ブルーインパルスの飛行音で目覚める朝に
「ギュオーーーン」というブルーインパルスのけたたましい飛行音で目を覚ました。
石巻にいたころは、仕事やら遊びやらで朝方まで起きていて、ようやく床についた頃、
何度このブルーインパルスをうらめしく思ったかしれない。(戦闘機ファンに怒られそうだが、、、)
今はただただなつかしい。そしてやがてまた疎ましく思うことだろう(笑)
人間は生来的に、善にも悪にも、慣れる生き物なのだ。
起きたのは、朝8時くらいだろうか。
今からきっかり1年前に石巻を離れ、仙台に移った。
が、今、何の因縁か、こうして再び石巻にいる。
天井のライトや洗濯機のバルブなどがあらかじめ備え付けられていない石巻の住宅ルールに「そういえばそうだった、とっておけばよかったな」と後悔しながらも、
必要最低限の家具もそろい(コンロはまだ買ってない)、引っ越しもひと段落した。
引っ越しは大変だけど、気持ちがいい。
少なくとも生活をリセットすることができる。
もともと父親の仕事の関係で、幼いころから転勤族の宿命を背負わされ、
あらためて数えてみると、今回で16回目の引っ越しだった。
両親は8回くらい、と言っていたので、ダブルスコアで勝利したことになる。
"A rolling stone gathers no moss"
(転がる石に苔は生えない)
1つのところに腰を落ち着けないと長期的な成果は出にくいと分かってはいつつも、生来的に(あるいは後天的に)変化を好む性格がそれを妨げている。
しかし、世の中を見渡すと、変化を好む人間は一定数たしかに存在し、社会の維持にある程度の寄与を果たしている。
環境を変化させることを好む人間は、変化に強い。
それはこの現代社会においてはアドバンテージになるだろう。
変化を好む自分の性格を礼賛するつもりはないのだが、
自分にはないもの――1つのことに落ち着いて専念しつづけること――へのせめてもの言い訳であり、開き直りであると捉えていただけたら有り難い。
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窓を開けて空を眺めると、基地の方向に2機のブルーインパルスが直線的に飛行していくのが見えた。
やがてその姿さえも見えなくなり、飛行音だけが虚空を漂っていた。
時間も人生もあっという間に目の前を通過し、瞬く間に過ぎ去っていく。
石巻での未来に思いを馳せながら、ただ飛行機の残した雲の余韻にしばらくの間ひたっていた。