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「レイニー・デイ・イン・ニューヨーク」を観るとオサレな気持ちになれる

最近Netflixで配信が始まったので、公開時に書いたレビューを記事にしてみました。

御年84歳、巨匠ウディ・アレン御大の2021年現在の最新作。
主演にティモシー・シャラメ、ヒロインにエル・ファニング、その他キャストにセレーナ・ゴメスやジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ等超豪華キャストが集結。

これだけのキャストを揃えればディザスター系の超大作がいくらでも撮れそうだが、ウディ・アレンがそんなもん撮るはずもなく。
ニューヨークの街角を舞台にした軽妙なラブコメはこれぞウディ・アレンといった作風。

登場人物同士の軽妙なやりとりやどこを切り取っても絵になる画面づくり、シャレオツなファッションに加え、未だに若者同士の恋愛を瑞々しく描こうとするウディ・アレンの衰えない創作意欲は素晴らしい。

しかし、この作品の本当にすごいところは登場人物全員自分のことしか
考えていないことじゃないだろうか。

観てもらえばわかると思うが、この作品のキャラクターに共感できる人は
あんまりいないと思う。

大学生のギャツビー(ティモシー・シャラメ)はアシュレー(エル・ファニング)に夢中だが、その会話は序盤から全然噛み合っていない。

アシュレーは著名な映画監督にマンハッタンでインタビューできることが決まり有頂天だけど、ギャツビーはその際どんな風にアシュレーと過ごすかだけを考えている。
お互い自分のしたいことをぶつけ合っているだけで、相手の興味関心をあまり尊重していないことが伺える。

その後もアシュレーはギャツビーのことなど眼中にないように暴走気味。
有名監督によくされてノリノリだし、偶然知り合ったハリウッドスター(ディエゴ・ルナ)に口説かれたらホイホイ部屋までついていく。
ギャツビーのことはアスペ気味とまで言い放つし、
ハリウッドスターに口説かれれば“彼氏だけど彼氏じゃないかも”みたいなうわ言までほざき出す。
冷静に見ればなかなかのクソビッチである。
終盤の彼女の言動はもはやサイコパスっぽさすらある。

で、対するギャツビーの方も結構なクソ野郎
常に周りを見下したような発言をし、斜に構えたような立ち振る舞い。
自分のことを特別な存在と信じて疑わない(まあ、演じてるティモシー・シャラメは確かに絶世のイケメンなんだけど)。

他の登場人物も周りを振り回す有名監督に妻の浮気を責め立てる割には自分も怪しい脚本家(結局アシュレーのことも口説いてるし)、女優の妻がいない間にアシュレーを家に連れ込むハリウッドスター等、全員自分のことしか考えておらず人格が腐っているとしか思えない。

ただ、出てくるやつが揃いも揃ってクズなことで逆に「本当は世の中誰しもそんなもんなんじゃないか?」と思わせるような謎の説得力が発生していることも事実であり、それがこの作品の狙いでウディ・アレンの演出技法なのだとしたら
僕は完全に彼の術中にハマっていたと言える。

とはいえ、前述のようにキャラへの共感性やストーリーの納得感がほぼ皆無に等しいため、個人的にストーリーはイマイチに感じた

ただ、雨のニューヨークの街並みやティモシー・シャラメ、エル・ファニングをはじめとしたキャスト陣の姿は非常に魅力的に切り取られており、ポスターや予告のセンスも非常に良い。

このポスターとかめちゃくちゃかわいい。

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ティモシー・シャラメの服も超シティボーイで最高。

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おっさん臭い色味が良いジャケットはラルフローレンのものらしい。
絶妙に"育ち良い感"が出ててたまらん。

ビジュアルを直感的に捉えるとかなり評価が上がる作品。
話の着地のさせ方も洒脱で好きだった。そこいくの!?感もあったし。

それらの点を踏まえるとそこまで嫌いな作品ではないので、
評価は真ん中でこれぐらい。

そういえば、上映中ジュード・ロウに全く気づかなかった。

前髪が少し前と比べて更に…
2年前にコミコンで見たときはそんな変わってなかった気がしたけど。

高度な役作りだったのかな。ダンブルドアの時はイケメンだしね。

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