

このストーリーを作ることができれば、あらゆる質問はここから回答できます。と言うかここまで作りあげれば「どう生きるか」に近いですね。なので、これを完成させたものを「あなたの哲学」と呼びます。

全てを「あなたの哲学」から引っ張り出す

いくつか、典型的な質問例を載せます。

上記のように組んだ「あなたの哲学」から直接答えられる質問の一例です。

志望動機/どんな○○になりたいか/将来の夢
高校時代に頑張ったことは=「あなたの哲学」の実践

また、一見関係なさそうな質問も、「あなたの哲学」から捻り出せます。

尊敬する人物
→自分が望む生き方=「あなたの哲学」に近い生き方をしている人

好き/得意な科目
「あなたの哲学」の「関心」と必ず重なるのでそこから説明する

嫌い/苦手な科目
→どう克服しようとしたか一緒に話す。必要なことをやり抜く力=「あなたの哲学」の実行力を見せる。

高校を紹介してください
→学校生活で「あなたの哲学」が深まったイベントを中心に話す

実際には、面談の中で質疑応答しながら、回答の捻り出し方を学んでもらうようにしています。こうすることで、自分が常に考えていること、自分が未来に対して思っていることから、全ての回答が引きずり出せるようになります。そうなれば、面接で動揺し過ぎたり、回答に長時間詰まってしまうようなことは起きなくなります。こうして鍛え上げ実践した「あなたの哲学」に自信を持っていきましょう。

総合型選抜の合格体験記

電気通信大学/Ⅰ類合格:Yさん

電気通信大学に総合型選抜で合格することができました。

石原先生には総合型選抜の対策を全般的にしていただきましたが、1番時間をかけていただいたのが、志望理由書の添削です。7月の期末試験終了後から志望理由書を書き始め、7回ほど書き直し、仕上がったのは8月中旬頃でした。

学校の先生に志望理由書を見せると、「受かりやすい文章のパターンがある」と言われ、書き直すよう提案されましたが、石原先生は、私が書いた文章を否定することは一度もありませんでした。私の主張を最大限に尊重してくださいました。

石原先生は、文章の意味が伝わりにくい所や自分では筋道立っていると思っていたけれど、2段階くらい間が飛んでいる、もっと説明が必要など、自分では気づくことができない「誰が読んでも、自分の言いたいことが伝わる・分かりやすい文章」になるよう注力してくださいました。

さらに、志望理由書の添削時、「〇〇についてはどの文献に書かれてるいるの?」「今、〇〇についてはどんな問題点が考えられるの?」「その問題点について対策はあるの?」「〇〇に関して評価方法はどう考えているの?」など質問することで私の書いた文章をどんどんと深堀りしてくださり、曖昧だった箇所や考えの足らない所を修正していき、最終的に内容の濃いものに仕上げることができました。この深堀りが面接対策にもつながり、面接で慌てることなく落ち着いて返答できました。

1次試験合格後は、2次試験のプレゼンテーションと面接の指導をしていただきました。プレゼンテーション対策では、「自分の思いをしっかり伝えること」ができるよう間の取り方など発表方法のアドバイスをいただきました。面接対策では石原先生に考えたいただいた想定質問を、自分の言葉で表現できるよう何十回と練習を繰り返しました。

先生には内容面を質の良いものに導いていただいたことに感謝していますが、それ以上に精神面でのサポートをしていただきました。私は言葉がスラスラ出てくるタイプではないので、面接が非常に不安でした。が、石原先生が「言葉が不器用な人もいるけれど、それだけで落とされることはない。不器用でも自分の思い・考えをどれだけしっかり伝えられるかが大事」と何度も仰ってくださいました。また、「スーパーマンみたいなすごい人も面接に来てるかもしれないけれど、あなたが戦うのはその人ではなくて、あなたと同じレベルの人だから。すごい人がいても怖がる必要はない。」と話してくださったおかげで、2次試験当日は今までで1番よいパフォーマンスを発揮することができました。

私よりも技術面で優れている人はおられたと思いますが、私が合格できたのは、「自分は電気通信大学でこれをやりたい。」という確固たる信念を持ち、それを面接やプレゼンテーションで、しっかりと伝えられたからだと思っています。

石原先生が私の主張を尊重しつつ、曖昧だった所をどんどん具体化してくださったお陰で、最後までぶれずに自分の主張を貫き通すことができました。的確なサポートをいただき感謝しています。本当にありがとうございました。

ここまで

本日は以上です。

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